2015年12月13日日曜日

カルロス・アコスタ

カルロス・アコスタって知ってますか?最近引退した、キューバ出身のロイヤルバレエの男性のプリンシパルです。黒人では初めてロイヤルバレエでプリンシパル(つまり主役)になったダンサーで、ここ10年以上、イギリスのバレエ界では、人気実力ともに圧倒的な地位にあります。

 Image result for カルロスアコスタ

キューバという比較的貧しい国から、どうしてこの地位につけたのか。興味はありましたが、なんとなく、親がバレエ関係とか、恵まれた環境からこの地位に上り詰めたのだろうと思ってました。

先日たまたまテレビでドキュメンタリーをやっていたので、見入ってしまいました。

彼はハバナの貧しい地区に生まれ育ったようです。子供の頃からブレークダンスが無茶苦茶うまかったそう。高学年になると、町の不良(死語か?)と付き合うようになり、近所の人の勧めで、9歳から遠い町のバレエ学校に毎日通うようになりました。早朝にバスに乗り、夜は10時ごろ帰宅したそうです。

そこを卒業し、次は寄宿生のハバナの国立バレエ学校に進みました。キューバはバレエに力を入れていて、キューバ国立バレエ団は世界的に有名です。このバレエ学校は世界一大きいとか。

そこでは割と裕福な家庭の子息が多かったので、カルロスはそこでも窃盗などの問題を起こしたようです。

しかしバレエだけは熱心で一度もレッスンを休んだことがなく、校長先生の目に留まり、ついにスイスで行われる国際大会で優勝し、ロイヤルバレエに進みました。

ここまで書くと、普通のシンデレラボーイみたいな話ですが、その環境の違いを考えると、すごいことだなあと思うのです。

イギリスですら、バレエの世界というのは恵まれた環境です。ダンスとか音楽とか、こういった習い事はお金がかかりますし、そもそも階級社会のイギリスでは、バレエは中産階級のお稽古事です。

Billy Elliot(リトルダンサー)の映画みたいに、労働者階級からロイヤルバレエに進む人もいるとは思うけど、周りの人達を含めた環境に順応するのは大きいカルチャーショック。だから、ハバナの不良少年だったカルロスが、ロイヤルバレエのような世界に馴染むのはすごいことだったんじゃないでしょうか。

もしかしたら、うまくやっては来たものの、馴染んだわけではないのかもしれません。その「不馴染みさ」が、彼の圧倒的カリスマの要因かも。

彼のプロジュースしたカルメンがこのクリスマスにテレビ放送されるそうです。日本でももしかしたら見れるかもしれませんね。

ではこちらもよろしく
 
イギリス(海外生活・情報) ブログランキングへ

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

へえ、面白そうなお話ですね。その人のバレエも観てみたくなりました。

Atsuko さんのコメント...

検索してみて。きっといろいろ出てくると思うよ。