2010年11月12日金曜日

イギリスのリサイクルの歴史

私は昭和40年生まれなんですが、物心着いたときからちり紙交換というものがあって、新聞は全部出していました。それからジュースなどのびんを店に持っていくと、10円びん代を返してくれたのも覚えています。それはリサイクルなんていう言葉が出てくる前ですが、日本では昔からそういうのは根付いていたように思います。

それでその昭和の終わりごろ、1996年にイギリスに来て寮に住み始めました。各自の部屋にゴミ箱があり、それを朝部屋の前に出しておくと、お掃除のおばさんがからにしていってくれます。でもごみのファシリティーがこれしかなく、とにかく何でもここに捨てるんです。新聞とか雑誌も。これははじめは抵抗がありましたね。何しろそれまで新聞をごみに出したことが無かったんですから。

でも新聞どころじゃありません。とにかくなんでもここです。どういうわけで捨てたのか忘れたけど、靴をここに捨てたこともありました。

働くようになってロンドンの市内のフラット(アパートメント)に一人暮らししていたときは、500戸以上はいってる大きなフラットだったのですが、各階にごみ室があり、そこに何でも捨てました。新聞などはもちろんのこと、壊れた掃除機だとか、使い勝手が悪くてあきらめたカプチーノの機械なども捨てたのを覚えています。

イギリスは日本とは比較にならなくくらい中古品のリサイクルはされていますが、廃品回収という意味でのリサイクリングなんてそのころはぜんぜんされてませんでした。したくてもできなかった。

それが90年代の半ばくらいから、公園の隅やスーパーの駐車場などでリサイクリングバンクというのができ始めました。3mx2mx2mくらいの大きなメタルの箱に3つくらい穴が開いていて、「新聞雑誌」「空き缶」「びん」と分かれていて、そこに捨てます。こんな感じ。

これができたので、環境問題に関心があった私は喜んでごみを捨てに行ってました。でも結構面倒なんですよね。一人暮らしの人は量が知れてるから歩いて持っていけるけど、家族が多い人は車が無いと運べないし、そうなるとガソリンがかかって意味が無い。それでビデフォードに越してきて車に乗るようになったら、週に一度スーパーに買い物に行くときにまとめて捨てに行ってました。

で、これは昔に比べればすごい進歩なんだけど、やっぱりかなり良心的な人や環境問題に関心ある人しかなかなかやろうという気にはなりません。実際ルイが赤ちゃんのとき、そしてそのあとチャーリーが生まれて赤ちゃん二人抱えて睡眠時間3時間で生きていたころは、とてもそんな余力はありませんでしたから、毎日大量に出る紙おむつと一緒に全部ごみに出してました。大きなゴミ袋を週に5-7袋くらい・・・・。今から思うと環境に悪くて申し訳なかったんだけど、そのころはとにかく子供を死なせないように育てて自分も生き延びるので精一杯でした・・・。

それが5年位前くらいのときから、週に1回リサイクリングの回収に来てくれるようになりました。これはありがたかった。みかん箱の倍くらいの大きさの緑のプラスチックの箱が渡され、そこに空き缶、空き瓶、新聞雑誌、ペットボトルなどを入れて出しておくと、回収していってくれます。

でもダンボールや厚紙は相変わらず回収が無しでこれが結構ごみの場所をとると思っていたら、庭のごみ(芝刈りした芝や雑草や枯れ木、枯れ草、木の枝など)を入れる車付の大きなゴミ箱が各戸に配布され、ここにダンボール等を入れてもいいとのことでした。これは回収されて、シュレッダーにかけられて堆肥などになるようです。

生ごみは普通の家はごみに出しますが、うちは肉、魚以外の野菜や果物のごみは全部集めて庭の堆肥の山に入れてます。するとこれも去年から各戸に生ゴミ用のゴミ箱が配布され、集めて上記の庭のごみと一緒に出せとの通知が来ました。まあうちは必要なかったですが。

そういうわけで今はごみの量がすごく減って、4人家族で週に1袋か2袋出すだけです。ごみの中身は結構プラスチック類が多いかな。同じプラスチックの入れ物でも、リサイクリングしてくれないのもいろいろあるので。

イギリスのリサイクリングの近年の歴史はこんな感じです。

ごみとして出されたものは、Landfillといって地面に埋められます。時々テレビや写真で見ると、さすがにすごい量のごみがどんどん埋められていってます。それは大体が生物分解しないものなので、何十年何百年とそこに眠り、その間汚染物が染み出す危険もあるし、その場所は住宅地の値段にかかわるので秘密だとか。まあ知ってる人はたくさんいるんでしょうけどね。

10年位前はマスコミなどで、このままではイギリスにはランドフィルの土地がなくなると騒いでましたが、今はどうなんでしょう。もしも私の家が典型的なケースだとすると、ごみの量は4分の1くらいに減ったので、ずいぶん改善したと思うんだけど。

4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

ゴミは、大きな問題(テーマ)です。イギリスの歴史、とても参考になりました
日本でも自治体によって差がありますが、至急の課題です
ここに書くととても長くなりますので、別にまとめて書きますね
「分ければ(分別)資源、混ぜればゴミ」が合い言葉で、ゴミの分別がかなり進んでいますが、まだまだ「地球に優しい」までには至っておりません
ゴミは、人間が出すものですからねぇ(笑い)

あくあ さんのコメント...

へえ、そうなのか。日本では分別しないと持って行ってくれませんね。東京なんかもっともっと細かい分類ですよ。うちはマンションだから大きなゴミ置き場に分類して置いておくとあとはそれぞれの種類のごみの日に出してくれるから便利だけれど、戸建てに住んでる人は曜日まで気にして出さなきゃいけません。ま、しょうがないね。ちなみにうちは毎日1袋はごみが出るなぁ。二人なのに。

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、私はどういうわけか、ごみの行方に興味が深々なんです。リサイクルだけじゃないくて、埋められるごみも。リサイクルのほうは実際どんな工場でこういうことやってるのか、テレビか何かでドキュメンタリーで見たいですね。そうすると一般の興味も強まるかも。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、東京は昔から進んでるみたいですね。うちもごみによって曜日が違って、しかも祭日があるとずれるのでややこしいです。しかも間違った日に出すと、夜の間に狐やなんかが袋を破ってごみを散らかすし。
毎日一袋といってもたぶん袋が小さいんでしょう。うちは長さ1メートルくらいある大きい袋ですよ。