2009年2月20日金曜日

読書記

今日読み終わったのはJohn Assaraf 著の Having It Allという本です。一部の人は知っているかもしれませんが、イギリスでもアメリカでも〔多分オーストラリアでも)The SecretというDVDが結構話題になりました。「引き寄せの法則」についてのDVDで、かなりニューエイジなのですが、メジャーなセクションでベストセラーになったりして、ニューエイジ物が一般にも受け入れられるということで、注目を受けました。このthe secretには色々な著者や講師が紹介されるのですが、このJohn Assarafもその一人です。

10点満点で言えば6くらいかな。よくかけているし読みやすくて面白い。でもこれはすごい、これはオリジナルなアイデアだ、というところがない。要するに、鉛筆を取って下線を引きたくなるところがない。でも色々と役に立ちそうなエクササイズが載っているので、やってみようと思います。

ちなみにこの本はたまたま近くのディスカウントの本屋さんで売っていました。1ポンド99ペンスで。それで、この著者の名前はsecret で知っているので、買いました。そんなニューエイジの本が普通の本屋で買えるのに、ちょっと驚いた。しかもデボンの。

青木新門という著者の納棺夫日記という本を読みました。日本で「おくりびと」という映画が話題になって、そのベースになった本らしい。その中で、葬儀屋という仕事がどんなに下に見られているかだとか、親戚や家族から辞めてくれと懇願された話とかを読んで、イギリスに長い私は、驚きました。だってうちの隣の人は葬儀屋さんです。今は他に移動したけど、しばらく何ヶ月も、うちのお風呂場の窓の真向かいのガレージに霊柩車が停めてありました。でもいつもぴかぴかに磨いてあるし、全然気になりませんでした。

葬儀屋というのは儲かるらしく、彼らはこの田舎ではちょっとした名士です。他にも色々ビジネスを広げているようです。日本にあるような悪いレーベルはありません。だから、葬儀屋になったことがわかるや、奥さんが汚らわしいとセックスを拒否するようになったとか、ちょっと私には理解できなかった。

でも第3部は具体的な葬儀のことよりも、仏教や死の話になった。子供の頃からクリスチャンで、イギリスに来てからイギリス人の仏教に対する憧れ〔大体、禅宗について〕などを通して仏教を知ることになった私には、いい入門書でした。親鸞の教えはあのthe course in miracles に似ていると思いました。

それから大好きな詩人の伊藤比呂美さんの新刊〔だと思う〕の「女の絶望」というすごい題の本を読みました。これは彼女が地方紙で行っていた悩み相談を基にして書いたもの。

伊藤比呂美って、他人と思えない、というか、大学生のころから好きだった。年も5歳くらい上なだけなので、なんだか私の人生の少し先をいつもいっている人のような気がするのです。彼女の今3人目の旦那さん〔アメリカ人〕と一緒にアメリカに住んでいます。まあ、とにかく彼女の書くことは身につまされる。

この中では、赤ちゃんが生まれて、毎日退屈で淋しくて気が狂いそうという悩みがよく来るという話で、そのうちの一人の家に電話をしてしまった話が、とても胸を打たれました。

その時は誰も言わないので、心にしまっています。そんなことをいってはいけないと思って。でも今になって、赤ちゃんと一日中いるのは退屈で苦しくて淋しくてノイローゼになりそうと思っている女の人がたくさんいると知って、「そんなの私が苦しんでいるときは誰も言わなかったじゃないの」と、ちょっとだまされたような気になりました。そんなこと思ってるのは私だけで、そんな私は悪いお母さんと思って、誰にも言わないでいたのに。

それから女性というものはいくつになっても恋愛至上主義なんですよ。それからセックスというものは女性の快感のためのみにするものですよ、という世の男性へのアドバイスには、脱帽。でも私は確かに恋愛至上主義だけど、そうでない女性もいるのではないかなあと、周りを見回すと思うけど。だって伊藤比呂美さんは、やっぱり私に似ているから。

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