イギリスの正式名称は、大ブリテン島および北アイルランド連合王国。略して、The United Kingdomです。Great Britainというのは本土のことで、イングランド、スコットランド、ウェールズに別れていて、それに北アイルランドが加わって、日本語で言うところのイギリスとなります。
ブレーブハートなどの映画を見た人は知ってるかと思いますが、スコットランドはイングランドに 侵入され統合されたという歴史があるので、伝統的にスコットランド人は、「私はスコットランド人であって、イギリス人(英国人)ではない。」という意識が強いんです。
それが60年代か70年代にスコットランドに近い北海で 原油が見つかったので、それ以来独立と言う話がちょくちょく出てきます。しかも労働党支持者が圧倒的なのに、現在イギリスは保守党政府ですので、余計によそ者に支配されているという気持ちが強まっているようです。
この投票日はしばらく前に決まりましたが、オピニオン・ポールが発表されるたびにNoが過半数という結果だったのに、ここに来てYesが優勢という報告が出てきたので、政府を初めイギリスの経済界や産業界はあたふたしています。
私も気になったので、政府のサイトでこの国民投票の仕組みを調べてみました。すると、多数決で決まりですって。つまりほんの僅差でも、それに決まってしまうということです。
最近のオピニオンポールの結果は、49対51%で賛成派が過半数とのこと。っていうことは、もしもそれが当たったら、49パーセントのスコットランド人が英国内にとどまりたいと思っても、無理やりスコットランドは独立してしまうようです。
もしも独立したら、ポンドは使えなくなるとか、ユーロも簡単には加入できないとか、銀行の準備金がたくさんいるとか、ロイズとかロイヤルスコットランド銀行などのエジンバラに本店のある銀行や保険会社はロンドンに移るとか、経済的インパクトは計り知れないようです。
それに私に言わせたら、やるにしても、こんなに経済が低迷していて、ヨーロッパもイギリスよりも景気悪い状態で、どの国にもスコットランド経済を援助する余力はないし、もっと景気のいいときにやればいいのに。
歴史的、伝統的見地からは独立を望むのもすごく分かる。でもスコットランドへの、特に経済面での打撃は素人目にも莫大でしょうから、自分達のためにも、ここは思いとどまって欲しいなあと、私は老婆心で思ってます。
スコットランドが受ける打撃に比べると、残りのイギリスが受ける打撃は小さいんじゃないかなあ。でも、スコットランドが別国になってしまうというのは、なんか変な気がします。
日本から、大阪、京都、神戸とその周辺の京阪神地区が独立したらどんな感じがしますか?
それにしても、グローバルな視点から考えると、どんどん膨らんでいく ヨーロッパ統合を初め、世界は一つになろうとする力が働いてる一方、ロシアや東欧などでは独立の力も働いてるし、一体世界はどういう方向に動いていってるんでしょうね?
私は世界が小さくなり、ヨーロッパのようにどんどん一つになっていくのはわくわくするし、独立して別離していく動きは、その反動だと思いたいんだけどな。
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6 件のコメント:
まったく以前パナマへの投資に失敗してイギリスに身売りしたのにすっかり忘れているみたいじゃない。それともあのツケは北海油田でちゃらにしたと思っているのかしら。どちらにしても独立したらポンドを使うことだけは止めて欲しい。まるで別れた亭主との共同口座があるみたい。知らない間に変な借金作ってまた後始末させられたくないわ。という比喩は下品でしょうか。
直子さん、このことを知らなかったので今ちょっとウィキで読みました。が、、1600年代のことではありませんか!なるほど、まさになおこさんの言うとおりですね。
スコットランド無しのイギリスのほうが豊かになると思ってる人も多いようですね。私も経済的には別に我々には不利にはならないと思うけど。
別れた亭主との借金って。。。。直子さんと私のの間でのその比喩は余りにも的確。。。
日本のニュースでは、イギリスでスコットランドやアイルランド、イングランドなど出身地の違う人達がいかに差別意識があるかがよくわかっていないので、「まるで東北が日本から独立するって言いだしたようなもんだ」とか言ってましたよ。イギリスのそれぞれの地域の独立意識って、もっと強いよね。ま、日本でも、大阪はそんな気持ちもあるのかもしれないけど!?
いずれにしても、ほんとに独立することになったら世界的にえらい影響あるよなぁ・・・。
最近、温暖化の影響も目立ってきたし、世界統一どころか、第三次世界大戦の火種みたいなのも出てきてるし、ちょっと逆行気味なのかもね。
ま、三歩進んで二歩下がりつつも、少しずつでも前に向かって行ってるんだと信じてるけど。
英国のこの状況は、日本に例を探すのは難しいかも。ウェールズは言葉も違うし、アイルランドは宗教が絡んでるし。現在も、それぞれの国にそれぞれの地方政府があって、スコットランドは紙幣も違うし、祭日とか学校や大学の制度も違うから、大阪の例よりももっと違いは大きいね。英語でいえば、UKはStateで、スコットランド、イングランド等はNationって言われてますが、もっと分かりにくいか。
圧倒的多数で分離するならまだしも、僅差なら、今後経済状況が悪化した時に、反対派の不満は高まるだろうし、そうなると暴動とか、最悪の場合にはアイルランドみたいになるんじゃないかとか、不安定要因は多すぎます。
猫組解説委員です。
スコットランドの件は、日本でもここ2、3日降って湧いたようにニュースのネタになってます。
ところで、本当に独立することになると、イギリスの国旗ユニオンジャックのデザインも変わるんですか?あれって、イングランドとスコットランドと北アイルランドの旗を組み合わせたものでしょ。
それから、日本の百貨店ではよく「大英国展」とか「イギリスフェア」とかが行われて、スコッチウイスキーが目玉商品として出品されるんですが、あれもダメってことになるんですかね。
そう言えば、ロンドン警視庁のことをスコットランドヤードと言いますが、あれも名前変わるんですかね。
こう見てくると、僕らが普段イギリス的なるものとして見なしてきたもののいくつかが、実はスコットランド由来であることに気づくのです。タータンチェックとかもそうですよね。
これって、摂津と河内あるいは泉州の関係に似てるような気がしますね。大阪の実権を掌握してるのは摂津の部分なんだけど、全国的に大阪的なるものとして認知されているものは実のところ河内や泉州に由来するものが結構ありますよね。たとえば河内弁とか河内音頭とか「河内のオッサンの唄」とか岸和田だんじりとか。
そうすると、イギリスからスコットランドが独立するということは、大阪が河内音頭や岸和田だんじりを喪失することとどこか似ているように思えてきて、イギリスがなんとなく寂しくなるなあと、同情心が湧いてくるんですよね。
猫組解説委員さん、初めはNo派が多数だったので、みんなまさか独立なんてって思ってたんじゃないかな、ここイギリスでも。旗のことまではまだ話が進んでないと思うけど、そうなるかもしれませんよ。
スコッチウィスキー、タータンチェック、バグパイプ。この辺は100パーセントスコットランドの物ですよ。テニスのアンディー・マリーも、俳優のショーン・コネリーもスコットランド人です。冬季オリンピックでイギリスの強いカーリングも、実はスコットランド人しかやらないです。
スコットランドヤードはただの通りの名前なので、変更無しでしょう。
その大阪の分析鋭いですね。私も大阪のソウルは南だ、河内や岸和田やと思ってます。梅田以北のすました街は、ディープな大阪とは言えないと思います。
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