2009年2月24日火曜日

ミセス・ビア

今日は今オーストラリアに旅行中の友達の替わりに、94歳の女性ミセス・ビアのアロマセラピーのマッサージに行きました。彼女は老人ホームに住んでいます。昨日電話をして今日行くことを再確認したのに、私が行ったときはもう忘れていたようです。でも自己紹介すると思い出したようで、「そういえば昨夜寝るときは覚えていたのに、今朝はもう忘れていた。」といっていました。

仕事自体はある意味では楽。だってマッサージするのは足だけで、それも椅子に座ったままそーっとするだけです。だから家からあらかじめラベンダー、ローズマリー、ジンジャーをミックスしたオイルとタオルを持っていくだけ。重いマッサージ台も、50本以上のオイル一式も持っていかなくてよかった。

でも足をマッサージするだけとはいえ、靴を脱がせてパンストを脱がせるところからするので、大変といえば大変。それに知らない老人の相手は結構大変だし。

でも彼女は顔にもあまりしわもなく、髪の毛もちゃんときれいにしていて、歯も自前のがまだ生えそろっていて、とても94歳になんて見えません。70代半ばくらいに見えるかな。ただ足がパンパンにはれて紫の斑点なども出来ていて、そこがさすがに年をあらわしていました。

最後にお金をもらうのですが、お財布にキャッシュがあまりなく、25ポンドなのに、小銭を全部出して〔全部で7ポンドちょっとあった〕「ハイ、これで足りる?」といわれたので、ちょっと困った。ちょうど小切手帳が手元にあったので、小切手を書いてもらいましたが、それも自分がサインして、あとは全部私が勝手に書いた。その上途中で額を変えたので、〔7ポンド現金でもらって、残りを小切手でもらうつもりだったら、全額小切手を切ってと言われた。〕訂正のサインなどをまたしてもらったり。本当にこの小切手支払われるかな。そもそも口座にお金は入っているのだろうか。

彼女はイングランド北部のヨークの出身なのだけど、若いころ旅行にビデフォードにきて、そこで旦那さんと知り合ったらしい。彼女がヨークに戻った後、来なくていいというのに彼はヨークにやってきて、その後5年間も通い続け〔頻度は不明〕、結婚したということです。今でもヨークといえばここからはかなり遠いけど、そのころは本当に道も電車も今ほどよくなく、時間もお金もかかったことでしょう。勿論そんな遠いところにお嫁に行くのも、大反対されたことと思います。息子が一人、養子に女の子を二人もらい、旦那さんとは1942年に結婚して以来ほとんどけんかすることもなく幸せに暮らしたとのこと。それが10年前のある日、旦那さんが急になぜが彼女を呼び、ひしと腕に抱き寄せ、「君のおかげで僕の人生は幸せだ。ありがとう。」と、普段はめったに愛情表現をしない人が言ったそうです。そしてその3日後に、急にぽっくりと彼は亡くなったそうです。

まあ、彼女の記憶はちょっと怪しいところもあるし、詳細や時期は違うかもしれませんが、なんともいい話だと思いませんか。あの25ポンドの小切手、支払われなかったら嫌だけど、まあいい話しも聞けたし、こんな高齢の人と直接話をする機会もあまりないし、まあいいか。

旅行中の友達はあと2週間ほど留守なので、来週また行く予定です。帰り際に、「また、来週来てくれるわよね。」と言われて、ちょっとじんとしました。

0 件のコメント: