北デボンの短大の夜間部門で週に3コマ教えているのですが、昨日はその研修に呼ばれて行って来ました。PREVENT(防止)という題の研修です。
これは、新しい法律ができて、テロリスト防止のために、イギリスの公的機関は、トップから用務員まですべての被雇用者が受けなければいけない研修だそうです。
この連絡が来たときは、また一般人の恐怖心をあおるようなイスラム叩きの保守党政府の政策かと、ちょっと懐疑的でしたが、行ってみるとなかなか面白い内容でした。
対象になっているテロリストグループというのは、イスラム教に限らないとのことでした。動物保護だとか、反中絶団体、そしてレイシストや極右翼団体など、過激派ならすべてが対象です。一緒に参加していた人が元高校の先生だったらしいのですが、「若者というのは、対象が何にしろ、過激派に賛同しやすいものだから。」と言っていたので、なるほどと思いました。
イギリスでは最近、若者がイスラム系のテロリストグループに感化され、シリアに行ってこういった団体に参加するという事件が何件かニュースになり、問題となりました。この研修の趣旨は、若者たちがこういう道をたどる前に兆候を見つけ、防止するというものです。
テロリストグループなどに勧誘される若者は、大体において似たような傾向があります。社会やグループから孤立している、家族や友人のサポートがない、パラノイアなどの精神病の傾向がある、などです。そして社会に対し不満があり、そこに付け込まれると、上記のような過激団体にそののかされ、活動に参加させられるどころか、利用されます。「自爆」などはその一番の例です。
確かに、社会にうまく適応し、家族や友人に恵まれた若者が、爆弾を背負って人混みで自爆なんかしません。
「こういった個人にとっては、それがイスラムであれ右翼であれ、関係ないのです。ただ、グループに受け入れられ、「社会」に復讐すらできれば、喜んで洗脳され、グループに利用されていくのです。」と最後に専門化が締めくくっていたのが印象的でした。
さて私は、この研修を受けてこれで法的にクリアとなりました。1時間半の研修でしたが、最低賃金のお金が1時間半分、次の給料と一緒に、支払われるそうです。なんとも簡単に稼いだ10ポンドでした。(たまたま子供の水泳で、その方面に行っていたし。)
ところでこのとき知りましたが、現在イギリスでは、シリアに行くことは法律で禁止されているそうです。そこまでシリアスになってるとは知りませんでした。
ではこちらもよろしく
イギリス(海外生活・情報) ブログランキングへ
2 件のコメント:
お金がもらえるの?それはすごいな。それ国民全員が受けるの?日本にはそんなのないよね。
国民全部じゃないけど、公的機関に働く人か、公的教育機関に働く人か、そういう区切りでしたよ。お金は、その学校などの機関の研修だから、その時給が出るよ。お金は多分、その学校が払うんだと思う。こういう法律ができても、このコストは国が負担してくれるわけじゃないからね。
コメントを投稿