寂しい出来事

阪神の金本選手は今年43歳。去年の春まではフルイニング出場世界記録を更新していましたが、昨年5月に残念ながら肩の故障で1492試合で記録が途絶えました。

出場記録なんて別に成績関係ないんだし、ホームランだとか安打記録に比べるとたいしたことないような印象があるかもしれませんが、実はこれは無茶無茶すごい、とても人間業とは思えない記録なんですよ。フルイニング出場というのは9回もしくはそれ以上ある野球の試合で、最初から最後まで出ること。全打席に出て全部守ることです。野球の試合は今、1年に144試合なので、10年以上。野球選手ですからスランプもあれば病気や事故や怪我もあります。若手の台頭など競争も厳しい。実際金本選手は骨折しても胃炎腸炎でもとにかく出場し続けました。普通の野球選手にとっては、1試合でもスタメンででるっていうだけで快挙なのに。

どれだけすごいかというと、金本選手が大リーグの世界記録を破ったのが2006年。その記録とは903試合。つまり抜くどころかぶち破り、589試合も更新したんです。これは今後絶対破られることはないといわれています。

で、去年の5月の時点でこの記録はストップしたのですが、まだ連続試合出場記録は更新していました。フルイニングででなくても代打で1打席でも出れば出場したことになりますから、毎試合代打で出ていました。

この記録が今日ストップしました。1766試合連続出場でした。

これが切れたいきさつというのがちょっとテクニカルというかややこしいんですが、金本選手は代打で打席に立ったのですが、1塁にいた選手が盗塁に失敗してアウトになりスリーアウト交代で、金本選手は自分の打席を完了しなかったので、出場とはカウントされないそうです。

金本選手は日本では衣笠選手についで歴代2位。衣笠選手の記録は2215試合なので、もともとかなわない数字ではありました。

去年肩の故障でフルイニングできなくなって以来、阪神の監督は無茶苦茶気を使って、とにかく連続出場だけは続けることができるように起用してきました。金本選手も肩が悪く、打てないと分かっていても代打に出たり、素人目にもチームの足をひっぱてるなあということがよくありました。鉄人金本さんは男っ気のあるひとですから、この記録には全然こだわりはないと何度も言っていて、『監督に切ってくださいってお願いしてるんですけどね。』とすら言っていました。

でも選手に気を使う真弓監督は、 自ら手を下してこの記録を打ち切ることができないようです。なので周りでは、雨でコールドゲームにでもならない限り、いつまでも代打で使われるだろうなあと思っていたようです。

それが今日はこんなひょんなことで記録がストップしました。

試合後のインタビューで悔しいですか、残念ですかと気持ちを聞かれると、

「ぜんぜん。笑えたくらい。」

と答えてました。鉄人らしいです。


阪神ファンとしては、この監督の記録のこだわりが邪魔になっていると思っていたし、どうせ日本記録にはぜんぜん及ばない記録なんだから、早く切れたほうが良いと大半の人が思っていました。金本選手も同じように感じていたようです。

だからここで記録ストップで、まあよかったんじゃないのとファンの多くは思ってると思うんですが、

でもそれにしても寂しいですね。なんというか時代が終わったというか。これほどガッツがあり、不言実行で努力を惜しまない選手ってめったにでてこないと思います。それに43歳って言うのは年代的にも私と似たようなものだし。そういう選手が、まだ現役は数年続けられると思うんだけど、それにしても第一線を退くっていうのは、やっぱり寂しいですね。たぶん40代の野球ファンは、アニキががんばってる間は自分もまだまだ一花咲かせられるっていう連帯感があったと思うんですよ。


うーん、寂しいですねえ。今夜は同じ阪神ファンと日本酒でも飲んで語り合いたいものです。
・・・・・でも周りに阪神ファンは12歳の息子と10歳の娘だけ。

あっ、試合自体は5－4で鬼門中日ドームで勝ちました。開幕3勝1敗、喜ばしい。

ではよろしければこちらのボタンをクリックしていただけますか。ブログランキングカウントです。