2011年3月18日金曜日

ヨガのクラスでの募金



今日は私の誕生日です。そのことを朝すっかり忘れていて、起きてきたら机の上に子供達からのカードが置いてありました。その後近所の知り合いがカードを届けてくれたり、友達がわざわざヨガのクラスまで来てくれてお花とブレゼントとくれました。
左は庭の水仙、右は今日友達にもらいました。
ルイからのカード

まったく忘れていたのではなかったのですが、何しろ46歳というぱっとしない誕生日だし地震のこともあって 、昨日も今日もぜんぜん自分の誕生日なんて意識してませんでした。大人になってからは子供のときのようにバースデーを楽しみにするなんてことは無くなったけど、それにしても今回みたいにぜんぜんそのことを考えなかったのは初めて。まあこの年になるとあっという間にまた誕生日が来るからね。

午前中はヨガを教えに行きました。金曜のクラスはいつも人数が少ないのですが今日は多めで13人でした。

昨日スーパーで買物をしたときに日本向けの募金バケツがおいてありましたが、見てみるとそれほど集まってる気配はありませんでした。確かに日本はハイチなどに比べると豊かな国だし、無理もありません。でも私が直接お願いしたら募金してくれるかな。誕生日だと言えば、プレゼント代わりに協力してくれる人もいるかもしれない。そんな気になり、レッスンのあと生徒さんに募金をお願いしました。

死亡者数や避難した人の数、食料や水がなく植えかけている人たちもいる窮状などを話すつもりでしたが、話し始めるとなぜか胸がつまり涙声に・・・。ぜんぜんそんなつもりはなかったんですけどね。そうすると涙の威力ってすごいですね。生徒さんたちも目を赤くしています。寄って来てハグしてくれる人、中には私以上に涙をためてる人もいました。

入り口の近くにきれいな茶筒を置き募金をお願いしました。このクラスに来るだけでもう私にお金を払ってくれているので、さらにお金を出してくれというのはちょっと気が引けたのですが、みんなお金を入れてくれます。ジャラジャラと財布の小金を全部入れてくれた人、わざわざ駐車場の車にお金を取りに行ってくれた人。今日お財布を持ってこなかったので、郵送するから住所を教えてくれと言ってくれた人もいました。

そのあとその茶筒の中を見て言葉を失いました。

20ポンド札や5ポンド札が入ってます。今はポンドが弱くなっちゃいましたが、こちらの生活感覚で言うと5ポンド札は1000円札、20ポンド札は5000円札のような感じです。数えてみると 54ポンドもありました。1万円近くです。13人の生徒さんでそのうち二人が持ち合わせがないので来週持ってくるといってくれたので、11人でこれだけの額です。イギリス人ってチャリティー精神が旺盛で、なんやかんやでよく募金があるんだけど、これには本当に驚きました。

日本に何のかかわりもない人たちが、テレビで地震のニュースを見て、私と係わり合いがあるというだけでこんなにたくさんのお金をその場で気前よく募金してくれる。外国語ができるとか海外情勢に詳しいとか、そういうことが国際人の条件のように思われていますが、本当の国際人って私のヨガのクラスのおばさんたちのことじゃないでしょうか。世界の果ての人たちの窮状を見て、その重荷を少しでも一緒に担いであげようと思えるその気持ち。

家でそのお金を数えて、私は本当に胸が熱くなりました。そしてイギリスってやっぱりすごい国だなあと思いました。

日本でも義援金はたくさん集まってるようですね。ユニクロの社長が私財でドンと寄付したとか、ダルビッシュが5000万円出したとか。阪神でも金本、城島、藤川球児の各選手がそれぞれ個別に1000万円寄付したそうです。一般の人でも募金活動をしたり、寄付したりしてる人はたくさんいることでしょう。

でもこれは日本人の皆さんに胸に手を当てて正直に自分に聞いていただきたいです。

「もしも海のの向こうの自分にぜんぜん関係のない国で同じようなことが起こったら、あなたはこのイギリス人のおばさんたちのように気持よく気前よく寄付に協力できますか?涙までためて、何かできることをしようと思えますか?」

「政府単位では国際援助は大々的にしているけれど、個人単位で、自分の懐からお金を出して、災害にあった外国人を援助できますか?」

イエスと答えられる人たちもたくさんいることでしょう。実際これまでもやってきた人たちもたくさんいることでしょう。でも全体的に見ると、日本はまだまだ国内レベルでも国際レベルでもチャリティー後進国だと思います。

今回の地震や津波の被害から回復するにはそれこそ何年も何年もかかることでしょう。でも日本は先進国だしまだまだ底力があります。個人個人の悲劇はどうすることもできませんが、国全体としては必ず立ち直ることと信じています。

その時に日本人はお財布をひっくり返して募金してくれたイギリス人や、世界中でテレビを見て涙し、援助の手を差し伸べてくれた見も知らずの外国人のことを覚えていたいものです。

そして日本がまた強い国に戻ったときには、その同じ温かさを別の国の人々に恩返しして行きましょう。

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5 件のコメント:

こんの さんのコメント...

誕生日 おめでとうございます

    また後ほど、アクセスします

あくあ さんのコメント...

お誕生日おめでとう。まあこの騒ぎだと自分の誕生日も忘れるよね。チャリティー、私はもう長い間外資にいるので、すごく当たり前になっていて、周りの人たちも世界のどこででも大きな災害があれば必ず募金しています。でもピュアな日本人でそんな習慣のある人は少ないかもしれませんね。それでも身近に関係者がいて涙を流されたら習慣のない日本人でも出すと思いますよ。

こんの さんのコメント...

お誕生日のカード (いいなぁ)です

募金の話 もう感動!です
こういう話は、日本の多くの人々にも知ってもらいたい!です

あつこさん 募金の分部だけでいいですから「天童の家」で使わせてください
お願いします

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、ありがとうございます。もちろん使っていただけると光栄です。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、そうそう。周りのイギリス人はそういうことをそれほどは考えないから、誕生日おめでとうといわれると、ありがとうとはいうもののおめでたい気はしませんね。

今日は一日中外出していましたが、ラジオでは日本の話題はぜんぜん聞きませんでした。こうしてだんだん忘れられていくんだろうなあ。