EDIと言うのはEquality, Diversity, Inclusionの略です。差別をなくしたり機会均等のための講習でした。
実はこの講習数年前も受けたのですよ。一度受ければいいはずなのだけど、短大がなんとその記録を失くしたので、また多数の講師が講習に呼ばれました。まあその時もなかなかいい講習だったので、話を聞くこと自体は嫌じゃなかったんですけどね。
講習の内容は前回と違った・・・と言うかもしかしたらすっかり忘れていたのかもしれません。とにかく短時間だったけど面白かったしためになったし、ジーンと来た話もありました。
イギリスでは差別に関しては厳しい法律があります。その法律で守られている項目は、だんだん増える傾向にあるのですが、今は次の9点だそうです。
人種
宗教
性別
年齢
性的嗜好(ゲイかストレートかバイセクシャルかなど)
性転換
母性、父性
既婚か未婚か
身体的精神的障害
まあ日本でも性別とか人種、身体的障害などについては、差別を無くそうと言う考えは浸透していると思うけど、性的嗜好とか性転換だとかはさすがに北西ヨーロッパは進んでるなあって言う感じがします。
イギリスでは1960年代(だったと思うけどもしかしたら間違ってたら失礼)に差別を違法とする法律ができたのだけど、それは会社などの団体は「差別をしてはいけない」というだけで、平等を推進するものではありませんでした。それが1993年にスティーブン・ローレンスと言う黒人の高校生が刺殺された事件がきっかけとなり、2001年に大きく法律が変わって、公的団体は「平等を推進しなければいけない。」に変わったのです。
私が教えている短大もその法律のおかげと言うかそのせいで、こうして今日のような研修をしています。イギリスって医療も大学も全部国営だし、日本に比べて公的団体で働く人はすごく多いんですよ。ここ北デボンでもいちばん大きい雇用者は国民健康サービス(NHS)、その次はこの私が給料を貰っている短大です。
それだけの人がみんなこうやってEDIの研修を受けているって、やっぱり徹底してると言うかすごいことだと思います。
私もちょっといやいやながら行った今日の講習でしたが、それにはこういった国を挙げての「差別をなくそう」というすごい理念のバックボーンがあるからなんでした。この事実に私はちょっと感動しました。
ところで上記のスティーブンロレンス事件は18年前の事件だと言うのに未だ犯人が有罪の判決を受けていず、今月新しい証拠が出てきたということで、また裁判が開始されました。この事件ってイギリスの社会や文化を大きく変える出来事だったので、また明日にでも改めて書きます。
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