先日ハバナにホリデーにいった人と話しました。ハバナは共産主義のキューバの首都。それで昔のソ連のようにツーリストはツーリスト用のホテルに泊まり、ツーリスト用のお金でツーリスト用の店で買物をするそうです。店にはぜんぜん物が無かったとか。
ソ連が崩壊しかけてる頃にリトアニアにいったことのある私は、たぶんあんな感じなんだろうな。楽しくなさそうだなあと思ってました。そしたらぜんぜんそんなことはない、物はないのに人々はとっても幸せそうだったとのことでした。
そうしたらたまたま昨日テレビでカリブ海諸国についての番組をやっていて、ハバナのことも詳しく紹介していました。ハバナといったら何が浮かびますか? 私は葉巻と、よく映画などの舞台になってるというくらいしか知りませんでした。
でも映された街並はとっても素敵でした。古くエレガントな西洋様式の建物がたくさん。アメリカがここ50年ほど貿易禁止してるので、新しい物がぜんぜん入ってこず、古いレトロの車がたくさん走ってます。それから建物を修理する建材も手に入らないのか、このような豪華ででエレガントな建物が手を入れられず朽ちかけていって、それがまたとっても素敵な情感をかもし出しています。まるでパリの裏道の古い通りやイタリア南部の田舎の町という感じです。
テレビで数人の人がインタビューされてたんですが、一人の人は2つ寝室のあるなかなか素敵なハバナのアパートを所有してるんですが、これを政府から米ドルで200ドル相当で買ったそうです。買ったものなので自分のものなのですが、売りに出すことはできず、必要が無くなれば政府が買い取ってくれるそうです。
その人が買物に行きます。アメリカの貿易禁止のせいでずっと供給制が続いているのですが、 手に入らないだとか不足だとかの問題はないみたいです。1か月分の米とかあれこれ買って2ドルでした。
そのあと国営の工場に行きます。もちろん葉巻工場 。大きな裁判所のような古くて天井の高い木製の美しい部屋で、まるで工場というよりは小学校のように机が並んで、みんな楽しそうに葉巻を作ってます。よくおしゃべりしてる割にはちゃんと働いてるとレポーターが言っていました。
始業しばらくすると、学校で言うと教卓の場所にある男性が立ち、新聞を読み上げ始めます。今日のヘッドラインではなく、記事を全部読んでるみたいです。労働者達はそれを聞きながら葉巻を巻いてます。この葉巻、一旦輸出されると1本30ドルもするそうですが、働いてる人は自由に吸っても良いそうで、ふとーい葉巻をぱふぱふ吸いながら働いてる人もいます。
午後にはまた誰かが前に立ち今度は長々と本を読み始めます。これも別にぜんぜん仕事には関係ない小説など。先月はダビンチコードを読み終わったところだとか。要するに工場でラジオをかけるようなもので、手仕事をするワーカーの娯楽のためです。なんか不思議ですよね。こんなの日本でもイギリスでも考えられない。
そのあとデパートに行きます。物はあまりありません。特に電気製品。この辺はやっぱり ソ連的ですね。消費文化は政府が奨励していないとのことで、食べ物や住宅は安いのに、テレビはすごく高いみたいです。そしてなぜかキューバではトースターは禁止されてるそうです。
そして最後にレポーターが取材に協力してくれた人たちと食事をします。そのときに誰もが、「僕らは自分達の生活にとっても満足している。よその国があれこれ口出ししないで欲しい。」といってました。(中国のように言わせれてる、洗脳されてるのではなく、本当に満足そうです。)上記のアメリカとの絶交で、キューバは鎖国状態とは言わないけれど、独立独歩を半世紀も余儀なくされている国です。その独立国の誇りを持ってるようでした。
私の知人が言っていた「みんな幸せそう」っていうのは本当みたいです。そのレポーターも、ハバナは僕が想像していたよりも状態がよく、国がうまく廻っていて人々が幸せそうだと最後に締めくくってました。
でも私の周りの誰もが、この今のハバナの状態は長くは続かないろうといってます。そのうち否が応でもアメリカの影響が流れ込み、消費文化に飲み込まれ、 この哀愁漂う優雅な町並みにも、人々の気質も、他の西洋の国と同じようななるだろうなってことらしいです。
ああ、そうなる前に行きたいなあ、ハバナ。
6 件のコメント:
比較の対象を知らなければ幸せでいられるいい事例なのかもしれませんよね。同じ先進国の中でも、比較の対象の情報さえ入ってこなければ十分衣食住は足りていて幸せでいいはずなのに、比較しちゃうから不幸感が生まれちゃうんですもんね。比較は永遠に続くからいくらモノが溢れてもそれだけでは永遠に幸せにはなれないんだろうけど。
どんな政治やってるんでしょうね?医学とか老後の保障とか。興味ありますね。
医療、すごいちゃんとしてるって言ってたような気がする。教育とか老後の保障もちゃんとしてるんだろうね。でもマスコミとか新聞の政府のコントロールはやっぱり共産主義でしたよ。
まあテレビとインターネットとIphoneがあれば幸せかといえばそうではないからね。お金で幸せは買えないまでも、かなりそれに近い暮らしができると思うんだけど、それも資本主義社会でのこと。お金の意味が違うんだろうなあ。
これを見るまではキューバって悪いイメージでした。アメリカ文化の洗脳か?それにしても幸せってなんだろう?
200ドルのアパートだったら買って見たい。リトアニアには行ったことないですけど、隣の国のラトビアは結構今は、栄えています。観光客もいっぱいいますし。デパートもあります。今度是非行ってください。そのまた隣のエストニアはすごいキレイです。住んで見たい。
柴犬くん、やっぱりキューバ国民しか買えないんじゃないでしょうか。でもキューバに亡命すると喜んでただでくれるかも。
リトアニアに行ったのは20年近くも前。物価だけは安かったけど、レストランに行ってもメニュにあるのもが全然無くて、「じゃあ何でもあるもの持ってきて」という感じでした。劇場でバレエを50円くらいで見に行った記憶があります。今じゃお隣の国同様にきれいになってることでしょう。
いや~いい話題ですね。
「足ることを知る」典型例をみているようです。
物があふれていることと、幸せかどうかって、また別次元の話なんですよね。
それは、若年の内は気が付かなくて(逆に、進取の気鋭に満ちていて、好奇心がたくさんある若年層は、これでは満足できないと思いますが)、年齢を重ねるほど、気が付いてくるわけです。
山歩きも、たいした食糧がなくても、ろくでもない宿泊道具しかなくとも、雄大な景色と清涼な空気があれば満足なわけで。
なにかに満足できたり興味のわくことがあればそれで幸せなのです。
また、山歩きの話になってしまった。(笑)
山歩きさん、確かにデパートの棚はがらがらなんですよ。食料も配給制。車も古いレトロ。
人々が幸せそうなのは、それでもまあ一応貧困とかの大きな問題もなく国が廻ってるからなんでしょう。そしてカリブ海の太陽がさんさん、葉巻は吸い放題・・・(冗談)
食料が配給制で、住宅も生活も政府に保証されていて、しかも商品がないっていうのは、お金の意味が資本主義の国とはぜんぜん違うんでしょうね。
ハバナには山はなさそうですが、街歩きは楽しそう。
コメントを投稿