2013年11月19日火曜日

読書感想 John Irving, In One Person

ルイちゃんがやっとパジャマを替えました!1週間ぶりなので、彼としては全然悪くないです。とは言え、何も言わないことにしようと決めたのに、やっぱり遠まわしにいろいろ言ってしまいました。パジャマって毎日何時間も着てるし、すぐ汚くなるよね~、とか。チャーリーはちょっと意地になって、替えないわなどと言ってましたが、やっぱり替えてくれました。

この写真、どうしてこんな明るい時間にパジャマ着てるかって?今日は火曜ですが、火曜が唯一、水泳のトレーニングのない日なんです。ピアノも無し。それで学校から帰ってきたら、早速パジャマに着替えてます。考えたら週に1日しか、学校の後のんびり出来る日がないって言うのも、かわいそうですねえ。

図書館で借りたJohn IrvingのIn One Personと言う本を読みました。日本語でも訳されていて、「ひとりの体で」と言う邦題のようです。

ジョンアーヴィングって、映画になったガープの世界とか、ホテルニューハンプシャーで有名です。それから村上春樹が彼の読者で、村上さん自身いくつか訳してることも、ハルキファンの間では知られてることです。

ジョンアーヴィングの本の特徴と言うか、短所と言うか長所と言うかは、とにかくやたらと話が長いこと。これもまあまあ長いです。アマゾンで見たら、日本語訳は上下に分かれてる。やっぱり長いな。

ある少年の話が子供時代から始まり、家族全員の話とかにさかのぼり、彼が70代くらいになるまで話が続きます。彼はバイセクシャルなんですが、そのことに気づいたあたりから話が始まります。後半は80年代のエイズの話が、「引き寄せるからやめて~。」といいたくなるくらい詳細に、いろいろでてきます。

有名な作家の小説なので読む人も多いかと思うので、筋書きの詳しい詳細は省きますが、テーマは家族、同性愛者に対する寛容さ非寛容さ、友情の形、エイズ。 そんな感じかな。ゲイのセックスライフが詳細に出てくるので、ちょっと引く人もいるかも。おもしろく読めましたが、アーヴィング氏の小説の中では、まあまあのレベルかな。私は、彼の処女作の「熊を放つ」(村上春樹訳)と、ホテルニューハンプシャーの奇抜さが一番好きです。

最後に一箇所泣いた部分がありました。70代の彼のところににお母さんの幽霊が(たぶん)出てき た部分です。

主人公がティーンエージャーになって以来、息子がゲイであると言うことが受け入れられないお母さんと、彼は疎遠になっていました。彼女が若くして不遇の死に遭った後も悲しむことも出来ないでいましたが、その後何十年も経って、この幽霊に、小さい時はお母さんは自分を愛してくれていたことを思い出さされます。こうして老人になってやっと、お母さんの死を悼むことができたのです。

この幽霊がしたこと、小さい子供を愛するお母さんが毎日当たり前のようにすることなんだけど、この当たり前さが心を打ちました。

そう、お母さんと言うものは子供を深く深く愛するもの。でも子供は大きくなって、自分の考えで自分の人生を選んで生きるようになって、それは必ずしも受け入れやすいものではない。時にはお互いに相手を受け入れることが出来なくなって、離れ離れになることもあります。

私も自分の子供たちがティーンエージャーなので、この部分は特に考える部分が大きかったです。

親と子供。世代が違うんだから理解しあえなくて当たり前。子供が選んだ生き方を受け入れない親は、やっぱり子供を失うことになるのは、仕方がないこと。子供を失いたくないなら、子供の選択を受け入れるしかない。

改めて心に刻んでおきます。

同じパジャマを何日も何週間も着続けるのも、彼らの選択。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

パジャマに囚われてるね(笑)しかし、よく一週間も着てられるなあ。私は二日でも気持ち悪いわ。旅行の時でも日数分持って行くよ。

子供を持つ親の気持ちは想像程度にしかわからんなあ。人間として生きてて、味わうべき重要な感覚の一種だと思うけど、残念。

Atsuko さんのコメント...

ふうん、それはそれでまた旅行とか面倒やね。うちの子供もさすがに日本では暑いから毎日替えてたけど。

子供のない人に親の気持ちがわからないと言うつもりは全然ないけど、こればっかりは感覚的、本能的な部分が強いから、頭では想像できない面も大いにあるからなあ。
まあでも、世間の親が恩着せがましく言うほどのものでもないよ。親が子供を愛するのは本能やからね。