2009年8月27日木曜日

蟹つり




日本であんなにあちこち行って遊んだのに、子供たちはまだ出かけたがります。まあまだ夏休みなんだから、仕方ありません。それで今日は車で10分のアップルドーという漁村の町に行って、かに釣りをしました。この辺では結構人気のあるアクティビティーで、波止場の前のお土産屋や雑貨屋で蟹釣りセットを買えます。私たちのは去年買ったのですが、先の錘と針のついた蟹捕り用の釣り糸とバケツと網とえさの鯖のセットでたった5ポンド(千円くらい)でした。これをもっていきます。えさは今日はベーコンです。
この写真のように、波止場に座って足をぶらぶらさせながら、潮風に吹かれながらつります。


1時間半くらいで6匹捕れました。これは「さっぱりつれない」というほどではないけど、あまりよくもありません。去年は1時間くらいで20匹くらい捕れたこともありました。






捕れた蟹をどうするか。これはみな当然のように放します。私たちも去年まではそうしてました。



それが7月のはじめに、ノルエーに住んでいる大学時代の友達が遊びに来たときのことです。そのときも一緒にここアップルドーに行くと、蟹釣りをしている人たちがいました。バケツを見ると結構捕れています。それを見て、私たちも去年の夏は何度も蟹釣りしたこと、そしてその後蟹は海に返すことを話しました。


すると彼女が、「ノルエーでは食べるよ。」というのです。ノルエーではそんなもったいないことはしないで、スープにして食べるんですって。それで簡単に作り方も説明してくれました。ふうん。でもどんな蟹でも食べれるのかしらという疑問を口にすると、「食べれる。」と彼女は断言します。



今日つれた6匹のうち、4匹は沢蟹くらいの大きさで、後の2匹は子供の手のひらくらいの大きさ。料理するほどの量ではありません。それで私は放したかったのですが、子供たちが食べたがります。(食べてみたがる、というのが正確)。それで家に持って帰って、とりあえず熱湯に入れて殺した後、たわしでごしごし洗って、また新しい熱湯に入れてぐつぐつ煮はじめました。






でもここからどうしたものか。友達に教えてもらって覚えているのは、スープにすること、茹でている間に甲羅をがんがんつぶすこと、そして最後はざるで濾すこと。この蟹だしをどうして食べるかは、よくわかりません。


それで蟹を茹でながらその友達のメールしました。仕事中だろなあ、メール受け取ってくれるかなあと思いながら、「今、茹でてる最中。できたら早急に返事ください。」と、ちょっと強引に。



するとすぐにお返事が来ました。どうもはじめを誤ったらしい。生きているうちにブランディーをかけて火あぶりにし、それを野菜と炒めてから、スープを取るらしい。そしてそこに生クリームを入れるそうです。そういえば先に炒めると聞いていたような。でももう茹でてしまっているからどうしようもありません。野菜を別に炒めて、そこにスープを入れればいいか、生クリームもカロリー抑えるために牛乳でいいかと思っていたのですが、台所から漂ってくる匂いは、蟹鍋のにおいです。



結局蟹鍋との連想が断ち切れず、できた出汁で、白菜と卵を入れておじやを作りました。もっと蟹の味がするかなあと思っていましたが、ほんのりとするだけで、蟹初心者のわれわれにとっては、かえって抵抗が無くてよかったかも。日本から持ってきた海苔をかけて、おいしくいただきました。



それにしても、メールって便利ですよねー。茹でてる最中にノルエーの友達に、作り方どうだったっけ、と聞けるんですから。まあ昔だって電話できたけど、多分電話では聞かなかっただろうから。
次からはちゃんと生クリームを用意して、ブランデーかどうかはともかく、強いお酒も用意して、レシピーどおり作ってみます。でも6匹じゃたりないだろうなあ。






ところで彼女は、ちょうど昨日蟹のレシピーを見て、厚子に教えてあげようと思っていたところでしたとのこと。虫の知らせというか、引き寄せの法則というか。そういうことって、本当によくあって、もうこの年になると、偶然とも思わなくなりませんか?












8 件のコメント:

こんの さんのコメント...

「子どもの掌大」であれば、カニ汁もいいですねぇ
沢蟹くらいのそれであれば、まるごと天ぷらでもいいかなぁ
カニ汁は、溶いた味噌汁鍋にカニを入れて煮るだけ... カニ自体の身が食べられ、美味しいですよぉ

それにしても、良いところに住んでおられる
野の幸・海の幸がいっぱいですから...
お子さんたちも幸せですねぇ

Atsuko さんのコメント...

海は良いですねえ。でもイギリス人は料理が苦手ですから、蟹なんて食べる人いないようです。

この辺はえびも取れるんですよ。でも取れる場所はなかなか教えてもらえません。

今度からは子供たちだけでなく、私も本腰を入れて蟹を捕るぞ!

ぎ さんのコメント...

5週間を経た庭、鳥の写真、蟹、文学、、興味深く読みました。

人生の年月を重ねて「こんなかんじ」に厚みを増したあつこの人柄がブログの文章で伝わってきて楽しいです。

しかし、子ども達にいろんな経験をさせてあげてますね、すばらしい!

Atsuko さんのコメント...

「厚みを増した厚子の人柄」、そうかなあ。確かに年をとった分だけ、変わってきているのかもしれませんね。何せあのころは20歳前後だったし、そりゃいろんな意味で若かったよ。

ぎちゃんの、それからのこと、同窓会ではさっとおさらいしただけですが、またあらためていろいろ聞きたいです。

 大阪にはめったに来ない?

あくあ さんのコメント...

ひえー、私は自分でとった蟹とか食べられないかも?すっかり都会病ですね・・・。無人島に流れ着いたら一番に死にそう・・・。

Atsuko さんのコメント...

どうして?自分でとったから、かわいそうだから?
でも実家、海の近くではなかった?潮干狩りとかしなかったの?
私は庭を荒らしにやってくる雉まで、何とか食べれないかと、思いをめぐらせています。さすがに自分で太らせた豚は食べれないと思うけど。
If you are prepared to eat meat, you must be prepared to kill!

ふ さんのコメント...

取れたてのカニと茹でたカニはそんなに色が違うんですね・・・なんて、私は魚釣りとかほとんどしたことがない人間なので、その辺りは全く無知で(笑)。

そういえば去年の夏、北海道に行った時、食事にやたらとカニが出てきて、うちの子供は気持ち悪がり、せっかくなのに山ほど残してたんです。

そして、今年の夏は沖縄の広い公園の中にあった釣り堀で、フナのような魚を釣るコーナーがあり、食パンをちぎって餌にするというお子様向けの釣りだったんですけど、あそこではもうビックリするほど釣れて。もちろん、その後は全部池に戻しましたが・・・(笑)。

話が脱線しましたけど、私は魚をさばくのも出来ないし、きっとカニも駄目ですね。実際、カニの身は食べたいんですけど、その前の作業が面倒で・・・。

だから、貴女のブログで読む田園生活がどんなに素敵でも、もし自分がそこに居たら、きっと役立たずの何にも出来ない存在なんだろうな~って、思ってしまいます(笑)。

本当にたくましくなりましたね!!

Atsuko さんのコメント...

 そっちの国ではかには食べないんですか?イギリスでは、レストランとかでは食べられなくも無い、という感じです。もちろん高い。

 北海道のかにを残したのか。それはもったいない!

 実は私、魚は釣ったことないんです。生きた魚を殺してさばく自信は無いけど、食いしん坊なので、その場になるとおいしいもの食べたさで、できるんじゃないかな。蟹も、抵抗が無かったわけではありません。


 望んで田舎暮らしになったわけでもなく、ただそれも良いかなあと、よく考えず住み付きました。われながら適応力あるんだなあと、時々感心します。