2016年1月3日日曜日

大学受験の話

最近私とルイの関心を一番占めているもの、というか、心を悩ませているといってもいいものが、ルイの大学受験です。

イギリスの大学受験のシステムは日本とぜんぜん違うのです。まず簡単に説明します。

1.11年生(16歳)のときに、GCSEという教科別のテストを受けます。教科数は8~12くらい、評価は一番上がA*、合格レベルがCです。

2.12年生の終わりに、ASという試験を受けます。科目数は3~5.

3.13年生(17歳)になるやすぐに、大学に願書を出します。これはGCSEとASの結果と、学校からのAレベル(高校卒業時の最終試験)の結果予想、そして3000語くらいで書かれた「パーソナルステートメント」からなります。

4.書類選考に通ると、面接に呼ばれます。そして面接に受かると、「条件付合格」を受け取ります。

5.高校卒業時(18歳)でAレベルの試験を受けます。(3-4科目)。これが大学からの条件に合えば、大学に行けます。


うちの息子は医学部に行きたいのですが、日本と違って、このパーソナルステートメントが比重が高く、これがすごく頭がいたいのです。

パーソナルステートメントには、なぜ医学部に行きたいかを書くのですが、それだけでなく、今までどんなワークエクスペリエンスやボランティアの仕事をしたかを、いろいろ載せなければいけません。ワークエクスペリエンスというのは、病院や医院で先生について見学したり、雑用を手伝ったりということです。

このワークエクスペリエンスを見つけるのがすごく難しいのです。親が医者の人達は、やっぱり簡単に見つかるようですね。我々も何とかコネやコンタクトを酷使して、いま必死で手紙やメールや電話で探していますが、簡単ではないです。

そしてそのほかに、老人ホームでボランティアしたり、地元のチャリティー事業に参加したりする必要があります。

そして、勉強だけでなく人間としての幅があることを証明するために、音楽やらスポーツやら学校内での委員会や生徒会での活躍が求められます。

ルイが大学に行くのは2017年の秋なんだけど、今年、2016年の秋にはもうこの書類を出さないといけません。ということは、今から6ヶ月で、ワークエクスペリエンスやらチャリティーワークやらを、学校の勉強をしながら、実績を積んでいかなければいけません。というか、今からじゃちょっとスタートで遅れを取ってるかもしれません。

そういうわけで、このブログでもこれからいろいろ書いていくかもしれません。お付き合いください。

ルイはこのクリスマス休み、祭日以外は毎日9時から5時まで、お医者さんに隣接する薬局で働きました。ワークエクスペリエンス兼バイトでしたから、まあラッキーでしたね。

肝心の勉強のほうは、私はもう何にも言うことないです。ワークエクスペリエンス関係は、なんとか私も力を貸してあげたいと思ってるけど、勉強くらいは本人で勝手にがんばってもらわないと。

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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

あつこさん、イギリスは何やかんや言っても、未だに階級社会ですよ。特に、医学と法律はコネ社会っ感じですよ。まあ例外も一部ありますけどね。
夫の高校や大学の知人や友人に医師の人が結構いるけど、彼らは親も親戚もみんな医者ってパターンがほどんど。一人、例外がいるけど、彼の場合は、母親が小学校の校長先生で、父親が薬品会社に勤めていて、コネがいろいろあったみたいですよ。

でも、医師じゃなくても、特に理系で、コンピューター技師や公認会計士で、資格を取って、大手企業で経験を積んで、医師顔負けに、6桁の稼ぐ人が夫の周りにはゴロゴロいますよ。私のイギリス人の夫は大学卒業後、いろ資格を取って、多国籍の大企業を多々渡り歩いてきたコンピューター技師で、今はイギリスの大手投資銀行の専門技師をしていますけど。夫が、「技師は職人と同じで、仕事が出来てなんぼって感じだから、コネ以上に技術力を含む実力が大事だ」っていつも言ってます。まあ、もし医学部が駄目であったとしても、医師の他にも、いろいろと成功するも道はあると思います。

あくあ さんのコメント...

そんなシステムなんだねぇ。すごいねぇ。

匿名さんが言うような、世襲制がどの程度必然なのかはわからないけど、何年間も続けて好成績じゃないといけないというところが日本と比べていいなと思います。日本は最後の最後に勉強してつじつま合わせたら何とかなる的なところがあるもんね。大学卒業の時もそうだけど。

会社で採用するとき、海外の大学から来る候補者たちはほんとにいろんな経験があって総合的に優秀な人が多かったんですよね。そういうのも教育制度の違いなんでしょうね。

日本も、もうちょっと制度を変えていかないとねぇ。

Atsuko さんのコメント...

世襲制って言うわけじゃないし、基本的にそういう傾向はよくないと大学側もわかっていて、門戸を広げようという試みはされているんだけどね。でもワークエクスペリエンスを病院でするって言うのは、コネがないとなかなか大変。

確かに何年もがんばって結果を出さないといけないシステムだから、日本みたいに、試験がすべてのギャンブル的要素は少ないところは良いと思う。大学に行きたい人は、それなりにがんばっていれば、だいたいどこか行き先が見つかるようです。しかも日本みたいに、箸にも棒にもかからないほどひどい大学はない。それに、自分で動機や経験をアピールするって言うのも、大学にとってもいい生徒を取れるし、生徒にとっても、思いつきでなく、いろいろ考えないといけないし。

本当に、日本も教育制度変えないとね。最近は若者が減って、推薦入学が増えたらしいけど、あれもどんなものかね。

それよりも、イギリスは大学で一生懸命勉強しないと卒業できないシステムになってるのが、やっぱりすごいと思う。あんなシステムなら、私は絶対卒業できなかったよ。。。

匿名 さんのコメント...

医学部って、「生徒の7割−8割がプライベートスクールかグラマー等のSelectiveスクールの出身者である」っていうこと、「ステイトスクールの生徒ももっとどんどん入れるべきだ」、って批判する人たちも結構いますよね。ラッセル系のトップクラスの医学部とか法学部とかだと、公立の学校出身者はほんの一握りみたいなことを6年ぐらい前にダラムの法学部に入学した私たちと交友のある知人の息子さんたがいってました。去年ブリッセルの建築学を卒業した知人の息子も同じようなことを言っていました。夫は、「上部層は、Politically Correctnessで、公立の生徒もどんどんエリート大学や医学部に送りこもうなんて言っているけど、そんなの口だけで、変える気なんてさらさらないんじゃないかって思うことがしばしばある、不公平な話だ。特に今は保守党が政権を握っているから、裕福層が有利になるように持って行っているし。」ってよく言っています。イギリス独特の表と裏みたいなものでしょうか。今は、授業料が9千ポンドで、もっと上がる可能性もあるし、医学部だと、生活費や交通費の上に、書籍代や教材費、聴診器や骨の模型とかの器具とかも買わないといけないので、結構費用がかかるし、医者の家でも医大生を抱えると結構出費が大変みたいですよね。日本だと国立の医学部に入れば、そんなにお金かからないけど。私のいとこの子どもも地元の国立の医学部に入って、家から通ったから、お金があまりかからなかったって言ってるし。あと、ロンドンだと、医学部に強いプライベートスクールとかあって、私の友達の小学生の娘さんも、家庭教師を2−3人につけて、今その学校に入る準備をしています。日本だと、一部の私立の医大に入る以外はそこまでしないだろうし。

個人的には、日本の大学教育、特に工学部とかの理系は、教育レベルが世界的にも高い方だと思います。特に私の通っていた大学の国立の工学部なんか、しっかり勉強しないと進級できないし、試験に落ちて留年する生徒なんかもどんどんいましたよ。優種な成績で、大学や大学院を卒業して、大手企業に入って、海外勤務や海外出張をして、世界中を飛び回っている人も何人も知ってますよ。