2011年4月13日水曜日

小学生の寄付

今日地元の新聞North Devon Journal を見ていたら、北デボンのある小学校が日本の被災者向けの寄付をしたとの記事が載っていました。フムフム。こんな田舎の小学校でも募金がされているのかと詳細を読んでみて、ちょっと複雑な気持ちになりました。

もともとのきっかけは地震のときに日本に住んでいた地元の女性です。 地震後こちらに帰ってきて、イギリスの小学校を廻って地震や津波の怖さ、50万人近くの人が家を失ったことなどを語り、寄付を募っているとのことです。

それでこの小学校では募金で集まった35ポンドでおもちゃ、服、洗面用品を買い、それを子供達が家から持ってきたおもちゃなどと一緒に送るそうです。バージンアトランティックがただで輸送してくれるとのこと。写真には輸送されるであろうぬいぐるみを持った子供達と本(英語)などが入った箱が写っていました。

でもこういうのは残念ながら結局ぜんぜん役に立たないんじゃないかなあと思います。よくコメントをくれるあくあさんのレポートによると、 現地では物資は分配が大変で、同じものが大量にあれば分配しやすいけれど、一箱に下着3組、靴2足、ノート10冊なんて物はとてもじゃないけど処理できないそうです。

いろんな話を総合した感じでは、もう当面の物資は足りていて、今必要なのは新たに生活を始めるための冷蔵庫だとか掃除機だとかコタツだとか 、電気製品に限らず、生活必需品ということのようです。

もちろんこれも被災地によって違うし、もしかしたら大被害にあった地域はよく知れ渡っているので物は足りてきたけれど、そうではなくまだまだ物がないというところもあるのかもしれません。

このイギリス人女性、一体その辺のことをわかって寄付を募っているのかな。この小学校の例では、たった35ポンドとはいえ現金で送ればそれだけ何かの足しにはなるし、中古のおもちゃや本などは学校が主催してバザーなどとしてその収益を送ったほうが、よっぽど役に立つんじゃないでしょうか。

イギリスにはシェルターボックスという有名なチャリティーがあり、大地震などの災害のあった地域に当面生活ができるための必需品を入れた大きな箱を送るという活動をしています。日本の地震の直後もニュースになって紹介されていました。

で、その箱の中身なんですが、10人用のテント、 水浄化剤、コンロ、鍋等、蚊帳などが入ってます。

蚊帳??

何でもこの箱の中身というのは決まっていて常時それがいつでも出荷できるように用意してあり、とにかく災害直後にこれを送れるというのが売り物だとか。日本の場合はすでにフィリピンで待機していた箱があり、それがまず送られたそうです。ニュースでもでかでかとレポートされていたし、イギリス人は良いチャリティーだと思ってるようです。実際、地震直後にこのチャリティーに寄付した友人もいました。

確かにそのスピーディーさはかなりのものです。

でもこれは誰にも言わなかったんだけど、私はあまり役に立たないんじゃないかなあと思いました。確かにハイチではすごく役に立ったと思うんだけど、東北で10人用テントを張れるような場所がそもそもあるんでしょうか?被災地の方でテント住まいの方って聞いたことないけど、いらっしゃるのかな。そもそも季節的に寒すぎます。夏なら『人がいっぱいの体育館よりテントが良い』という人もいるかもしれませんが。

それに蚊帳・・・・・・

地震といっても日本とハイチじゃぜんぜんニーズが違うし、災害準備態勢も違うし、こういう支援の仕方はかなり無駄が多いと思います。

大災害→支援→募金
→ボランティア


ここまでは誰でも思いつくと思うんだけど、物資はかさばるし運送代がかかるし、不要なものをもらってもすごく困ると思うんです。それにあくあさんのレポートでよく分かったんだけど、結局一番肝心なのはオーガナイズする能力やリーダーシップ、そしてマンパワーだと思うんですよ。

その細かいニーズまでは一般人には分かりにくいですから、やっぱり一番役に立つことは金銭的な寄付ではないでしょうか 。それから次は、このお金をどうやって使うかを決めるブレインとリーダーシップ。そしてそれを実際に仕事に移すマンパワー。

この小学校に関しては、お金がどうのこうのというよりは、こんな遠くの国の子供達も心を痛めている・・・それだけでも伝わればと思います。

料理ブログ更新しました。よろしくお願いします。サーディンのグラタン

ではよろしければこちらのリンクをクリックしてくださいませ。
人気ブログランキングへ

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

今日、この記事を読んで、そうだよなぁと思った後、この記事を読みました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110408/219373/

なるほど、実質的に役に立たなくても教育的な意味はあるんだなと、これもちょっと目からうろこが落ちた気がしましたよ。

こういう教育をしているからアメリカ人はボランティア精神にあふれてるのかなぁ?

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、良い記事ですね。なるほど。確かにお金を出しただけでは、こちらとしても気持ちがすっきりしないと言うのがあるのかもしれません。お金だけじゃなく、気持ちを伝えたいというか。

何かをしてお金に換える、バザーだとか、車を洗ってお金をもらうだとか、そういう労力を伴う寄付を小学校などですれば良いのになあと思います。