2013年4月5日金曜日

Zero Dark Thirty

という題の映画を昨日見ました。アメリカの9・11以降からビン・ラーデンが暗殺されるまでの話で、実話に基づいてるそうです。長い映画でしたが、全然退屈することなく見ました。

この映画、最初公開されたときはすごく評判が良く、アカデミー賞を総なめするだろうと言われてたんですが、実際にノミネーションが近づいてくると、映画評論家やアカデミー会員や右や左の政治家やCIAから、批判の声が高まってきたそうです。

批判されたのは最初の部分の拷問のシーン。CIAの拷問のプロがタリバンの一員を長々と拷問します。そこで得られた情報が、ビンラーデン暗殺に少なくともいくらかは貢献していると言う描き方で、その部分が批判の対象となってます。

拷問シーン自体が悪いのではなく、「拷問で得られた情報は、実際には役に立たなかったのに、その事実がゆがめられている。」という点と、拷問がテロリストを潰すためには必要悪とうい描き方がその論点です。

で、実際アカデミー賞のふたを開けてみれば、この映画は音楽編集だか何かの小さい賞を007の映画とタイで受賞と言うだけでした。まあ総スカンを食らったといってもいいでしょう。

私としては、 ARGOのほうが全然いい映画だと思ったので、これには異存ありませんが。

まあ政治と芸術は別物ですからね。映画の世界に政治観を持ち込んで批判するのもどうかと思います。実際映画のほうは、民家に女子供と一緒に隠れているビンラーデンを、60パーセントくらいしか確信のない情報に頼って 襲撃するわけで、その時に女性を含む家人も殺されているし、「アメリカのテロに対する大勝利」という描き方でもありませんでした。むしろ、確かにビンラーデンは死んだものの、だからと言って本当に世界がより安全に平和になるんだろうかと、虚しくなるような終わり方とも取れました。ただ淡々と描いているというか。

だから、善悪の判断を抜きにして、オープンマインドで見ないと、楽しめない映画かもしれません。それに、やっぱりアメリカ人の観客と、ヨーロッパ人や日本人の観客では、捕らえ方もずいぶん違うような気がします。

私としては、いろいろ考えさせられたけど、後味はあんまり良くない映画でした。

そうそう、ところで昨日書いたひげの男達の話ですが、この映画舞台はパキスタンとアフガニスタンなので、とにかくひげの男が山ほど出てきます。でも全然素敵な人はおりませんでしたわ。これは、ひげ面の男がかっこいいというのではなく、ヴィーゴ・モーテンセンとベン・アフレックはひげが似合うと言うだけでしょうか?

それとも男前だけが、ひげ面が許されると言うことか?

明日子供たちが帰ってきます。その前にぜひささっとワンクリックお願いいたします。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

この映画も観てみようと思ったんだけど、Video On Demandにはありませんでした。一部の劇場で公開されてるみたいです。そのうちWoWoWかなんかに出たら観てみます。

ブッシュ元大統領が語る911と言うNational Geographicのドキュメンタリーを観たんだけど、アメリカが911で受けた傷はとても大きいんですよね。で、最後に「真珠湾攻撃と同じように、アメリカは911を忘れない」と言ってました。

日本ってアルカイダと同じようなことをしたんだと思うと、ずしんと来ましたよ。しかも、まだ自分の親が子供だったくらいの時期だから、近年だもんね。

Atsuko さんのコメント...

あくあさんは結構面白いと思うんじゃないかなあこの映画。そのうち全国でロードショーになるのかな。日本で封切するには字幕とか吹き替えとかいろいろ時間がかかるんだろうなあ。

真珠湾が911と同じなのか。そう思うとそれもすごいし、そのことについてこれだけしか教育してない日本というのもすごい。