2010年1月25日月曜日

ショックな出来事

今朝ヨガのクラスを終えて12時ごろ家に帰ってくると、入り口の椅子の上にルイの学校のかばんが置いてありました。まあ、またルイちゃん、今日は学校にかばんを持っていくのを忘れたのかしら、でもスクールバスに乗るときは持ってたような気がするけど、と思って家の中を見渡すと、おもちゃやゲームの入った戸棚が開いています。



あれ、もしかして学校から帰って来てるのかな。具合が悪くなってデイブが迎えに行ったのかなあと思ってルイの寝室に行っても、誰もいません。それでデイブに電話すると、「チャーリーの先生が昨日亡くなったので、学校が休校になったので子供をつれて帰ってきた。今仕事場でゲームしてる。」とのことでした。そういえば今日に限って携帯電話の電源を入れ忘れていたのです。



チャーリーの先生は40代半ばの女の先生です。スポーティーな男勝りなタイプの女性で、体育とか課外活動が好きで、よく子供たちを遠足に連れて行ってくれました。はっきり歯に衣着せずものをいう人なので、嫌う人もいましたが、私としてはなかなかいい先生だと満足していました。それにしてもまだまだ若い。それにいつもスポーティーで健康そうで、早死にするタイプにはぜんぜん見えない。やっぱり心臓発作かなあ。それにしても人の明日など、本当にわからない。うだうだつまらないこと悩んでないで、毎日思いっきりたのしまなければ・・・・なんてことを思いながら携帯電話のスイッチを入れると、すでにいくつか学校関係の友達からのメッセージが入っていました。ルイとチャーリー、よかったら今日面倒見てあげるよというオファーの伝言だったのですが、そのうちのひとつを読んで絶句。



死因は自殺らしいのです。

ランチタイムに子供たちをつれて帰ってきたデイブも知っていました。心なしが顔が青い。さすがに小さい町です。うわさが広がるのが早い。デイブは彼女の近所の人からの情報が回りまわって、仕事場にまで届いたそうです。

突然死というのはショックだけど、自殺はさらにもっとショックです。いつもてきぱきとした人で、女々しいところがなく、そんなに悩みを抱えて自殺するタイプには見えません。デイブが子供たちを迎えに行ったときに学校のスタッフに「とっても健康そうに見えたけれど。」というと、「感情的な問題があったんですよ、彼女は。」との返事が来たそうです。もちろん学校側は死因を言わないけれど、そこまで言うと自殺と言ったようなものですね。

詳しく入ってきた情報では、首吊り自殺らしい。昔流行って読んで完全自殺マニュアルによるとこれって一番楽に死ねるらしいんだけど、それでも睡眠薬などに比べると、バイオレントな死に方という感じがしてぞっとします。電車飛込みとか投身自殺もバイオレントだけど、衝動的にやったと言う感じがあります。でも首を吊るにはちょっとやそっとじゃ切れないような太い丈夫なロープを用意しないといけないし、いろいろ用意周到でなければいけない。それを思うと、本当にぞーっとします。

発見されたのは昨日の夜だったらしいのですが、週末でしたからいつ起こったことなのかわからない。金曜日は子供たちが最後にその先生に教わった日ですが、その日の彼女の頭には何がよぎっていたのでしょう。もうそのころは自殺をする決心をしていたのかしら。金曜日の午後生徒たちが帰っていくときに、これが最後になるんだなあ思って見送ったのでしょうか。

そしてすごく怖いことがあるんです。その金曜に彼女は宿題を出しているんです。先週そのクラスはイギリスの17世紀の内戦についての博物館に遠足に行き、そこで見た展示物の絵を午後のクラスで描きました。それで宿題はそれを持って帰って、月曜までに色を塗って持ってくることでした。チャーリーの絵は絞首刑にあって死んでいる男性でした。それをチャーリーはすごく丁寧に色を塗っていました。

その絵はまだチャーリーのかばんの中にあります。生徒たちは彼女が死んだことは知っていますが、自殺のことは知らされていないから(たぶんすぐうわさが広まるだろうけど)、チャーリーは平気な顔をして明日はそれを代わりの先生に提出することでしょう。

それにしても自殺する人とって、「思いつめる」という言葉がありますが、何かのノイローゼになってるんだろうなあ。どんなややこしい悩みでも、金銭的なことでも、事業の失敗なんかでも、苦しいけれど命に関わるわけではないから、何とか解決法を模索するか、すべてをあきらめて一からやり直すしかない。失恋だとか愛する人の死などは、悲しいけれどこれも時が慰めてくれるのを待つしかない。それでも死ぬことを選ぶとは、普通の精神状態ではない、心が病んでいるんだうなあ。彼女はそんなタイプには見えなかったけど、「感情的問題が」という人がいるくらいだから、いろいろあったんでしょう。

この先生、今年大学生になった娘さんがいます。9月にカーディフ大学に入学して、助産婦になる勉強をしているとか。彼女のところにいつどんな風にこのニュースが届いたのかを思うと、胸が痛みます。

9 件のコメント:

ふぅ さんのコメント...

それ、滅茶苦茶ショックな出来事ですね。普段、ニュースで耳にすることはあっても、身近な人に起こることをまず想定してないですもんね。

私が中学生の時だったか、父の大学時代からの親友が奥さんやお子さんたちを残して自殺してしまったことがあったんです。父が涙を流したのをこの目で見たのは、あの時限りです。しばらくは、子供心にとても衝撃を受けて、ひょっとしたら父も死んでしまわないか、とても心配していました。

チャーリーちゃんたちがいつか事実を知ったときの気持ちを考えると、本当に心が痛みます。

Atsuko さんのコメント...

ふぅさん、でしょ。毎日顔を合わせてる人が突然死ぬって言うだけでもショックなのに。知人でも自殺した人、未遂の人を数人知っていますが、どれも病苦だったり、精神を病んでいたりで、寝耳に水という感じではなかったんですが、今回はすごくショックでした。

子供たちは二人とも平気そうにしています。でもたぶん無理してるんじゃないかなあ。私は、自殺のことはもちろん伏せていますが、彼女の話題を避けることもなく、普通にしています。元気そうだったのにねとか。

明日学校があるのか今日の午後までわからなかったのですが、学校があるときいて子供たちもちょっとほっとしてるようです。なるべく平常どおりに一日が進むことを期待しています。でもたぶんルイたちは情報を私以上に仕入れてくるんだろうなあ。

こんの さんのコメント...

命はいつか果てるのですが、それでもいろいろな果てかたがある
自死 日本では、毎年3万人が自殺で亡くなってます
ここ10年間ずーっと3万人が...
阪神淡路大震災で亡くなったの6434人でしたが、2年毎にあの大震災が起きてるような死亡数です
意思的な死 それが自死 必ずしも病的とはいえない
死の一つの在り方です
死は、生き方をやその意味を考えるきっかけになると考えたら、ムダな死にならない

こんの さんのコメント...

「亡くなったの6434人でしたが、2年毎にあの大震災が起きてるような死亡数」
上の文が間違ってました。正しくは

「亡くなったのが6434人ですから、大震災が1年に4回から5回近く起きてるような死亡数」です

お子さんたちもきっとショックを受けたことでしょうから、命の大切さ、素晴らしさを話してください

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、3万人も自殺するんですか。今調べてみたら、イギリスはヨーロッパでは一番自殺率が高い国のひとつで、1年で5000人だそうです。イギリスの人口がざっと日本の半分だとすると、日本ってその3倍ですから、先進国の中ではすごく高いんですね。

死ぬこと自体よりも、それにいたるまでどれだけ精神の葛藤があったかと思うと、想像しただけで苦しくなりそうです。

あくあ さんのコメント...

うー、寝る前の短時間でコメント出来ない内容ですね・・・。次回にします。

しかし、チャーリーちゃんの心のケアをしてあげてくださいね。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、今学校から帰ってきましたが、普段どおり元気ですね。でも空元気かも?学校には今日カウンセラーが来たそうです。

ふぅ さんのコメント...

また思い出したことがあります。

3年くらい前の夏休みに、うちの子が市のサマースクールに行っていた時、学校の施設から、道路を隔てて向かい側にあるプールに行くのに、子供たちと先生たちが一緒に並んで横断歩道を渡っていたら、突然、常乗用車が突っ込んできたことがありました。その結果、男の子が一人、みんなの目の前でその車にはねられて死亡。その時も、子供だけでなく、親も呼ばれて、カウンセラーのお話を聞いたことがありました。

幸い、うちの子には表立ったトラウマはなく、今まで普通に過ごしてきたのですが、それはきっと、亡くなった子供とは別のグループで一緒に遊んでいた訳ではなかったからなのかなと思っています。

チャーリーちゃんの場合は、担任の先生ですからねぇ、そういう訳には行かないですもんね。だから、心のケア、大事ですね・・・。

Atsuko さんのコメント...

ふぅさん、それはショックでしょうね。私は中学のときに良く知らない同級生が踏み切りで電車に轢かれて死んだことがありました。お葬式にも行かなかったですが、それだけでもいまだに踏切が怖いです。

うちの子供たちも平気そうにしてます。でも内面どう感じているのか良くわからない。平気そうにしていることろをこちらから探りを入れるのも出来ないので、特に心のケアといってもどうしていいものか。出来るだけ普通にするという以外ないですね。

むしろ先生や父兄のほうが自殺ということを知っていますから、大人のほうがショック状態です。