政治の話をちょっと書きます。
イギリスの政党は、伝統的には保守党と労働党の2大政党で、しょっちゅう政権が変わってます。
保守党は言葉の通り、保守的な政党。そして労働党は、もともとは労働組合が元締めだった、労働者の政党。なので階級的に言えば、保守党は中産階級、労働党は労働者階級って言うことになります。
が、イギリスの政治は面白くて、そう一筋縄でいかないんですよ。
まず地域的なことがあります。伝統的には、昨日も書いたとおり労働階級の大半は炭坑夫だったので、炭坑の多くあった地域、イギリス北部は今でも労働党の支持者が多いです。そして南部では保守党支持者が多いと言われています。
ところが、ロンドンは圧倒的に労働党支持者が多いです。これはロンドンには若者や外国人やその子孫が多いからでしょう。(下に書くように、労働党の政策が一般的にリベラルで左よりだからです。)
そしてイギリスには、左派知的階級と言うのもがあります。反サッチャー勢力の中心もこういった人達でした。左よりの政治感を持つ中産階級層で、イギリスでは先生や医療関係者など、社会問題を扱う職業の人達がこういうグループです。
労働党は、昔は労働組合との関わりが強い、それこそ労働者の政党でしたが、80年代以降は組合とのつながりも弱くなり、こういった左派知的階級に強く支持される政党となりました。だから先生や大学教授や講師、ジャーナリスト、新聞記者、医者、医療関係者は労働党支持の人が多いです。
そういうわけで、名前だけだと簡単に階級を代表しそうなイギリスの政党なのに、実際はぜんぜん名前どおりではないというわけです。
ちなみにここ数年大きく勢力を伸ばしている、英国独立政党(UK Independence Party)という右翼的政党があります。前回の総選挙のときの調査によると、このUKIPの支持層は、白人労働者階級が多いらしいです。
イギリスの政治は面白いですよ。あまりにも面白いから、私などは最近はなるべく関わらないようにしてるくらいです。
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2 件のコメント:
イギリスの政治はよく知らないけど、読んでるとなんか名前の通りのような気もするけど?
先生とかジャーナリストとか、資産家ではない知的階級の人達がリベラルに応援するのが労働党っていうのは、マルクスの頃と似ているような?資産家ではないホワイトカラーの所得が上がって中産階級になったけど、心はリベラルってことじゃないの?
確かにその通り、マルクスの頃とにてるよね。大学に行くと中産階級ということになるんだけど、大学生はやっぱり世界中どこでもリベラルで左派の傾向が強いから、中産階級に左よりの人は案外多い。
上流階級でも同じで、貴族だったのにその称号をすてて労働党の党首(だったか大臣だったか)になった有名な政治家が昔いたわ。
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