2011年10月28日金曜日

無駄になるりんご

チャーリーの通う小学校の隣に教会があり、その前に大きい樫の木があります。この木は村の中心のような位置にあり、木の周りにはベンチがあるのですが、この季節になるとここにダンボールの箱が置いてあります。

ダンボールの箱の中身はりんごです。庭にりんごの木があって実が取れすぎた人が、食べきれないものを置いていくようです。すると欲しい人が勝手に貰っていきます。

子供のスイミングクラブのコーチにも家庭菜園が好きな人がいて、時々りんごとか梨、夏にはイチゴなどを山ほどトレーニングの後に置いていってくれます。こちらのほうは取れすぎたからというだけでなく、クラブの子供の食べさせてあげたいと思って育てているのかもしれませんが。(80歳近いコーチなんですよ。)

ロンドン郊外などはどうか知りませんが、 この辺の田舎の人は庭にりんごの木はあっても、別に収穫用に育てているわけではありません。家を買ったらもともと生えていたとか、庭木を植えるときに、「庭にりんごの木があるといいなあ」という軽い気持ちで植えたりします。なので消毒もしないし、ただほったらかしにしています。それでも 秋に は大体りんごがなりますから、アップルパイを作ったり人にあげたりします。別に収穫することが目的というわけでもないので、採れたらもうけものって感じで す。


我が家のりんごの木。合計でりんごは9本、梨4本、スモモ3本、サクランボ2本あります。でも毎年すべての木が実がなるわけではありません。


植えてから10年くらいするとしっかりと実をつけるようになるので、豊作の年はたくさんりんごが取れます。今年はそのりんごの当たり年のようで、あちこちでただのりんごが出回っています。でもまあ、こんな風にぜんぜん手を掛けず育ててるりんごなので、形が歪んでいたり痛んでいたりするのが大半で、そのまま食べるというよりは、デザートなどの加工用が大半のようです。


ところで先日友人と散歩に行ったところ、町から外れたところにある大きな家のりんごの木にたくさん実がなっていました。木は7-8本あったかな。そのどれもがたわわに実を実らせていたのですが、その下の芝生にも何十個も、もしかしたら百個以上も落ちていました。

私もその友人もりんごでデザートや加工品を作るのが好きなタイプなので、もったいなあという気持ちで 見ていました。私は家に果樹園があるし、その友人も人に貰ってたくさんガレージにりんごが置いてあるとのことですが、それでももったいないものはもったいない。庭にトランポリンがあったので子供のいる家庭なんでしょう。育児で大変で、そしてたぶん共働きかなんかで、とてもりんごを採ったり拾ったりする暇はないのかもしれません。

でもそれにしても、芝生に落ちたりんごがそのままになってるのは本当にもったいないですね。落ちた実はできるだけ早く拾わないと、ナメクジやその他の虫にすぐ食べられてしまいます。しかも落ちた実は見かけはよくても、地面に落ちたときの衝撃で絶対痛んでいるので、なるべく早く食べないと日持ちがしません。だから、「まだまだ木にたくさんなってるし、落ちた実を食べなくてもいいや。」と思ってるのかもしれません。でもくさったままにしておくのは芝生にもよくないと思うんだけどなあ。

せめていいのだけでも集めて、ダンボールの箱にでも入れて、ドライブの入り口にでも置いておけばいいのに。そうしたら近所の人や散歩中の人が取っていくだろうに。 私と友人も、家に山ほどりんごがあるものの、「これはどういう種類かしら」という興味本位で、きっと幾つかは貰っていくだろうなあ。

こうして考えてみれば、りんごなどの木があるっていうのは、ある意味で責任があることのような気もします。別に自分の家の木なんだからどうしようと勝手じゃないか。腐らせようが、ナメクジに食べさせようが大きなお世話だといわれれば、それはおっしゃるとおり。

でもなんとなく本能的には、せっかくの自然の恵みでなったりんごを腐らせるのは、マザーネーチャーに失礼。自分が必要ないなら、欲しい人にあげる責任があるんじゃないの・・・・?というような気もしますね。

もちろんその人たちにも事情があり、病気だとか長期旅行中だとかで、したくてもできないのかもしれないけど。

りんごついでに新しいレシピを載せました。アップル・フランです。見てくださいね。

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4 件のコメント:

コロボックル さんのコメント...

> ある意味で責任があることのような気もします

そ、そうですねぇ
そういう観点でいえば、生きていること、存在することにも責任があると...

Atsuko さんのコメント...

コロボックルさん、土地を所有するって言うのは、責任もついてくるものなのでしょう。たとえばこの辺は田舎なので土地を何ヘクタールと持ってる人が多いんですが、それを農耕地として耕そうと、そのまま自然のまま放っておこうと、それがイングランドの自然や生態系の一部をなしていることには変わりないので、自然を守ることや、そこを住処とする鳥獣を保護するの責任はありますね。
まありんごに関しては、大きなお世話かもしれませんが。

あくあ さんのコメント...

そう言う場所があることは頭では理解できるけど、そこにあつこが住んでいるという事実がどうもしっくりきませんね。りんご、買うと高いので、そんなにじゃんじゃん加工品にしようとは思えない感覚ですよ。

Atsuko さんのコメント...

そうなんだよね。だから日本から帰ってくるといつもしばらく変な感じがしています。なかなか生活になじめない。本当は根っから都会っ子なんだろうと思います。

日本って果物高いよね。でもきっときれい過ぎるんですよ。おそらくすごく手を掛けて育てて、形や色のそろったきれいなものだけを出荷してるんですよ。だからたぶん産地に行けば、店には置けないようなものがたくさんただ同様で出回ってるんじゃないのかなあ。実家の近所でも時々和歌山直産の出店が出て、形の悪いものなどをジュース用などと名づけて安く売ってます。