昨日の夜BBC2のニューズナイトと言う権威あるニュース番組を見ていたら、昔一緒に働いていた同僚が出てました。勤めていたのはロンドンのシティーにあった第一勧銀の証券子会社でした。私はそこで債権セールスをしていたのですが、その時のエコノミストです。もちろんその会社はもうなくなったのですが、彼は今はイギリスの銀行にいるようです。
番組はこの地震の経済インパクトについてでした。やっぱり元日本の銀行に働いていただけあって、なかなか的確な分析でした。「日本人の気質として、こういうときは日本の投資家や投機家は資本市場においても私利を追求するだけでなく、自分達、日本経済を守ろうと行動する。」といってました。
今回の地震津波に対する日本人の対応、こちらでは感心、感嘆されているようです。こんな大災害にあってもパニックしていない。長い長い列を皆辛抱強く並ぶ。喧嘩や言い合いが発生しない。店の略奪がない。それから地震で倒れたビルも少ないし、津波警報もちゃんと出てるし、災害時に対する訓練ができている。そんなところです。
政府の対応に関しても批判する声は聞いていません。こんな規模の災害に合えば、どんな政府でも万全に対応するのは難しいから、まあよくやってるんじゃないかという見方のようです。月曜に資本市場に資金を注入したことは評価されています。
略奪に関しては、確かに他の国ではよくありますからね。実は日本でも数件あったらしくヤフーで読みましたが、被害は合計40万円だとか。こんなの数に入りませんよ、はっきり言って。ハイチだとか発展途上国だからそういうことがあるのかと思うかもしれませんが、イギリスでも昔、反人頭税のデモがあったとき、ロンドンの店がたくさん被害にあいました。アメリカでもニューオリンズのハリケーンのとき略奪が問題になってた様な気がします。
まあ列に関してはイギリス人も辛抱強く並ぶほうだけど、喧嘩や言い合いにはなりそうですね。イギリスは文句言ったもの勝ちの面がかなりありますから。
私がちらちら読む日本のネットの記事も、さすが日本だなあというものが目に付きます。たとえば電力不足が危惧されて節電を呼びかけたら、みんな本当にすごく節電して、時間差停電する必要が なくなったとか。臨月の妊婦さんも、自分が入院したら東北から回されてきた患者さんのベッド数が減ることになるから極力入院日数を減らすとか。みんな献血に並んだり。
それからユニクロの社長さんは個人の お金を10億円寄付だそうです。すっごい太っ腹。もちろん普通の人からの義援金もたくさん集まってることでしょう。
普通のイギリス人も今回の件はすごくショッキングのようです。私のところもあちこちの知人友人からメールや電話が来たし、皆「日本人の国民のことを祈ってる」といってくれます。イギリスでも早速義援金を集めるチャリティーが発足してます。たぶんあさって買物に行ったら、レジで募金がされてることでしょう。まあ私も含めたイギリス人ができることってそれくらいしかないけど、こんな遠くからもみんな心配し、応援してるんですよ。
ところで原発事故の件です。昨日私はそんなに悲観していないと言うようなことを書いたら、またこちらの夜の間に新たに爆発がありました。放射線レベルもやばいレベルまで検出されてるようだし、一体どうなるんだと朝からショックを受けていたら、今大阪の大学で教えてらっしゃる大学時代の大先輩からメールが来ました。
無断でコピペするのはよくないんだけど、こういうときなのでちょっとだけお許し願って、引用します。
『通常のレントゲンの被曝量は、胸部X線が0.4mSV(400μSV)、腹部X線が0.6mSV(600μSV)です。これは白血病に影響する骨髄の被曝量で、皮膚はこの10倍の量を被曝します。
バリウムを飲むと3.3mSV、CTが10mSVです。
太陽と宇宙からの放射で浴びる通常の年間被曝量は、日本で2.4mSv、日差しのつよい赤道付近はさらに多く、高い山の上も多いです。飛行機で東京とニューヨークを一回往復する分の上空滞在で、2mSV被曝します。一年中飛んでいる航空機の乗務員はかなりやばい。
ここからが考察です。東京さいたまを1μSv/hとして、通常が年間2.4mSV(2400μSv)です。ここで重要なのは、/h の部分です。これは一時間あたりの量だから、一日ではこの24倍の24μSvになります。三か月90日で2160μSv(2.16mSV)です。三か月で 通常の年間被曝量と同じくらい、レントゲン3回分、東京ニューヨークを一回往復分です。今の数値なら、東京は大丈夫です。続いても10日以内に収まるはず だから。』
ちなみにこの人は昔は原発反対の運動にもちょっとかかわってらっしゃいました。今でも基本的には原発反対派でいらっしゃいます。ですので、特に楽観的に発言する理由も無いし、信用していただいて良いと思います。
朝から原発爆破のニュースで不安を募らせてたんだけど、このメールを見てだいぶ気持ちが落ち着きました。
もう悪いニュースはこりごりです。もう余震がなくなって、この原発事故のほうも解決の見通しがついて欲しいものです。
こんなときになんですが、体重は51キロでした。地震以来そこはかとないストレスになってるのか、ビスケットなどの普段食べない甘いものを食べまくっていて、こりゃあまずいなあと思っていたんですが、変化なし。近日中に49キロになりたいです。
それからここ数日気づいたんですが、私のブログ、地震以来アクセス数が増えてるんですよ。こんな非常事態に、私のブログなんて誰も読まないだろうなあと思いながら書いてるんだけど、どうしてだろう?外出する人が減って、ネットに向かう人が増えたのかな。でもせっかくなんですが、明日は水曜で定休日です。また木曜の夜更新分から読んでくださいね。
ではよろしければこちらのボタンのクリック、お願いします
2 件のコメント:
昨日も今日もたしかに読みました。とても参考に(ために)なります
こういうときだからこそ、岡目八目の目が欲しいからです
同じような人がたくさんいるのでしょう
日本を離れている人の目が、意外に正確に現状を把握されているような気がするからです
自分の顔は、直接は見られません。鏡に写してはじめて見えます
あつこさんのブログが鏡になっているのです
こんのさん、そうですか。イギリスメディアの報道、日本でも参考になるなら、もっとがんばります。少しでも皆様のお役に立てるなら・・・
私は日本のテレビは見れませんが、日本のヤフーなどのネットで見ていますが、今ひとつよく分からないことが多く、むしろBBCの24時間ニュースが一番分かりやすいです。
確かに日本の外での情報のほうが冷静で正確かもしれませんね。
コメントを投稿