2012年9月9日日曜日

プロムの最後のコンサート

昨日はBBCプロムの今年最後のコンサートをテレビで見ました。

プロムというのはロンドンのロイヤルアルバートホールで毎年夏にやっているクラッシックコンサートです。7月の末から始まって九月の頭まで、合計1ヵ月半もほぼ毎日、時にはダブルヘッダーでやっています。世界的に有名で権威あるイベントで、世界中から有名なオーケストラや指揮者が来ます。

プロムの間はアルバートホールの真ん中の席が取り払われて、ここが立見席となります。この値段が昔私が行っていた頃は2ポンドでした。今でも5ポンドくらいなんじゃないかな。人気のあるプログラムだと、当日何時間も並ばなければいけません。

すべてのコンサートがラジオで生中継され、3分の1くらいがテレビで生放送されます。今年は子供達、特にルイが音楽にすごく興味を持ち出したので、始まった頃は熱心にチェックしてたのですが、オリンピックが始まってからすっかり御無沙汰してました。

このその年の最後のコンサートは一番権威があり、世界的に有名なイベントです。前半は普通のコンサートなのですが、後半に国歌をはじめとするイギリスにちなんだ曲が演奏され、観客は国旗を振って一緒に歌います。私は外人なので、この愛国的イベントがちょっと苦手でした。

でも昨日は子供達に見せようと一緒にテレビで見ました。前半はシンフォニーでなく短い曲がいくつも演奏されました。一番有名なオペラのアリアと言ってもいいプッチーニのネッセンドルマも最後にありました。マルタ人のテナーは終わったあと感極まって、ウルウルとしてました。考えてみれば、世界中のクラッシック音楽ファンが注目するプロムの最後の日に、この一番有名なアリアを歌うなんて、ボルトがオリンピックで100メートル決勝を走るようなものなのでしょう。

後半旗が振られだすと、8割がたはイギリス国旗なのですが 、他の国の旗もいろいろ振られていました。コンダクターがチェコ人、テナーのソリストがマルタ人なので、きっとチェコやマルタの旗もあったのでしょうが、他にもぜんぜん関係ないブラジルとかドイツやイタリアの旗も振られてました。日本の旗も二つ見た気がします。

昔記憶していたよりも愛国主義的感じはなかったです。昔からこんな風に世界中の旗が振られていたのか、それとも最近のことなのかは不明。でも考えてみればこんなにイギリス的な、権威ある立派なコンサートなのに、指揮者もソリストも外国人というのは、やっぱりイギリス的おおらかさのような感じがしました。

なかなか楽しかったです。

それにしても、やっぱりRule Britaniaという曲はちょっと???と思います。これってあの、中国人を阿片中毒にして、インド人を撃ち殺して、アジアの国を分捕ってた頃の植民地時代をテーマにした曲だと思うんだけど。

ではよろしければこちらのボタンのクリック、お願いいたします。
 
ヨーロッパ(海外生活・情報) ブログランキングへ

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

プロムってそういう意味なのか。欧米のドラマとかに出てくる、高校を卒業するときに男の子が女の子を誘って出かけるダンスパーティーみたいなのは何ていうの?プロムだったような。

中国人を阿片中毒にして、インド人を撃ち殺して・・ってのはすごいね。だからどうも私はイギリス人が苦手なんだろうか・・・。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、そうそう、そういうパーティーもプロムって言うんですよ。このプロムは、当時始まった頃は席のない平らな部分で社交ダンスのようなことをしていたからそうなったという話を聞きました。(正式名はBBC Proms)

植民地の頃のイギリス人の歴史の認識はちょっと???ということが多い。歴史の汚点から目をそらすのはどこの国も同じってことですね。