2016年1月4日月曜日

ニンジャ・ラン

子供たちのスイミングクラブとライフセーバーのクラブ合同の、影の伝統となっている大晦日のイベントに「ニンジャ・ラン」というものがあります。

先日書いたとおり、イギリスの新年は、大晦日にパーティーして大騒ぎして祝うというパターンで、当然お酒もたくさん飲まれます。

 このニンジャ・ランは、参加者は大体16歳以上の 男子に限られ、もちろんスイミングクラブ自体には一切関係なく、スイマーだけで行われます。うちの子供たちはもう10年近くクラブで泳いでるけど、今年初めて知りました。

スイミングクラブはバーンスタプルという街にあります。そして私の住む町はビデフォードといい、この距離が15キロくらい。大晦日の夜は、ビデフォードでは街に住民が仮装して集まり、花火が上がるという伝統があるので、夜の7時くらいに皆でバーンスタプルに集まり、ビデフォードに移動して祝うというのが主旨です。

でも、もちろんこれにはいろいろあるんですよね。

まず移動の手段ですが、これは自転車。しかも予定はビデフォードで乗り捨て。そのために、バーンスタプルの川原で、ぼろぼろの自転車をすごく安く売っているホームレスに近いおっちゃんから、みんな5ポンドとか10ポンドで自転車を買います。

この二つの街の間には、昔鉄道が通っていたサイクルロードがあります。このサイクルロードの入り口でリュックを背負って集まります。服装は黒装束プラスヘッドライト。そして10ポンドずつお金を集め、18歳以上のメンバーがこれでお酒を買いに行きます。これをリュックに入れてスタート。

この二つの地点の中間点で、ゲームが行われます。どういうゲームかというと、酒飲みゲーム。チームに分かれて、どれだけのめるかとか、どれだけ早く飲めるかとか競うんでしょうね。そして負けたチームは、多分タバスコを飲むとかの罰ゲームがあるんだと思います。

そしてここからさらに、超酔っ払った状態でビデフォードまでサイクリングし、ビデフォードに到着し新年を祝うということらしい。

今年は、ルイは参加しなかったけど、チャーリーのボーイフレンドのダニーが参加しました。チャーリーはこの大晦日の夜、ビデフォードで合流したけど、ダニーはあんまり飲まなかったようですが、ヘッドコーチの息子で、この企画の今年の首謀者のウィルとトムは、途中で酔っ払ってリタイアだったそうです。


今日水泳に行ったら、このヘッドコーチがいたので、ニンジャランの話になりました。

彼の息子たちが酔っ払った話ですが、「チームにお酒をあまり飲まないメンバーがいたので、ウィルとトムがたくさん飲むことになった。」と、まるで酒に弱いメンバーにがっかりしたような口調だったので、ちょっと笑いました。(元学校の先生のまじめなコーチです。)

まず中間地点を過ぎた時点で、ウィル(兄)から「もう酔っ払ってサイクルできないから迎えに来てくれ。」と電話があったそうです。

「黙ってこぎ続けろ。」と言って電話を切ると、5分後にまたかかってきました。この時点ではもうろれつは回っていなかったんだけど、それでも「自転車をこぎ続けろ。」と切り離しました。すると10分後に友達から電話があり、「ウィルが気絶したから迎えに来てやってくれ。」とのことでした。

それで車で迎えに行く途中で、今度はトム(弟)の友達から、「トムが意識なくしたから、迎えに来てやって。」と電話があったそうです。

チャーリーの彼氏のダニーは、トムと一緒に帰ることになっていたので、酔っ払ったトムを何とか励ましつつ自転車に乗っていたのですが、トムが突然止まって自転車を下り、ふらふらと歩いて、そのまま倒れたとか。

「というわけで、ウィルもトムも、11時半にはベッドで寝ていたよ、わっはっは。」とコーチは笑ってました。この人、4人も子供がいて、ウィルとトムは3番目と4番目なんだけど、やっぱり肝の据わり方が違うわ~。


イギリスの青少年はこんな感じですという話でした。ルイも、来年は参加しようかなあと言ってました。こわ。

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