目の前の山は思ったよりも険しく、まだ雪が凍り付いていて、ぜんぜん思ったように前進できません。 しかも途中からはブリザードで視界も悪くなりました。日は暮れ、眠るための場所を探さなければいけないのに、岩陰一つ見つけることができません。
絶望的な気持ちが広がってきたときに、急に風が止みました。夜空には月が輝き、3人は何とか寝場所を見つけ、3人で一つの寝袋に入ってお互いに暖を取りながら最初の夜を過ごしました。
その夜のことをロバートが成人している娘に 語ってる場面が写りました。
「その晩月に照らされたその光景は、本当に壮大で素晴らしかった。僕はその時、神が自分の友達だと感じた。でも今はその気持ちは失ってしまったけれど。」と彼が言うと、娘がどうして今はそう感じないのかとたずねました。
「今は食べ物も温かい家もある。神が必要ないんだね。」
と彼は答えました。それは神を否定しているわけでも、自分のその時の経験を一時の気の迷いと思ってるわけでもありません。きっと彼は神を見たんだと思います。神が何かしっかりとわかってるんでしょう。それでも今の自分は一時的に神とつながりを失くしたと言ってるように思えました。
この場面に限らす、何度か光景の壮大さ、素晴らしさが話に出てきます。こんな極限の中で、美しいもの、素晴らしいものを感じる心、その力。それに驚かされます。
さて、飛行機に残された仲間は14人。彼らのいる場所からはこの3人が山を登っていくのが見えます。真っ白い山に黒い点がありのように登っていきます。この3つの点が引き返してくること。それは全員にとって死を意味します。
残された一人が語ります。
「クリスマスイブまでに助けが来なかったら、僕は死に身をゆだねようと決めていた。(3人が出発したのは12月9日くらいだったはず。)僕はすごく衰弱して、もう動けない状態だった。トイレにもいけなかったが、もうそんなことはどうでもよかった。死が日に日に魅力的なオプションに思えてきた。 」
この「死に身をゆだねる」という言葉、 英語ではI will let myself dieと言っていましたが、これが日本語よりもさらに悲惨な状況を感じさせます。死ぬ覚悟をするわけでも、死ぬわけでもない。ただ自分に死ぬことを許す。そうすれば難なく死はやってくる。そういう極限状態。
そうして3日目に3人はやっと山の頂上にたどり着き、山の向こうにあるものを目にします。
それはあまりにもむごい光景でした。
さて段々クライマックスに近づいてきましたが、続きはまた。明日はもしかして更新できないかもしれないので、そうなるとあさってだなあ。是非読んでくださいね。
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2 件のコメント:
ああ、映画を思い出しますよ。
続き、待ってます。
この先がねえ、すごい話というか、私は個人的にいちばん胸を撃たれた場面です。映画を見たあくあさんは知ってると思うけど。
私も早く映画を借りなければ
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