2014年9月19日金曜日

スコットランドの投票結果

昨日はスコットランドの独立の投票日でした。結果は皆さん御存知と思いますが、55%が独立反対に投票しました。

連合王国はこれからも無事継続することになったし、めでたしめでたし。これまで以上に協力して、より良い国と将来のためにがんばりましょう。

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そうなればいいのに、ちょっとお昼のニュースを見た限りでは、政治家達はいろいろまたいがみ合ってるようです。国民投票の前に、独立しなければ、今後もっとスコットランドに自治権を移行させるというような公約をしたので、それをめぐってもめてました。

公約の一部は税率のこと。今までもスコットランドは英国の税率よりも上下3% 増やすか減らしてもいいということでした。それが、この3%がなくなって、自由に納税率を決めて良いとか、所得税だけでなく付加価値税(消費税)と相続税の税率を自由に決めていいとか、公約されていたらしい。

そういうことになると、イングランド内にも不満は高まるだろうし、じゃあスコットランドの社会保障を減らせとか言う声も出てくるだろうし、いろいろ不安です。




ECが出来て、ヨーロッパには加盟国が増えてどんどんECが大きくなってる一方で、ソビエトの崩壊以降、ナショナリズムが台頭して、国家の分裂も起こりました。最近は東欧は収まったみたいだけど、世界中どこかでこういう動きは常にあるし、そういうことはきな臭いことにつながることも多い。

ヨーロッパでもイギリスだけじゃなくて、スペインのパスク地方の ナショナリズムもあるし、イタリアもいろいろあるらしい。そりゃヨーロッパってあれだけ国境が動いた歴史があるからね。もちろん北アイルランドの問題も、完全に鎮火したわけじゃありません。

スコットランドの件で、日本で言えば大阪が独立するようなという例を出しましたが、よく考えればやっぱり全然違います。だって大阪は東京から別国だったことはないし、武力で抑圧されてこともないですからね。

国民的感情もそう。どんなイングランド人でも個人的にスコットランド人の友達はいるだろうし、差別意識なんて全然ないにしろ、どこかで区別はしています。心のどこかには、イングランド人はスコットランドに対して、優位に感じてるというのは、否めないんじゃないかな。テニスのアンディー・マリーも、60年ぶりだかなんだかのウィンブルドンで優勝したイギリス人と言われてますが、でもたぶんみんな心のどこかで、「でもイングランド人じゃなくてスコットランド人。」って思ってると思います。

せっかくスコットランド人の85パーセント以上の人が投票して、予想よりも大差でこれからもユニオンを保っていこうと決めたのだから、過去の歴史にこだわらず、将来と次の世代を視野に置いて、さらに一つの国家として進んでいって欲しいと、外国人ながらささやかに望んでいます。



さて断捨離はこの仕事かばん。ヨガの先生でも、いろいろ書類やらノートやらプリントやら、持っていくものは多いのです。たぶん10年くらい使っていたので、ぼろぼろになったので、捨てました。

しかしぼろぼろになって捨てるって言うのも断捨離って言うのかなあ。まあ、そうは言っても、使い物にならなくなったのに、何かの役に立つかもと捨てない人もいるから、 断捨離51番でいいか。


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4 件のコメント:

直子 さんのコメント...

今回の独立選挙で感じたことは自分のスコットランドに関する意見が他の人と違っていることです。私から見るとスコットランドとは内部でかなり分裂されているように見えます。今は亡きエディンバラ出身の義父が冗談交じりで言っていましたが、”とても野蛮人(ハイランダー)とは一緒になれない、もしスコットランドが独立したら我々(ローランダー)はイギリス側に付きます”と。そしてグラスゴー。私から見るとここはもうアイルランド。宗教も違うし人種もちょっと違うと思います。今回の選挙で私が不思議に思ったのはオピニオンポールで地域別分析が出なかったことです。たぶんこの情報が流れてしまうとスコットランドがどれだけ内部分裂しているか浮き彫りになって最終投票に影響をおよぼすおそれがあったからマスコミ、または調査会社が口止めされていたのではないかと思います。イギリスから見るとスコットランドって高い位置にあると思いますよ。ユニオンジャックを見るとそれがはっきり分かります。斜めの白と赤の線はそれぞれスコットランドとアイルランドの国旗からとられているのですが、赤が白線の下のほう(真ん中ではなくて)にあるのは明らかにスコットランドがアイルランドの上にあることを象徴しています。国旗の面積もイングランドよりスコットランドのほうが大きいんじゃないかな。それとスコットランドとの統一は国会同士ですみやかに決められたことだから占領したのとは全然違うと思います。お嫁さんもらったんだけど、名門のいいところの方なので奥さんはご主人と同格だって感じ。以上は私の個人的な意見です。

本読みと山歩き さんのコメント...

私はちょっと違う視点で見てました。
武器で独立を果たそうとする地域と違い、民主主義の極致である投票によって独立の是非を問う!
成熟した民主主義のあり方を見た気がします。
 もし、日本で独立するとすると沖縄でしょうか!?歴史的にも文化的にも独立エリアですから。
大阪の独立はありえません。天皇陛下がいつか京都あたりに戻ってくれればそれでよいです。
 それにしても、たいへん興味深い出来事でした。

Atsuko さんのコメント...

直子さん、地域差とは考えたことも無かったですが、そうなんですか。私がちょっと思ったのは、もしも僅差で独立になった場合、一部で不満が高まって、内部紛争になるんじゃないか、最悪ならアイルランドのようなことになるんじゃないかと思いました。もしも本当にそんなに地域差があるから、危惧の通りになった可能性もあったんですね。
私の周りの印象は、「スコットランドは油田とウィスキー以外大した産業もないし、失業率は高いし、イングランドで集まった税金がスコットランドの社会保障に使われてる」、例えて言えば、「貧乏な親戚」って感じです。どうしてこんなに印象が違うんでしょうね。その辺もおもしろいですね。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、私もあえて例えるなら、琉球王国の沖縄かなあとおもいました。でも沖縄の人たち自体は、そんな気持ちはぜんぜんないようですね。
民主主義の極致、そうですね。でも同じイギリスでもアイルランドの件はあんなに流血を引き起こしたので、イギリスが素晴らしい文明国家ともいいきれないのかもしれません。
そういえばロシア、ウクライナも民族問題だし、ヨーロッパはこういうことは永遠に続くのかなあ。