最近、The Complete Idiot's Guide to Hinduismという本を読みました。「無知のためのヒンズー教」です。シリーズで色々な本が出ているのですが、このヒンズーガイドは特に評判がよかったので、買ってみました。こんなタイトルですが400ページくらいあり、読みやすいけどしっかりとしたテキストブックのような本です。
私、ヨガなんてものを20年以上も教えていて、ヒンズー教やインド哲学について、ちょこちょことした知識はあるものの、きちんとした総合的な知識がなかったのです。そのためにはまさに最適な本でした。
ヒンズー教ってすごくつかみ所がない宗教だとおもいます。今まで私が把握できてなかったのもその辺が理由かな。
ヒンズー教の基礎となるのは、ベーダ(VEDA)と呼ばれる教えです。インドの太古の歴史についてはインドと西洋の学者との間の理解に大きい開きがあるのですが、これはいまから5000年前から2500年前くらいに書かれたと言われてます。
このベーダはヒンズー教だけではなく、仏教、ゾロアスター教、そしてキリスト教やイスラム教の元になったとも言われています。
じゃあヒンズー教はこのベーダを読めばわかるのかと思われるでしょうが、それがそんなに簡単じゃないのです。まずその量。一人の人が一生かけても読めない量だそうです。そしてそもそもどれだけスピードリードが出来たとしても、普通の人は読むことは許されていません。
ベーダは口承で伝承されたのですが、それはばあちゃんが孫に語り掛け・・・というようなものじゃありません。限られたベーダを後世に伝えることを託された人達だけが、読み、覚えることが許されていました。しかも一字一句間違いなくごときではなく、間の空け方からイントネーションから、すべてが超超厳格に述べ伝えられました。
そのヒンズー教の教えですが、超超超はしょると、こんな感じになります。
人間の本質はAtmanというもので、これは神の延長のようなものです。たとえて言えば、人間は波で、でも波は海水で出来ていて海の一部。海とは神。そういうことです。
だからヒンズー教は多神教と思われていますが、実は違うのです。クリシュナもラーマもみんな同じ神様が人間化したもの。ガネーシャも猿の神様(ハヌマーン)も象や猿の神ではなく、同じひとつの神なのです。
だからヒンズー教徒は別にベーダを読まなくてもいいし、寺院に行かなくてもいいんです。家でガネーシとかサイババとか、それぞれ好きな神様に祈っていれば、それはどれも同じ神様なのです。修行の旅にでて生涯を神にささげたい人はそうすればいいし、ガンジス川に浸りたい人はそうすればいい。山にこもって何年も断食して瞑想したい人はすればいい。どれもあり、なんでもあり。それがヒンズー教。
ヨガを教えていると(最近はないけど昔はありました)たまに、 ヨガは反キリストだ、悪魔の教えだと言う人に出会います。ヨガのクラスに行くと、ヒンズー教に洗脳されると恐れている人とか。
でもこれって本当にナンセンス。だって、ヒンズー教徒ってなりたくてもなれないんです。その文化に生まれてこないとなれないそうです。とはいえ、別に西洋人がハ-レクリシュナの信徒になってもぜんぜん問題なし。
なぜなら、ガネーシャやサイババが同じ神なだけでなく、ヒンズー教徒にとっては、キリストも仏陀もアラーも同じ神様だからです。だからキリスト教徒を改宗させるなんて理由はぜんぜんないのです。
私にとってヒンズー教が魅力的なのは、実在の聖人やグルがいることです。サイババが有名ですが、インドにはサイババのような聖人は今も昔もたくさんいて、それぞれがすばらしい教えを説いて、たくさんの信奉者を集めています。サイババが灰を出すとか、そんな感じの奇跡はわりとあちこちで行われています。(ガネーシャの奇跡はこちら)われは神の化身だというグルがいれば、それはそれでいいんです。
だから、そう遠くない将来に3ヶ月とか半年とかインドに行って、あちこちのアシュラムをたずねるのが私の直近の夢。
ヒンズー教の問題は、例のカーストです。多分、上記の、ベーダが一部の人しか読むことが許されないとか、そのへんから派生したんじゃないかと思います。
そのカーストを無視した教えを説いた人、それが仏陀なんですね。その話はまた別の日に。
ここまでお付き合いくださった読者様、ありがとうございます。簡単にかかれた本をむちゃくちゃはしょりましたから、勘違いとか間違いがあるかと思います。ご指摘ございましたら、コメントにお願いします。
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