イギリスの学生は、高校を終えるとよく、大学に行く前にGap yearというものをします。高校を卒業して、大学に行くまで1年間旅行をしたり、バイトしてぶらぶらしたりする時期です。昔は大学が無料で、しかも返さなくてもいい奨学金のようなものをくれたから、みんなバックパックを背負って旅行してました。今はそういう制度がなくなったので、バイトして学費を稼ぐ若者もいることでしょう。
皆が皆するわけじゃないけど、これは世間的にはポジティブなものと捉えられています。大学に行ったらこの先ずっと勉強、仕事なんだし、バックパックを背負ってアジアを一人旅するのは、人間の成長にもつながると思われてるわけです。
でも大学の入試はどうするの?って思いませんか?これは、こういう仕組みになってるんです。
高校を卒業する直前に、Aレベルという試験を受けます。大体3科目か4科目です。(かなり難しい)
高校の最後の年の半ばくらい、Aレベルの試験を受ける前に、大学に申し込みます。これには、学校からの内申書みたいなものと、自分で書く、自己アピールの書類と、大学によっては面接で決まります。そして条件付仮合格を受け取ります。条件とは、「Aレベルの結果がAAB」などです。
そして条件どおりの結果が出せれば、その大学にいけます。
ギャップイヤーの生徒は、大体がもう次に行く大学から合格を受け取り、「1年後に入学する」という合意を受けているんですね。だから、悠々と旅行できるわけです。
もしも条件を満たす結果が出なかった場合は、翌年Aレベルと受けなおすことも出来て、これは日本で言う浪人と同じかな。
でも、受けなおさなくても、翌年そのAレベルの成績で、もっと入学条件の甘い大学を受けることも出来ます。これはAレベルを受けなおさなくてもいいから、やっぱり遊んで暮らせます。
ルイのように医学部に行きたいという生徒は、不本意ながらGapYearをやらなければいけない生徒も多いです。印象では、日本で有名大学を一浪する人達の数と同じくらいか、それ以上なのではないでしょうか。
医学部浪人のばあい、普通はAレベルの受けなおしはできません。けれど、浪人になる理由は、Aレベルの結果ではなく、ワークエクスペリエンスなどが理由のことが多いので、もっとワークエクスペリエンスをしたり、医学に関するリサーチをして、自分がいかに医学部に向いているかをより強くアピールできるように切磋琢磨するわけです。
これはきっと厳しいことだと思いますよ。勉強が足りないなら勉強すればいいけど、「ちょっと志望理由があいまい」などの理由で落ちたら、どうしたらいいのか、なかなか自分を動機付けるのが難しいと思います。
こういうことを考えると、イギリスに比べ、日本の学校は成績がよければ合格なんだから、数字がものを言う公平なやり方だといえますよね。
でも逆に、大学からしたら、数字だけで成績だけで学生を取るというのは、もしかしたら一番いい方法ではないかもしれません。
特に医学部の場合、18歳で入学した時点から、もう医者になることがきまってるんだから、医者の職業訓練学校のようなものです。だから面接や動機が重要視されるのは、不公平のようでも、長期的には大学にとっても本人にとってもいいことかもしれません。
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