昨日チャーリーをストリートダンスのクラスに隣町の中学校の体育館に連れて行ったら、壁に私の友達、ヘンリーの写真が貼ってありました。彼はコンテンポラリーダンスのダンサーで、今はショバーン・デービスというその世界では著名な振付師の元で踊っています。その写真でした。数年前はイギリスでとても権威のあるコンテンポラリー・ダンスの賞を取ったこともあります。
ヘンリーと知り合ったのは、10数年前にヨガの合宿でスコットランドに行ったときです。それまでは同じところで習っていたのに、お互い知りませんでした。そこで他の人たちともあわせて仲良くなり、私がダンスが好きで趣味が合うこととか、私のバレエの先生が彼の友達だったとか、家が割合近かったこととかで、とっても仲良くなりました。
彼はゲイです。そのころはなぜか回りにゲイの男友達が多く、彼以外のゲイの友達ともよく遊んでいました。ゲイの友達のいいところは、たいていゲイの男は芸術やアートに造詣が深く、話が合う。そして遊びに行っても、あまりお酒も飲まないし、話が弾んで楽しい。そしてゲイのナイトクラブ(ディスコ)にいける。ゲイクラブといっても、別に女が行っても変な顔もされません。それどころかゲイの人たちは皆とてもフレンドリー。そして女を誘おうという男がいないから、声をかけられることもなく、思いっきり踊れる。
私がデボンに引っ越してくる前の1年くらいは本当にヘンリーと私は仲がよく、いつも一緒にヨガに行って、そのあと一緒にご飯を食べに行ったり、お互いの家に遊びに行ったりしていました。よく映画だとかコンサートとかも行った。ヘンリーの友達や私の友達とも一緒に遊び、友達の輪も広がりました。ヨガのクラスでヘンリーがゲイだと知らない人たちは、私たちが付き合ってると思っていたらしく、それを知って二人で笑ってしまいました。だって、職業も職業だし、どこから見てもゲイだと思っていたから。
彼はニューヨークのブロンクスの出身です。ちょっと想像もできないような、ひどい子供時代を過ごしたのですが、学校を卒業した後、ダンサーの道を志し、マーサー・グラハムという有名なダンサーの学校に入ったそうです。それで今に至っています。
コンテンポラリー・ダンスというのはバレエをもっと芸術的に前衛的に知的にしたようなもので、もともとはバレエをやっていた人たちが多い。何年もバレエのトレーニングを受けたのち、コンテンポラリーに転校する人が大半。それなので、彼のような経歴の人はとっても珍しい。やはりそれだけ才能があるのでしょうね。
ロンドンにいたときも、元ロイヤルバレエの有名な振付師とリハーサルを毎日していたころ、すごいねえということを言うと、いつも、「そんなとんでもない。いつもお金で苦労している。」といっていました。
先日用事がありロンドンに行くことがあり、彼の家に泊めてもらいました。その時に仕事の話になり、「あなたはこの世界では頂点に立っているわけだけど。」という話になると、それはそうだけど、でもやっぱり金銭的には全然安定していないとのこと。一つのプロジェクトが終わるたびに、次のがいつくるかと、不安になる。毎日メディテーショントアファメーションをして、すばらしい仕事がやってくるようにイメージトレーニングしているとのことでした。
あんな生活にあこがれるけど、芸術家の生活は今も安定しないもののようです。それでもたった一度の人生、好きなことをして生計を立てられるというのは、すごいことだと思います。
最近彼の家に行ったときの写真です。完全菜食主義の彼が、晩御飯を作ってくれました。おいしかった。テーブルもないので、床での晩餐となりました。
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