これは今では10年位前になるけど、ブッカー賞というイギリスで一番権威のある文学賞をとった小説の映画化です。イギリスの文学賞とはいえ、対象はイギリスに限らす英語で書かれた小説なので、英語圏で一番権威のある賞のひとつといってもいいかもしれません。作者のヤン・マーテル氏はカナダ人です。
映画のほうの監督は、今日見に行くまで知らなかったのですが、ブロークバックマウンテンや、クラウチングタイガーで有名な 、台湾出身のアン・リー監督です。
話は、インド人の少年が乗っていた船が遭難するのですが、ひょんなことからこの少年パイが、虎と一緒に漂流するという物語です。
話が突拍子もないセッティングであり、しかもテレビでよく宣伝しているので、ファミリー映画みたいに世間では思われてるようです。なのでうちの子供たちも見たがったし、映画館には子供づれがたくさん来てました。
でも私はちょっと戸惑いもあったのです。
私は実はこの小説が話題になったときに読みました。すごくよかったと思ったんですが、私の記憶では、面白い小説ではあるもの、結構根本は深かったように覚えています。テーマは神や宗教や哲学やそういうこと。まあ文学賞を取ったくらいですから、娯楽小説ではありません。
だから映画になったらどんな感じになるのかなあ。子供達も楽しめるのかなあ、とちょっと心配してました。
それに話の筋も、セッティングは突拍子もないけど、シーンは太平洋に漂流してるボートだけ。だから子供達や家族連れにとっては、退屈かも?
でも実際見てみると、よくできた面白い映画でした。ルイとデイブはすごくよかったと言ってました。 チャーリーも十分楽しめたようだし、私もいい映画だと思いました。神や宗教というテーマにも触れられていましたが、これはメーンのテーマという感じでは無かったですね。
監督が監督だけに、いろいろ賞を取るかも知れません。
日本で封切りになった節は、是非ご覧ください。でもそれよりも、小説読むほうがお勧めかな。
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6 件のコメント:
厚子さん、わたしもパイの物語3Dで観て来ました。
あらすじを読んだ時はあまりにも幻想的なので映画より小説のを読むほうが面白いと思ったのですが、3DやCGを見たくなったので試しに鑑賞してみました。映画の初めは動物、水泳、数学など普通の生活と身近な話題で見ている人をひきつけ、その後アメリカへの移住計画で生活が大きく変化するかと思えば、船の沈没でさらに激変する。そのなかで家族との死別、また生き延びるために一緒にボートで逃げてきた動物がトラの餌になったり、立て続けに死に直面する場面が強烈でした。
その後運命を共にしてトラと主人公が太平洋を漂流したのに、メキシコに流れ着いたとこにトラがあっけらかんとジャングルに去ってしまうのが一番印象的でした。(よくパッケージツアーで仲良くなった人達が帰国後飛行場をでるとあかの他人に戻ってしまう時に若干似ていたかなあ)人生の価値観とかいろいろ考えさせられる映画だったと思います。最後にこの主人公は今は家族持ちで普通の生活をしている、つまり波乱にとんだ人生と一見普通の生活とはそんなにかけ離れていないのかもしれないと思わせる映画でした。
それでもこの小説の作者は読者に何を伝えたかったのでしょう。
それにしても、今日もまた雨、雨、雨!
へえ、面白そうですね。聞いたことなかったけど。機会があれば見てみます。邦題が全然違ってたりして。
匿名さん、3Dだと迫力あったでしょうね。特に虎が飛び出してくるところなど。虎が最後まで野生で、こちらの思惑に関係なく消えて行くところなど、よかったですね。
最後に日本からの調査員に対して、「もう一つの話」をする部分がありますよね。あれが原作を読んだときの記憶にありません。
それからあの島の話。あれがどういう意味なのかよくわからないです。
子供が見たら、どういう意味かなど考えないんでしょうね。
あくあさん、もうかなり前に出版された本だから、絶対に翻訳出てると思いますけどね。確かにタイトルがぜんぜん違うかも?
猫組解説委員です。Atsukoさんは映画の結末についてどう思います?人間バージョンが本当だったのか、動物バージョンが本当だったのか。僕は動物バージョンが本当だったと思ってたんですが、人間バージョンが本当だったと言う人がたくさんいて、ちょっとショックです。もし人間バージョンが本当だったとしたら、ラストにトラがジャングルに消えて行く場面で終わってたと思うんですが、あれは一体なんだったんでしょうかね。もう一回見ないといけませんね。
猫解説委員さん、本を読んだときはあの「人間バージョン」の部分の記憶が全然ないんです。だから小説のほうでは最後にちらりと書いてあっただけなのかなあ。一度読んでみてください。
動物バージョンのほうが本当ととるか、人間バージョンを本当と取るか。そこをオープンにしておいたのが作者の意図かも?人間バージョンが本当なら、パイがあまりにもの困難に遭遇したため現実をまげて解釈してるという事になるから、それはそれでまた全然別の小説になるような気もするし。
でも私は素直に、動物バージョンが本当と取りましたけど。だって人生、ありえないようなことって結構起こるじゃないですか。
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