2012年4月9日月曜日

元気をもらうな

半年くらい前ですが、誰かが、「元気をもらう、元気をもらうって、鼻につく。」ということをどこかに書いていました。

そういわれてみれば「元気をもらう」って表現、最近よく見かけます。私が初めに気づいたのは、阪神の選手が障害者の 方たちの施設か何かを訪問して、みんな元気に応援してくれて、「逆に元気をもらって来ました。」みたいなことだったと思います。

その後同じような状況では、この元気をもらうっていうのがお決まりの言葉としてみかけます。まあ気持ちはわかりますよね。こういう訪問は慰安訪問と言う言葉があるくらいなので、プロ野球選手などが元気を出してもらおうと言う趣旨で訪問して、でもみんなに声援を受けてかえって元気をもらって帰ってきたというの。

それで気になりだすと、あちこちで見かけます。音楽を聴いて元気をもらった、映画を観て元気をもらった、庭の花から元気をもらった、等々。

いつからこういう表現するようになったのかなあ。昔は元気って出すものだったよね。もらうものじゃなくて。ということは昔は元気は自分で作り出すものだったけど、いまはよそからもらってくるものなったのかなあ。

まあそういう分析はともかく、元気をもらうって言う言葉の意味は、おそらくインスパイア(Inspire)されるっていう意味なんだろうけど、ここに英語で書いたように、ぴったりの日本語が思いつきません。感化されるっていうのかな。別の言葉で言えば、Uplifting(アップリフティング)。誰かの様子を見て、自分もがんばろうとか元気を出そうとか、自然と自分の中からそういう意欲が湧いてくるようなことです。

たぶん「元気をもらう 」と言っている人の意図はその辺だと思うんですよ。

「もらう 」っていうのは自分の外からやってくるものだけど、元気っていうのは自分の内側から沸いてくるものなので、やっぱり元気をもらうっていう表現は他力本願なので、言霊だとか引き寄せの法則の見地からしたら、使わないほうがいいのかもしれません。

自分の中には元気の源があると思うんですよ。子供の頃はそこから簡単に元気を取り出せたんだけど、大人になるとなかなかそこに手が届かなくなるし、そもそもそんな源が自分の中にあるとも思い出せなくなる。そういうときに、たとえば障害なんて物ともせずにがんばっている人たちや、素晴らしい音楽や、偉大なスポーツ選手やビジネスマンや、自然の素晴らしさにに出会うと、その自分の中の源から元気をすくい出すことができる。

元気をもらうってそういうことなんじゃないかなあ。っていうことは元気は誰かにもらってるんじゃなくて、自分の中にあるものをつかみ出すんだから、やっぱり元気はもらうものじゃなくって出すものなんじゃないかなあ。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

なるほどね。面白いね。ま、言ってる人はそこまで真剣に考えてはないんだろうけど。でも、私も東北の被災者だったり、身体障害者の人を見て元気をもらったという言い方をする人にはちょっと違和感を感じます。マドンナとか、孫さんみたいなパワフルな人をみて元気をもらうというのはまあわかるけどね。

Atsuko さんのコメント...

被災者の方や身障者の方から元気をもらうっていうのは、たぶんそういったしんどい立場でもがんばっている人を見ると、自分もがんばらなと思うっていうことなんだろうけどね。確かに、偉人を見て自分もがんばろうと思うのとは、ちょっと違うかも。

まあえてして、流行語って言うのはなんか鼻につく物ですけどね。