2011年12月21日水曜日

位牌

オーストラリアに大学の後輩が住んでいます。今年だったと思うんだけど、彼のお父さんが亡くなりました。お母さんは若くして亡くなっているそうで、残されたのは嫁いでいったお姉さんと二人です。

その彼が数ヶ月前だったんですが、仏壇の処理に困ってるとのことでした。お母さんが亡くなったときにお父さんが買った仏壇があるのですが、今度はそのお父さんも亡くなりました。お姉さんは嫁いでいるのでそこに持って行くわけにも行かないようです。

それで別の人からのアドバイスは、粗大ゴミとして出すか、お寺で法要して貰えばどうかということでした 。その人によると仏壇自体はただの箱で、肝心なのは位牌。だからゴミとして出しても差し支えないはずなんだけど、気分的に嫌ならお寺に持っていくしかないのではということでした。

その後どうなったかはわからないんですけど、同じく海外に住む者として考えてしまいました。

位牌はどうしたのかなあ。まあ小さいものだからオーストラリアに持っていくことも可能だし、お姉さんだってそれくらいなら嫁ぎ先に持っていけるのかもしれません。

でもその彼は、海外永住のようなんですが、子供がいません。ということは彼が生きてる間はいいとしても、その後その位牌はどうなるんだろう?お姉さんが持っていったとしても、嫁ぎ先の御両親もいずれは亡くなるだろうし、そうなると位牌が4つになります。彼女達夫婦が亡くなったら、その位牌は彼女達のものと一緒に子供のところに行くのでしょうか?もしも子供がいなかったらどうなるんでしょう?

こうして考えると、最近は少子化だし、結婚しない人も子供がいない人もたくさんいるし、先祖のお墓とか位牌とか、どうなるんでしょうね?子供の代はいいとしても、孫曾孫の代になったら、覚えているわけでもないし。しかも最近は離婚だの再婚だので、家庭の事情がややこしくなってきてるし。

自分が死んだらどう葬ってもらうか。お墓はどうするのか。それ自体は個人的好みの問題としても、後々までのことは一体どうなるんだろう。

私は個人的には死んだらお墓はいらないです。位牌もいらない。物質的なものは何もいらない。周りの人は私を覚えてくれている間はそれでいいけれど、時が経って自然に忘れたら、そうやって忘れられたいです。なんというか、それが安らかな死後のような感じがします。

ただひとつ個人的な野望は、何かひとついい詩を書いて残したいなあって思います。名前は別に覚えられても忘れられてもどちらでもいい。でも私が死んでたまに誰かが、私の詩の一節でも口ずさんでくれたらいいだろうなあって思いますね。

R.I.P.

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4 件のコメント:

本読みと山歩き さんのコメント...

先日 お世話になった義父が亡くなった時、火葬場で遺骨を拾いながら思ったことがあります。
魂ってどこへ行くんだろうな~っと。

私は、魂なんてないから、死んだらそれで終わりで、なにも残らないと思っています。
よって、位牌はその人と自分を繋ぐツールであり、見る側にその位牌に意味を見つけるものだと。

さて、そんな私が火葬場でなぜそう思ったのか…。お世話になった義父に魂でもまだ残っていたほしい思っていたのか…。
人の心の中はわかりませんが、自分の心の中でさえ理解するのは難しいです。

Atsuko さんのコメント...

それはご愁傷様でした。私も先日書きましたがおばが亡くなりました。お葬式に親族で行かなかったのは私くらいだったらしいんですが、その夜夢を見ていると突然おばさんに名前を呼ばれました。

位牌とかお墓って確かに死んだ人と生きた人をつなぐ媒体ともいえますね。位牌もお墓も興味ない私は、死んだらすっかりこの世とは足を洗いたいと思ってるのかな。案外その時になったらこの世に未練がたくさん残るかもしれませんが。

魂があるかないか。これって何か実感する出来事がないと、信じられないんじゃないかなあ。

あくあ さんのコメント...

お墓ね・・私もどうするかそのうち決めないとなぁ。海に撒かれるのもイマイチだけど、新しいお墓を作っても誰も来てくれないだろうし。桜の木の下に埋めて欲しいかな。春になったら化けて出る。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、お墓って自分の問題だけじゃなくて親戚とか子供とかの問題にもなるからねえ。日本って海に撒けるのかなあ?モニュメントとしてのお墓はとにかく、自分の死んだ後の遺灰がどうなるかは私は興味ないですね。というかむしろ小さい箱に収まって地面に埋められるほうが抵抗あるなあ。
でもこういうのすごく個人的ですよね。イギリスでは未だに土葬する人もたくさんいるし。
こういう嗜好って感覚的というか生理的なもんだろうけど、どこから来てるんだろう?