2011年3月29日火曜日

身軽に旅をしよう

地震によって日本や日本人は変わるかという話ですが、個人的なことではやっぱり考え方というか、見方が変わりましたね。

たとえばうちの場合、地震以来いくつかトラブルが起こってます。まずお風呂場の水漏れで一階の天井とバスルームの壁にしみができ、まだ水漏れ自体も完全には収まってません。それから掃除機が壊れました。チャーリーが図書館の本を失くしました。

水道のこと、普段ならかなり心配したりストレスになったと思うんですが、今はストレスっぽくなってくると、「ちょっと待って。これを全体像に当てはめて考えてみよう・・。こんなの地震や津波に比べたらトラブルとすらいえないよな。」 って思います。ほんと、こんなことでいらいらしたり悩んだりするのあほらしいよなって。

先週の水曜も掃除をしてると10年近く使ってたダイソンがついに死んでしまいました。それでその場で車を走らせて隣町まで行って新しい掃除機を買って、そのまま家に帰って何も無かったように掃除の続きをしました。

チャーリーが本を失くしたときは、図書館に行こうと家を出るときに気づいたので、仕方なくその日はそのまま行って、学校においてきたなどと嘘を言って延長してもらいました(イギリスでは遅延すると罰金なので)。子供が物を失くしたり壊したりというのはちょこちょこあることで、そのたびに子供には思いっきり小言を言うところですが、今回は「まあいいか、3週間延期してもらったからそのうちでてくるよ。」という感じで、チャーリーはラッキーにもあまりしかられませんでした。

今までならいらいらしたり怒ったり心配したりする場面でも、一歩後ずさりして全体の構図を見渡して、「こんなことしょうもないことやん。私ってホンマつまらんことで悩んでたわ。」と思うようになりました。

たくさんの人が亡くなったこと、多くの人が愛する人を失くしたり、家や職場や所持品を一切なくしたこと。そんなことに比べれば、我々が普段愚痴を言ったり文句を言ったりしてることって、なんと些細なことが。命があって、家族が元気で、温かい家でおいしいご飯を毎日食べれる。つまらない、取るに足りないことを口実に、そういう幸せをぜんぜん感謝しないで暮らしていることか。

このことは地震のほとぼりが冷めても忘れないでいたいです。

ところで図書館で借りて読んでいたChicken Soup for Soulという本をやっと読み終わりました。心が温かくなったり、インスピレーションを受けるような話がたくさん載っています。いろいろここに書きたいなあと思う記事があったのですが、最後のほうにのっていた詩を転記して翻訳を載せておきます。

 85歳のおばあさんの詩です。

If I Had My Life to Live Over

I'd dare to make more mistakes next time
I'd relax. I would limber up.
I would be sillier than I have been this trip.
I would take fewer things seriously.
I would take more chances.
I would take more trips.
I would climb more mountains and swim more rivers. I would eat more ice cream and less beans.
I would perhaps have more actual troubles but I'd have fewere imaginary ones.
You see, I'm one of those people who live sensibly  and sanely hour after hour, day after day.
Oh, I've had my moments and if I had it to do over again, I'd have more of them. In fact, I'd try to have nothing else. Just moments.
One after another , instead of living so many years ahead of each day.

I've been one of those peoople who never go awaywhere without a thermometer, a hot water bottle , a raincoat and a parachuete.
If I had to do again, I would travel lighter next time.

If I had my life to live over, I would start barefoot earlier in the spring and stay that way later in the fall.
Iwould go to more dances.
I would ride more merry-go -roununds.
I would pick more daisies.
(Nadine Stair)

(訳)
人生をやり直せるなら

次はもっと失敗をしよう
リラックスして伸びやかにやろう
今回の旅よりももっと馬鹿なこともしよう
あんまり深刻になるのはやめよう
もっとリスクをとろう
もっと旅行に行こう
もっと山に登って、もっと川を泳ごう、もっとアイスクリームを食べて、豆はあまり食べないようにしよう
たぶん実際のトラブルは増えるだろうが、頭の中のトラブルは減るだろう
私はね、来る日も来る日も、来る時間来る時間、分別よく良識を持って生きてる人間
たまには調子のいいときもあった、もしもやり直せるならもっとこういう時間をもちたいものだ。というよりは、そういう瞬間だけを持とう。瞬間だけを
毎日毎日何年も先のことを考えて生きるのではなく、その瞬間瞬間を大切に

私はどこに行くにも体温計と湯たんぽと傘とパラシュートを持っていくような人間だ
もしもやり直せるなら、次はもっと身軽に旅をしよう

もしも人生をやり直せるなら、春早くにはだしになり、秋遅くまでそのままでいよう
もっと踊りに行こう
もっとメリーゴーランドに乗ろう
もっとヒナギクを詰もう



この詩、地震のことと関係ないようだけど、私個人的にはつながってるんです。この地震を機に、もっとリラックスして何事も深刻にならず、楽しいことを探して、もっと楽に生きていてるようになりたいです。怒ったり悩んだり心配したいしないで、夏の浜辺で水をけりながら水際を歩くように。草原を素足でスキップするように 。

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4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

あつこさん 今日のを読んで、ね 心の底から共感、そして敬意を覚えました

>普段愚痴を言ったり文句を行ったりしてることって、なんと些細なことが。命があって、家族が元気で、温かい家でおいしいご飯を毎日食べれる。つまらない、取るに足りないことを口実に、そういう幸せをぜんぜん感謝しないで暮らしていることか。

自分のブログにも書きましたが、人生観が変わりました
なにもかも剥ぎ取られたような自分を感じました

3.11は、3.11からなにかが大きく変わりました

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、敬意なんてとんでもない。でも共感を持っていただけて嬉しいです。

やっぱり昨日も書いたように、個人的な人生観が変わった人っていうのは多いんじゃないかなあ。それがいいことならば、地震のほとぼりが冷めればなくなるのではなく、忘れないようにしたいですよね。

こんの さんのコメント...

あつこさん 今日の前半をまた「天童の家」で使わせてください。お願いします

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、もちろんOKです。