2009年3月27日金曜日

イギリスの音楽教育

今日学校で、音楽関係のクラブの発表会がありました。チャーリーは合唱と縦笛、ルイはクラリネットの演奏だわと思っていたら、チャーリーは先々週からアフリカンドラムもはじめたということで、それも演奏しました。

合唱団はとても大きくて、全生徒の半分くらいが参加しています。曲はAin't no mountain high enoughという70年代のヒット曲。ヒット曲ではあるけれど、ゴスペルなので、キリスト教の学校でもOKのようです。私は今学期から時々合唱団の練習の手伝いに行くのですが、最近はこの曲のさびの部分を2部に分けてコーラスをつけようと、先生ががんばっていたのですが、なかなかうまくいきません。〔今までは斉唱しかしたことがない〕さびの部分だけの本当に簡単なコーラスなのですが、まったくだめです。

でも先生も、「下のパートのチャレンジしたい人はここに集まってください。」といった具合で、合唱団全体の5分の一くらいしかそのパートは人が集まっていません。そんなのうまくいくわけがない。少なくとも半分は下のパートでないと、なかなか歌えませんよ。Safety in numbers というか、お互いの声を聞きあって集まって歌わないと、なかなか自信を持って声を出すことは出来ない。それに小さい子は、そもそもコーラスで、パートが別れているというコンセプト自体がわかっていない。

それで今日の上演は、声はよくでていたし、よく歌えてはいたけれど、完全な斉唱で全然コーラスにはなっていませんでした。小学生ってこんなものかな。中学のとき合唱部だったけど、コンクールなんかに行くと、小学校でもすごくうまい合唱団とかもあったように覚えているけど。まあ日本は、音楽教育の熱の入れようが、イギリスとは全然違うからな。

縦笛は、初級、中級、上級に分かれていて、チャーリーは中級。どの級もまずます上手でした。縦笛クラブは、あるお母さんが、毎週木曜日の昼休みにボランティアで教えているのですが、子供たちも熱心そうで、うまくいっているようです。結局、少人数で〔全員で15人くらい〕、先生以外に人が教えるほうが、うまくいくのかな。

ルイのクラリネットは、5年生と6年生が音楽の授業で教わります。それで20人くらいが整列して〔なぜか全員ではない。他の生徒はどうしたのか?〕3曲吹きました。はじめの曲は音階が一つ〔つまりソだけ〕、次は2つ〔ソとミ)、3曲目は3つありましたが、曲とはいいがたい。1月から練習してこれです。夏までクラリネットは続くようですが、一体こんなことして、なんの役に立つのでしょう?先生によると、楽譜も教えないどころか、見せもしないようで、耳で聞いて覚えるというやり方らしい。クラリネットという高価な楽器を触って吹く機会が与えられえて、中にはこれからもっと続けようという子もでてくるかもしれませんが、私から見る限りは、時間の無駄のような気が拭えませんでした。

2月14日のブログに書いたように、ルイのピアノの先生がクラリネットを貸してくれて、ルイとチャーリーは時々家で吹いています。縦笛をやっているチャーリーは、自分で1時間も練習したら、結構何曲か、縦笛の本からふけるようになっていました。それなので、このコンサートのあと、チャーリーは「5組のクラリネットはごみ同様。」と、憤慨していました。自分が演奏したくなったのかもしれません。

アフリカンドラムは10人くらいでした。ドラムの数が限られているので、はじめは他に音楽をしていない児童だけがクラブに参加することができて、チャーリーはむくれていました。でも昨日聞いたら、やめた子がいたので、先々週先生に話にいって、自分も入れてもらったとのこと。見ていると、女の子はチャーリーと、一緒に交渉に行った友達の二人だけで、後は皆男の子。男の子だけのドラム部に入るために自分で先生に掛け合いに行くなんて、チャーリーって好きなことには結構度胸あるのねと、感心しました。


演奏のほうは先生がリードする中を、10人くらいの3年生が叩くのですが、リズムがあってパワーがあり、自身ありげな堂々とした演奏で、とてもよかった。

イギリスの音楽教育って本当に申し訳程度です。でもその割には有名なオーケストラとか、著名なコンダクターもいます。結局、広く全般にではなく、一部の好きな人たちや才能のある人たちが最高レベルを目指すのでしょうね。見ていてつくづく思いましたが、やっぱり音楽って、1対1や少人数で、好きな人ややる気のある人だけがやらないと、身につかない。学校で週に一度クラリネット習ったって、何の足しにもならない。だから高いけど、やっぱりピアノなんかは、個人で習わないと上達しませんよね。

イギリスはその辺合理的というか、やっても仕方がないので、音楽教育をしないのか。日本での音楽の時間、いやいやではあったけど、ハーモニカとか笛とか、よく練習して、まあまあふけました。あれはいいことだったのか、それとも時間も無駄だったのか。私はピアノを少し習っていたので、楽譜少しは読めますが、私たちの年代の人って、皆楽譜読めるのかな。中学でも週2回も音楽があって、期末テストとかも厳しくあって、さすがにうんざりだったけど、一体何か一つでも身についたのかしら。

2 件のコメント:

ふ さんのコメント...

学校教育のことを言い出したら、私の住むこの国のこともいろいろ書きたくなってしまいますが・・・(笑)。

ついつい日本と比べたくなるよね~。でも、私たちが子供だった頃の学校と今の学校って、だいぶ違ってきているようですよ。

でも、日本は外から見ると、いいとこもいっぱい。

今年は、実家の事情で、うちの子も日本で体験入学とかもたぶん出来ないだろうし、私たちが里帰りすること自体が、どうかな~っていうのが現在の状態なので・・・。

また、メールで話しましょう。

Atsuko さんのコメント...

そもそも私たちが学校に行っていたころは、土曜も学校だったよね。

日本の友達と最近話していて、まだ体罰をする先生がいると聞いて驚きました。私たちが中学生のころは、そういう先生もいましたが、今やそんなこと社会が許さないだろうと思っていたけど。

まあその点については、イギリスはずっとましです。いじめとかイギリスにもあるけど、やっぱり日本のほうが陰湿そう。日本人って何でもシリアスすぎるのかな。それで、適当なところでプレーキが効かない。イギリスは逆に何でもブレーキ効きすぎ。