2015年7月23日木曜日

nudge 促しの美学

イギリス政府内でのNudge部隊のことがニュースになっていました。Nudgeというのは、ひじでつついて、軽く行動を促すという意味です。アメリカ人の著者、Cass Sunstein と Richard Thalerが書いたNudgeという本が元になっています。

具体的には、一般大衆にある行動を取らせたいときに、一番効果のある促し方についての心理学のようなものです。例がいくつか挙がっていまして、これが面白かったのでちょっと書いてみます。

イギリスの失業センターでは、センターに登録された人対象の面接の日時をメールで知らせるのですが、昔は「X月X日に、スーパーXXXで店員を8人採用するための面接があります。」と、当てはまる人に送っていました。そのときは、実際に受け取った人が面接に行く割合は11パーセントでした。

それが
「OOOさんへ、X月X日に、スーパーXXXで店員を8人採用するための面接があります。」と名前を入れただけで、15パーセントにあがったそうです。

そしてそれだけでなく、
「 OOOさんへ、X月X日に、スーパーXXXで店員を8人採用するための面接があります。グッドラック。マイケルより」
と入れると、27パーセントに飛び上がったとのことです。

これだけのことであまりに成功率が上がったので、今では全国の失業センターで同じやり方を採用しています。

もうひとつの例は、イギリスの納税者の1パーセントを占める、3万ポンド以上の税金を滞納している高額納税者の話です。

支払わないと法に訴えると書かれた標準的な手紙を送った場合、34パーセントが即刻支払うそうです。

それに加え、「税金で国民が受け取るさまざまな公共サービスがまかなわれています。」と書くと、これが47パーセントまで上がります。さらに、もしも税金がきちんと納められなければ、地元の公共サービスが廃止になることにつながりますと書かれると、56パーセントまで上がるそうです。

ほんのちょっとのことですが、少しのパーソナルなアプローチと、細やかな説明が、こんなに違いを出すのですね。

面白そうなので、機会があればこの本読んでみようと思います。

オリジナルのBBCのサイトはこちらです。

とりあえず仕事で、ヨガのクラスの照会が来たときは、返事を今までよりもパーソナルに、フレンドリーにするように心がけてみます。

ではこちらもよろしく
 
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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

以前、世界的に活発に活動している異業種交流会に入った時、メンバーを募るために一人当たり40人に招待状を書かなきゃいけなかったんだけど、相手の名前や職業などを差し込み印刷にして、自筆でサインし、文面を外側にして手紙を折り、はんこを押し、封書の宛名は手書きという方法を取れと言われました。そうやってパーソナルにすることで出席率が何十倍にも跳ね上がるんだそうです。

まあそんなもんなんでしょうね。

コミュニケーションには心が大切と言うことで。

Atsuko さんのコメント...

あ、覚えてるわ、その話。でも、結局役に立たなくて、やめたよね。宛名が手書きって効果あるのかなあ。会社なら秘書があけることもあるし。