2010年1月18日月曜日

詩のコメント

今朝郵便受けに日本からの郵便が着ていました。インターネットができてからというもの、日本から郵送で手紙が来ることなんてめったにないので何かと思いきや、春に応募した現代詩賞の主催者の会社からでした。結果発表のときに、希望者には有料で(後払い)詩の批評をお送りしますということでしたので、めったにない機会なのでお願いしていたのがやっと届いたんです。

送ったのは「私たちが求めるもの」、「ボブ・ディラン」、「裏切る」という3作でした。これ全部に批評して、わざわざイギリスまで送ってくれました。

内容は全体的に批評をいただいて、それから個別の詩についてコメントしてくださいました。褒めていただいたとこだけ載せます。

「予選の総合評価はBに丸 がついてますが、これはB のランクの上位、もう少しで最終選考対象であるAにはいるというレベルということです。

全体的に、表現の切れ、リズム感はかなりあるように思われます。ですから詩作品として拙さからの揺らぎがなく、安心して読んでいくことが出来ます。その点は自信を持っても良いのではないでしょうか。」

ここから個別作品についてコメントしてありました。

一つ目の「私たちが」については、テーマが普遍的過ぎて、面白い表現もあるが、読者の予想の範囲を超えられていない。3番目の「裏切る」については、テーマが抽象的過ぎてわかりにくいとのコメントでした。

「ボブ・ディラン」が一番よかったようで、
「とても特色のある作品になってます。この歌手の肖像として生き生きした表現で、読者はそれぞれ抱くボブ・ディランのイメージと絡み合わせて十分に楽しむことが出来ます。」と評価していただきました。「愛を歌わず」以降の10数行は単調とのことでした。

全体として、良いところを見つけ出して褒めてくださって、一方ではきちんと欠点が指摘されていて、自分でもとっても気分よく読めましたし、これから何を心がけたら良いのか、抽象的にならず具体的に方向を示されたようで、ますますがんばるぞという気になってます。

詩の文学賞に応募したのは初めてでした。人に見せることもまずないので、こういう公募に送って読んでもらえるだけでもありがたいという気持ちでした。人に見せないから、自分の詩がどの程度のものなのか、人様に読んでもらえるだけの価値があるのか、箸にも棒にもかからないものなのか良くわからなかったんですが、今回こうやって客観的にコメントをいただいて、がんばって書くぞという気になりました。

この文学賞、応募したのはエッセイと詩なのですが、その後有料で「文学思潮」の雑誌を送料サービスででイギリスまで送ってくれたり、今回はこんな風なコメンをしてくれました。どれも有料ではありますが、代金はあとで結構と、先に送って来てくれます。

この文芸思潮という雑誌、編集長は五十嵐勉さんといって、群像新人賞作家だそうです。そしてその編集人グループ「塊」には芥川賞作家の高橋三千綱さんをはじめとする、群像新人賞や文学界新人賞といった肩書きがつく作家の人たちが肩を並べています。

でもこの雑誌自体は、かなりマイナーなようです。文芸思潮取り扱い書店として何軒か本屋の名前が載っていましたから、どこでも買えるというわけではなく、要するに同人誌に毛の生えたようなものか、自己出版の本の雑誌版というところのようです。バックナンバーは申し込めば無料で送ってくれるそうです。ウエブサイトはこちら。 http://www.asiawave.co.jp/bungeishichoo/index.htm 


こんな丁寧に作られた雑誌でも、なかなかメジャーには売れないんですね。たぶん赤字赤字で、それでも文学を志す有志が集まって運営してるんだなあという感じがします。昔昭和の初期ころ、たくさんの同人誌が出てそういうところから著名な作家も生まれましたが、ああいうのっていまだにあるんですね。大きい本屋に行くと、聞いたこともないマイナーそうな文学雑誌がたくさんありますが、こういうの他にもたくさんあるんだろうな。なんだかそういう赤貧の文学者という雰囲気、昔はあこがれていました。今もあこがれてますが、赤貧は嫌ですね。

ボブ・ディランは昔このブログに載せたんですが、あらためて詩のブログのほうに載せておきます。
http://fordfarmpoems.blogspot.com/2010/01/blog-post_18.html

6 件のコメント:

こんの さんのコメント...

>客観的にコメントをいただいて、がんばって書くぞという気に

あつこさん よい刺激に、励ましになりましたですねぇ

楽しみに、期待しております

夢をもつことはいいことです
大きな夢を叶えさせましょう

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、本当にありがたいことと思ってます。こういう機会、めったにあるものじゃないですからね。

なんでもそうですが、褒められるとけなされるよりも励みになるし、同じ文章の中に褒める部分があると、けなされた部分も素直に聞こうという気になります。

この辺も良くわかってコメントされてるようですね。

ふぅ さんのコメント...

このブログ、自分のことのように嬉しく読みました。

そういうのって、本当に励みになるよね。いいなぁ~。

他人の夢でも、希望の持てる話題って、心があったかくなる気がします。

やっぱり書くことも読むことも、日々、鍛錬ですよね(笑)?

あくあ さんのコメント...

いい会社、いい人がいるのね。良かったですね。

でもそうやって何事もやってみることって大事ですね。やらなきゃ何も始まらないもんね。

Atsuko さんのコメント...

ふぅさん、一緒に喜んでもらってありがとう。褒められただけでなく、欠点も指摘されていましたが、とりあえずわけもわからず手探りで書いている状態よりは、指標が見えてきたという感じですね。

人から見ればささやかな夢でも、自分にとっては大切にしたいですね。夢でもないと忙しい日常に追いまくられて、あっという間に流されていきそうですから。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、そうそう、何でもやってみないとね。こういうものはだめもとだし。同じ趣味でも目標や指標出来ると、やりがいが出てきます。