今日はbbcニュース24で、正午から夜の10時までぶっ続けで、オバマ大統領の就任式の生放送をしていました。私も3時くらいから5時に子供にテレビを撮られるまで見て、夜は9時からずっと見ています。
普段は経済の話も政治の話も世界情勢の話も、気分が悪くなる元になるので、ニュースは見ませんが、こういういいニュースは見たいものです。子供たちも学校から帰ってきて、テレビを見てるお母さんをよそ目に宿題やピアノをした後、一緒に見ていました。ルイは10歳なので、きっと一生記憶に残ると思います。8歳のチャーリーはどうかな。
アリサ・フランクリンの歌は、始めはちょっとぎこちないように思いましたが、後半は胸を打たれました。その後チェロリストのヨーヨー・マを始めとする、ピアノとバイオリンの演奏は、嬉しそうでしたがとっても寒そうでもあった。手がかじかまないかと心配しました。
オバマ氏が選出されたとき、あるアメリカのぱっとしない町の床屋の黒人のおじさんが、「さて、オバマさんが大統領に選ばれたし、わしらもがんばっていい国にしていかないと行かんなあ。」というようなことを言っていました。これを聞いて、やっぱりアメリカは腐ってもアメリカだなあと思いました。イギリス人はこんな風には絶対思わない。日本人もおもわないでしょうね。
ケネディーが大統領に就任したときのスピーチで、
Don't ask what the country can do for you. Ask what you can do for the country.
と言いましたが、まさにその通りです。何でもかんでも政治家に責任を擦り付けるばかりで、自分の市民としての責任を考えないイギリス人とは、やっぱり違います。この床屋さんの声を聞いて、アメリカは大丈夫だなあと思いました。
トップが替わっても、なかなか世界は変わらないよという見方をする人も多いですね。でも俳優のウィル・スミスが、オバマは「観念 (idea)」であるといっていました。つまりネルソン・マンデラと同じように、オバマはシンボルなのです。彼が実際に何をするかよりも、彼が国民に何をインスパイヤーするかが、大切なのだと思います。その意味では、人々が「希望」と「可能性」を彼に見るのは正しい。インスパイヤーすると言うのは、人の頭の中の障害を取り除くと言うことです。最近はめったに聞かなくなったアメリカン・ドリームを人々のサイケの中に蘇らせたと言うのは、ダウジョーンズが10パーセント上がることよりも、重要なことだと思います。
黒人が大統領になる、ということは、もちろん黒人のアメリカ人にとっては歴史的なことです。でもアメリカは白人のほうが数が多い国なので、そういうことはつまり、巨大な数の白人が彼に投票したということですね。黒人が大統領に選出されたという人種の統合こそが、歴史的なことなのではないかと、私は思っています。
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