2010年6月21日月曜日

オーシャンフェスト2



赤のグレーの帽子がチャーリー。1キロレース。
ふらふらと朦朧としながら水から上がるルイ。

フラッグ レース。チャーリーは真ん中。

昨日のオーシャンフェストのことを書きます。子供たちのイベントは10時半から始まりました。男子女子それぞれ10・11歳グループと12・13歳グループに分かれています。プログラムは
1.ビーチリレー(走り)
2. 1キロレース(走り)
3.水泳
4.ボードレース(海でサーフボードに寝そべって手で漕ぐ)
5.ボードリレー
6.500メートル走、150メートル泳ぎ、ボード、150メートル走のメドレーリレー
そして午後にはフラッグという砂浜で行う競技がありました。

1と2は問題なし。1キロ走はルイは上位10位以内(全員で50人くらい)、チャーリーは真ん中くらいでした。これは1キロとはいえやわらかい砂の上を走って、途中は水が流れてるところも走り抜けたりと、かなりしんどい競技です。

その後の水泳がたまたま運悪く波がすごく大きくなり大変でした。水際でスタートし、海に入ってまっすぐ泳いで、ブイを回ってまっすぐ帰ってきます。距離にしたら300メートルくらいだと思うんですが、とにかく波が高くて、ブイなんてぜんぜん見えません。まずは12・13歳の男子のレースでしたが始まったとたんに、どんどん泳げなくなった子供たちがライフガードに救助されて戻ってきます。50人中10人くらいはだめでした。中には歩くこともできず、担がれて帰ってくる子供も数人いました。

ルイは何とか泳げました。10位以内には入ったと思うんですが、水から上がってきたときは右も左もわからないという様子で、ふらふらでゴールまで走ることもできません。かなり大変だったようで、青い顔で「吐き気がする」といって砂の上に広げた毛布で休んでいました。ルイのチームメートもかなり気分が悪くなり、午後までのほかの競技を棄権したほどです。

その次の女子と、10・11歳のレースはそういうわけで距離が少し短くなりました。チャーリーのレースが最後でした。チャーリーは長距離に強いしスタミナがあるし大丈夫だろうと思っていたら、チャーリーも救助されて帰ってきました。助けてくれたライフガードによると、「かなり苦しそうだったから連れてきた。」とのこと。

ありがたいことにこのレースには10人くらいライフガードが付きっ切りで子供たちを囲むように泳いでいました。それでもしも泳げなくなったら手を上げると助けてくれるということでした。彼らは大体がこのクラブの父兄やOBで、ボランティアでライフガードをやってるようなサーファーたちです。本当に彼らがいなかったら、こんなイベントとてもできませんでした。ありがたいことです。

その後のボードレースはチャーリーが参加したのですが、始まったとたんに一つ目の波で数人の子供のサーフボードが波に飛ばされました。そしてまもなく、チャーリーが今度は泣きながら、ボード無しでライフガードに支えられて海から上がってきました。波が高く周りが見えず、誰かが手を離したボードが飛んできて顔に当たったそうです。もちろん自分のボードもどこかに行ってしまいました。(これはボランティアの人たちがちゃんと集めてくれる。)

このレースは泳ぎのレースよりもさらに棄権者、負傷者が続出でした。ルイの友達でサーフィン慣れしている子も、ライフガードに抱きかかえられて戻ってきました。後で聞くとほかの人のボードが当たったて負傷した子供はたくさんいたようでした。

そのせいでその次のレースのボードリレーは棄権者続出。ルイのチームもチャーリーのチームもメンバー不足で棄権でした。

最後のメドレーは、ルイは初めの500メートル走、チャーリーは150メートル泳ぎでした。でもチャーリーはこの時点で海が怖くて仕方ありません。泣きながらぶるぶる震えて、泳ぎたくないといってます。でもこの年齢グループでは、チャーリーが一番泳ぎがうまいので、チャーリーが泳がないと誰も泳ぐ人がいないんです。それでコーチも無理強いすることはできないながらも、何とか泳ぐように説得しています。

たった150メートルですから泳げないわけは無いんですが、とにかく泣きじゃくってるのでとても泳げる状態ではありません。それでも最後の最後まで迷った挙句、一人目の走者が走り出してもまだ迷い続け、結局泳ぎました。どうなることかと思ったらなかなかがんばって泳ぎ、このリレーは男女合わせて16チームくらいある中の4位でした。同じクラブの男子のチームよりも楽勝でした。

私もチャーリーを無理しても泳がせたものか、それともかわいそうだからやめさせるか迷いました。この年にして、ほかのチームメンバーからもコーチからも、チャーリーが泳がないと棄権せざるをえないというプレッシャーをかけられて、かわいそう。「本当に嫌だったら、周りの人がなんと言おうと、どんなに迷惑かけようと、嫌だといいなさい。」とはいったんですが、なかなかそう言われても大人でも決断するの難しいですよね。結局「じゃあ、一応泳ぎ始めて、やっぱり大変だったら戻ってきなさい。どうせ棄権するなら、トライしてから棄権しなさい。」といって送り出したんですが。

このレースが終わるとランチでした。チャーリーはちょっとむっつりしていましたが、結局は自分のチームがまずまずの成績だったこともあり、だんだん機嫌がよくなってきました。「思ったほどは大変じゃなかった。距離もすごく短かったし、深さも足がつくくらいだった。」と言っていました。あのままボードレースの後、救助されたままで終わっていたら自信を失ってしまっただろうから、結果的にはちょっと無理をして泳いでよかったです。

午後のレースはフラッグといって砂浜でする競技でした。二人とも結果は可もなし不可も無し。でもこれが終わる頃には、怖い波のことなどすっかり忘れたようで、いつもの元気な二人に戻っていました。

それにしても、昨日一日で子供たちはかなりタフになったんじゃないかなあ。現代っ子はどうしても過保護に育ってしまってるんですが、こんな風に十分なサポートが整ってる中で危険なことをするというのは、すごくいい貴重な経験だと思います。これから自分たちだけで海に入ることも多くなると思うんだけど、海の怖さを知っておくのも大切だと思うし。

今日はまたすごく天気がよかったです。それで初めてサーフボードを持って学校の後、海に行きました。今までボディーボードはよくやったのですが、サーフボードを貸してくれた人がいて、サーフィンしました。ルイは去年学校で1週間サーフィンレッスンがあったので、なかなか上手でした。チャーリーも臨海学校でやったのでトライしたら、なかなかうまくて、何回か立つこともできました。でもチャーリーの場合は水が股までくらいのところでやっていたので、かわいかった。

海は昨日とはかわって、おとなしい波がささっとやってくる程度でした。昨日こんな波だったら、ぜんぜん違った競技会になっていただろうな。ちょっと残念ですが、後で思うとあれはあれですごい思い出になるような気がします。

さてこの好天、いつまで続くか。イギリスのことですからすぐ寒くなるかもしれないんだけど、とにかく天気のいいうちに遊べるだけ遊びます。ああ、学校が休みならいいのになあ。

4 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

チャーリーちゃんの件、そういうときの親って判断に困るんだろうねぇ。しかし、がんばってチャレンジしていい経験になったんじゃないかなという気がします。そういうときに逃げちゃったことって一生できないままになったりする気がするし。たっぷり褒めてあげるといいんじゃないかなぁ。

こんの さんのコメント...

お子さんたち、とても凄い体験をなされましたですねぇ
>十分なサポートが整ってる中で危険なことをするというのは、すごくいい貴重な経験だと思います。これから自分たちだけで海に入ることも多くなると思うんだけど、海の怖さを知っておくのも大切だと思うし...
同感です!
日本の琵琶湖で、先日ボートが転覆し、中学生が一人亡くなりました
生きるとは、相当のリスクをクリヤーしながら暮らしているのですね
貴重な体験が、きっと役立つことでしょう

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、怖いと思うことを立ち向かって克服していくのが必要なこともありますよね。今回のことはいい結果に終わりましたが、結果によってはますます自信がなくなると言うこともあるし、難しい。

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、おっしゃるとおり、人生からリスクを取り除くことはできないですからね。いかにしてリスクと兼ね合いを取りながら、危険を最小に、でも萎縮してしまうことなく生きるというのは、必要なことですよね。なかなか大人でも難しい!