2016年1月28日木曜日

医学部行く?の巻き、その2

ルイが来年医学部を志願するかどうかですが、今週になって、「遺伝子に興味があるから、医学部ではなく、遺伝子学部に行こうか、それとも生物化学部に行こうかなあ。」と言い出しました。

イギリスで大学に出願するときは、5つの大学に願書を出せるのですが、医学部は4つまでしか出せません。だから滑り止めの5つ目は、医学部以外の学科を選ばないといけません。(浪人覚悟なら、選ばなくてもいい。)なので、他の学科を考えるのはいいことなんだけど、ちょっと心が揺らいできてるようです。

心が揺らぐ理由は、まず何よりも、医学部(歯科学部、獣医学部も)が、他の学部よりも格段に難しいことです。医学部以外の学部なら、今の成績を維持できれば、まず問題なくどこかに入れます。

そして医学部以外の場合、一応面接のあるところもありますが、成績さえよければ入れるようです。つまりワークエクスペリエンスとか、自己アピールの文章やら、ややこしいことがそれほど必要ないんです。

願書を出す大学も、医学部以外ならオックスフォードやケンブリッジも視程距離内だけど、 医学部ならば、細かい事情があり、もう今の時点でこの二つの大学は除外して考えています。

そして医学部に入ったら、大学によっては最初の週から、患者さん相手に実習が始まります。(最初は血圧測ったり、簡単なことでしょうけどね。)それにもちょっとびびってるようです。大学を卒業したらしたで、インターンのジュニアドクターの時代が無茶苦茶大変なので、それも心配してます。

でも何よりも一番考えるのは、自分が本当にお医者さんになりたいのかだと思います。

医学部の面接というのは、いろいろ厳しいことを質問されて、多くの学生がほうほうの体で面接室から出てくるようです。何がそんなに質問されるかというと、究極のところが、手を変え品を変え、医者になりたいという動機を試されるのです。つまり、「医者になりたいという信念をゆるぎなく持っているかどうか」を試されるわけです。

でも17歳で、自分がこの先の40年間も捧げる仕事を、そう簡単に、疑問を感じずに確信を持って選べるほうが、ちょっと怪しいんじゃないかと思います。深く考えれば考えるほど、わからなくなってきて、それでも考え続けてこそ、本当に決断することができるんじゃないかな。

何かを選択することは、他の可能性をあきらめること。17歳の自分の前に大きく広げられた無限の可能性の中から、たった一つを選んで、その他を放棄すること。

大変なことです。

迷うのは大いに結構。志望動機を固めるには、まず揺るがすことからはじめるべきなのかもしれません。

医学部に行かないなら、何を勉強するのか。大学を卒業した後、研究生になるのか。それとも就職するのか。それとも先生になりたいのか。研究生になるなら、その学資はどこから調達できるのか。就職先は、どういった可能性があるのか。

その辺をしっかり調べて、結論をだして欲しいです。

来週は病院の心臓医のシャドーイング、らい来週は近所のクリニックで2日間ワークエクスペリエンスです。それを経て、医学部を目指すか、他の道を行くのか、徐々に気持ちが固まっていくことでしょう。

母親としては、医学部に行けば、もうその先はまっすぐに進むのみだから、行って欲しい気持ちもある。逆に医学部受験は難しいから、その後の浪人の可能性とか考えたら、他の学科でその道を追求したほうがいい気もする。

でも結局は、本人が将来何をしたいのか。医者になるか、研究者になるか、就職するか。私は出来る限り口を挟まないようにするつもりです。

これだけは、自分で決めるしかない。

ではこちらもよろしく

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2 件のコメント:

foo さんのコメント...

うちの一人目は今年一年はintercalatingをしていますので、geneticsを勉強しています。医学部に入っても、BSc Scienceも勉強できるんです(その分卒業までに一年余計に6年かかります)。時々intercalatingをしているうちに本気でそっちを勉強したくなって、intercalatingの期間を延長してPhDを取ってくる人もいるらしいです。そういう人は、PhDを取った後、臨床過程に戻るようです。

year13で医師への進路を決断するのは大変なんですが、一度他の大学を出た後に医師になろうと思い直しても、路線変更はものすごく大変ですから(金銭的にも、受験的にも)、準備が大変だからという理由で回避するのは、やめた方がいいですよ。どんなに他の学部に比べて入学が大変そうに見えても、医学部にはyear13で入るのが一番簡単なんです。でも本気で遺伝学の研究者になりたいと思い返したのでしたら、もちろん、それを最初から選択するのはすごく良いと思いますよ!

ところで、amebaブログではプライベートメッセージ(他者には読めません)を交換できます。すごいお手数なのですが、先ほどの非公開コメント、そちらの方に再送していただけると嬉しいです。私のブログのプロフィールの部分に「メッセージを送る」というのがあります。

Atsuko さんのコメント...

fooさん、コメントありがとうございます。Intercalatingってどういうものかなあと、思っていたのです。そういうやりかたもあるのですね。でもそうなったら、お医者さんになるのがますます遅くなりますね。

Fooさんのブログを読んで、うちも卒業してから医学部に編入するということは考えていません。競争率もそうですが、スチューデントローンの問題もありますからね。今医学部に行かないと決めたなら、よっぽどのことがないと、それが医学部に関しては最後の決断となると思います。

昨夜はブログへぶしつけな質問をお送りして失礼しました。そういう機能があるのですね。お言葉に甘えて、そちらにメッセージさせていただきます。