2011年10月23日日曜日

風流

イギリス人って雨が降ってもあまり傘をさしません。小雨なら当たり前のように濡れていくし、雨足が強いとコートのフードをかぶったり、防水のコートを着たりします。傘を持っていない人も多く、デイブも持っていませんし、私は持ってるけど外出するとき持参することなどまずありません。

それで時々

「春雨じゃ、濡れて帰ろう。」という言葉を思い出します。頭に浮かぶ情景は江戸時代のかっこいい武士か商人が、蛇の目傘をたたんでいるところ。これって本当に風流だなあって言う気がします。

それで風流って言葉の意味を辞書で調べると
上品な趣があること。みやびやかなこと。また、そのさま。風雅
とのこと。

日本に限定とは書いてないけれど、日本的な情緒をさすような気がします。こうして考えてみると、風流っていう言葉、英語では思い当たりませんね。Atomospheric・・・かな。これだと雰囲気があるという意味です。辞書を調べると

風流な|〔優雅な〕elegant; 〔趣のある〕tasteful; 〔洗練された〕refined

って書いてあるけど、これも違う気がする。

外国、少なくとも欧州やアメリカやオーストラリアには、Elegantなものも Tasteful な物もRefinedなものもいろいろあると思うんだけど、風流な物はなかなかなさそうです。

そこで無理やりイギリスで風流なものを考えてみました。

夏の日のテムズ川での ボート遊び
夏の日の芝生での豪華なピクニック
晩秋の森の散歩
風が無く、重く澄んだ空気の冬の日
クリスマスツリーのもみの木の匂い
新年が明けてしばらくした頃に生えてくるスノードロップの白い花

こんな感じかなあ。でもやっぱり風流と言う言葉とはちょっと違うような気がします。

じゃあ日本で何が風流かと考えると、これがなかなか思い浮かばない。京都のお寺の竹林だとか七夕の笹の木だとか浴衣だとか、風流と言われているものはあるけれど、こんな風にそれがあまりにも典型的なクリシェになってしまうと、風流感が薄れて行く気がします。

そう思うと、やっぱり春雨に濡れていくって言うのは、どんな状況よりも私にとってはいちばん風流です。身近で日常的でありながら、普通の人は思いつかないような発想で。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

面白いこと考えるねぇ。まあ言葉のニュアンスに文化が入ってるから、外国ではなかなかそれに当たるものがないんだろうね。逆に、外国語の言葉でも日本語にしにくいものあるよね。facilitateとか、よく使うんだけど、日本語でなんて言ったらいいのかわからないのよね。他にも普段使う言葉で日本語にするのが難しいなと思う言葉がいくつかあるけど、すぐに思い出せないなぁ。まあ、そういうのは必要ならカタカナ言葉として入ってくるんでしょうね。

Atsuko さんのコメント...

最近日本語の言葉で英語のならないものって多いなあと改めて思ってます。「ぶっちぎり」とか、「なめる」とか。

確かに英語を日本語に混ぜるのってあるよね。特にイギリスの日本人社会ではひどくて、たぶんこういう会話は日本では通じないやろうなと言うレベルです。Appreciateするとか、そのFacilitateするとか、動詞になることが多いかな。
一体どこまでカタカナ言葉で通じるんだろう?