2009年5月19日火曜日

家庭内暴力と体罰




これは今日の本文とはぜんぜん関係ない写真です。うちの庭に生えている雑草のデイジーの写真です。コンピューターが壊れて、新しいプログラムを入れ替えたとき、ウインドウズ・フォト・エディターというプログラムが勝手に入っていて、それでこんな風に写真をネガにしたりだとかスケッチ調にする方法を覚えて、遊んでます。
ただの花の写真では、熱心に見ることもないのですが、こうなると花びらの一つ一つの完璧さだとか、花心とのバランスだとか、自然ってすごいとあらためて見直します。おそらくこんな色にしてしまうと、あまりにも人工的、アート的になので、それにあっても、花のデザイン自体は100パーセント自然というそのコントラストに、目が行くのでしょう。
本題。
私は大学は個性的な(これでも言葉を選んでかいている)人が多い大学だったので、そのころの友人は結婚している人は少ないのですが、高校は普通の高校だったので、同級生の大半は私よりも早く出産した人が多い。うちの子供はまだ10歳と8歳で、赤ちゃんのころのように手がかかることもないし、でもまだまだかわいいし、一番いいころのような気がします。でも高校の友達は子供が中高生という人が多く、いろいろ悩みがあるみたいです。
一人の友達は、高校生の娘が二人いるのですが、娘たちとの仲がうまくいっていない。彼女たちが特に悪いというわけでもないと思うのですが、普通に反抗したり、普通に門限を破ったりというのが、彼女には理解できず、つらいようです。彼女自身はとっても母親と仲のいいお嬢さんだったので、どう対処していいかわからないようです。
遠くから話を聞いているだけなので、詳しくはわからないけど、結局は娘さんたちはお母さんとはぜんぜん性格が違うように成長して、それが原因で衝突が多いみたいです。かわいそうとは思うけど、こちらのほうは、割とよくあることで、そのうち時間が解決するんじゃないかなあという気がします。 
今日東京にいる別の友達からメールが来ました。彼女のところは高校生になる男の子が家庭内暴力を振るうという話を、前から聞いていました。暴力の対象はお母さん。それで彼女とお父さんが心理治療師のところに行ったりと、かなり深刻な様子でした。今までも着の身着のまま、大阪の実家に逃げた帰ったりということがあったらしいんです。
今日のメールでは、また息子さんの暴力が悪化し、義理のお兄さんが間に入ったりして、だんなさんや娘さんとも話し合った後、しばらくお母さんは実家に戻ることになったということでした。今までもそういうことはあったので、大変だなあと思っていたのですが、今日事情を聞いて、今回は3年位家に帰らない覚悟と聞いて、私もちょっと他人事ながらにショックでした。娘さんもかわいそう。家庭って一人がだめになると、全員のバランスがだめになる、もろいものなんですね。
息子さんの行くのは中学から大学までのエスカレーター式の学校で、かなり軍隊のような高圧的な先生がいるようです。友達もいないとのこと。そしてお父さんから厳しく育てられたようで、小さいときはよく手を上げられたとか。そういった一連のことが、原因なのだろうなあと、彼女は言っていました。
要するに彼はすごく苦しくて不幸なんです。で、それがはけ口としてお母さんに向かう。お母さんを殴った後は、自分も泣いているそうです。
かわいそうだなあ彼、と思う。そこにいたる過程もなんとなくわかる。でもそれは私が日本人だからだと思う。イギリス人の友人にこの話をすると、ぜんぜん理解できないようです。それに、息子が母親の暴力を振るうということも、こちらではまず聞いたことがありません。
日本って暴力に寛容な文化だと思います。だんなさんが奥さんを殴るというのは、もちろんこちらでもありますが、対処の仕方が違うと思う。日本ではまず警察に連絡なんてしないけど、こちらでは警察にちゃんと家庭内暴力専門の課があって、ちゃんとおまわりさんが話を聞いてくれます。だんなや彼氏の暴力に遭った人たちが子供と一緒に短期的に住めるアパートもどの町にもある。
自分の娘がだんなに暴力を振るわれたをきくと、日本の母親は、そういうこともあるけど夫婦なんだから我慢して、という人が多いんじゃないでしょうか。でもイギリスでは、親も友達もそんな人とはきっぱり別れよというと思います。
家庭内だけでなく、自分の中学生のころを思い出すと、暴力を振るう先生がまだいました。(頭を出席簿でポン、というのはべつにして、)頭に浮かぶのは一人だけなので、そういう人は例外だったのでしょうけど、それでもその人は堂々と大きい顔をして、学年主任をしていました。私の子供があんな体罰にあったら、私は教頭先生に文句言いに行きます。そしてほかのお母さんたちと団結して、何とかして首にさせます。
でもあれは今から30年くらい昔だし、今はそんなことはないだろうと思っていましたが、(イギリスでもそのころは鞭でお尻をたたかれたらしい)、この暴力に走った友達の息子さんの先生は、いまだに暴力を振るうらしい。
暴力を容認する限り、世代を超えて暴力は続くんだろうなあと思います。
そんなことを言う私も、子供には絶対に手を上げないつもりで育ててしましたが、一度もあげたことがないとはいえないし、子供心を傷つけるようなことも言った事があると思います。でも、体罰はしないと思っていてもしてしまうくらいだから、はじめから体罰でびしびし育てるぞと思っていたら、ひどいことになるんじゃないかな。
やっぱり子供でも犬でも猫でも、体罰はしないで育てるのが一番だと、私は思います。子供のためにも、お父さんお母さんのためにも。

8 件のコメント:

こんの さんのコメント...

暴力にはいろいろな形がありますが...
「家庭内暴力」は、息子が親に暴力をふるうかたち
夫が妻に暴力をふるうのは「ドメスチックバイオレンス」
暴力には精神的な問題があって、専門的治療を要することが多いですね

一般的にいえば、暴力をふるう人は、”弱い人”なのです
偏見の構造と似通ったかたちをしており、言葉(理性)による表現(コントロール)ができないくて、感情がストレートに行動(暴力)になってしまう

特効薬がなくて、うん 時間をかけて成長していくのを見守ることが必要でしょうねぇ

こんの さんのコメント...

うう 正しくは「ドメスティック・バイオレンス」(DV)でした
(ごめんなさい)

あくあ さんのコメント...

難しいテーマで来ましたね。でも、ほんと、子供の頃、愛情を受けて育ってきたかどうかでほとんど決まって来ちゃってる気がしますね。いろんな背景で愛に飢えている人がそういう方向に走ってしまうのはかわいそうだと思うけれど、そう言うのは簡単だけど、周りの人も本人も、その後のことは大変なんでしょうねぇ・・・。

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、そういえば、暴力を振るうのは弱い人のように思えます。追い詰められた人のようにも。友達の場合は、彼がかわいい子供のころを知っているだけに、余計かわいそうです。

あくあさん、三つ子の魂百まで、ですよね。私たちだって、一番お付き合いのあった大学一年のころは、25年位前だけど、お互いあんまり変わらないと思うから、いったん人間って何歳くらいまでが、人格の形成期なんだろう。

こんの さんのコメント...

性格って、事態に対する反応のパターンです

たしかに「三つ子の魂百まで」なんでしょうが、人格形成期は若年時ほど旺盛?ですが、生涯にわたって形成(変りつつ)されるのでしょう
「角がとれ、円くなった」などと言われるように...

Atsuko さんのコメント...

性格は、事態に対するパターン、おっしゃること、よくわかります。

確かに幼少期の育てられ方とか、その後の自分での考え方、生き方とかが、性格を形成するんでしょうけれど、自分の子供たちを見ていると、あまりに二人の性格が違うので、生まれ持っている要素も多いのではと思っています。

こんの さんのコメント...

そうですねぇ 遺伝的なそれが色濃くでるようです。顔や声が似るように、性格も遺伝によって大きく左右されるようです

兄弟姉妹でも性格が大きく違うって、よくあることです
ですから、面白い(表現がへんですが)ですねぇ

でも、血の怖さみたいなのも時々思いますです

Atsuko さんのコメント...

でも一方では一卵性の双子でも、親にすれば同じように育ててるんだろうけど、性格は同じではないですよね。

そうすると、やっぱり魂なのか?という気もするんですけど。