2010年10月1日金曜日

胃カメラ

今日胃カメラを飲んできました。

私は今まで胃痛だとか胸焼けとかをぜんぜん経験したことが無かったのですが、今年3月くらいから毎日のように胃がすっきりしない日が続いたんです。胸焼けかと聞かれても、これがそうなのか、経験したこと無いからよくわかりませんでした。ただ胃とのどの中間が詰まるような感じ。痛くは無いし吐き気もありません。

それで5月ごろ医者に行くと、いつもの主治医ではなくて別の先生でした。それで胃潰瘍のバクテリアのテストをして白。それでしばらく胃酸を押さえる薬を飲んでました。

その薬が終わって、また症状は戻ってきたんだけど、もう薬を飲みたくなかったので、主治医のところに行きました。薬やめてもいいですかと聞くと、じゃあ念のために胃がんのテストをしておきましょうといわれたのが7月でした。でも夏は日本に行っていたのでその前に血液検査だけをして、今日やっと胃カメラということになりました。

胃がんの検査と言えば大げさですが、一応日本人には多い病気なので先生は大事をとって検査を薦めたようです。私は実は夏以降はほとんど胃の不調を意識することも無かったんだけど、せっかく検査をしようといってくれてるし、イギリスには日本のような人間ドックも無いし、まあやっておこうという感じでした。一応ネットで調べてみると、45歳以下の人が消化不良で医者にかかって胃がんである確率は100万分の1とのこと。それで別に心配もしてなかったですね。

で、今朝自分で1時間くらい運転して病院に行きました。受付をしてしばらく待ってると看護婦さんに呼ばれて小部屋に連れて行かれました。そこで血圧を測ったんですがこれが結構高くて驚いてたら、看護婦さんが、こういう状況では高いのが普通ですと言ってくれました。そのあと簡単な問診のようなものがあって、説明があって、そのあとまた待合室で30分くらい待ちました。

説明によると、のどの奥にスプレーする局所麻酔をして、希望があれば注射による鎮静剤みたいなものを選べます。でも鎮静剤を打つと24時間運転できない上に、24時間付き添いが必要とのこと。そんなかったるしいことしてる暇無いので、スプレーだけにしました。

そのあと別の看護婦さんに今度はカメラのある部屋に連れて行かれました。ここでは先生が机に座って私のカルテを見てます。そしてほんの一言二言質問をして、コートを脱ぐか脱がないかといううちにスプレー。そしてそのまますぐにベッドに横にならされました。

看護婦さんは二人です。一人が先生の助手のような感じで、もう一人は私の口と頭を抑えてます。じゃあ行きますよともいわずに、ほぼいきなり口にカメラを入れられました。看護婦さんが「はい、飲み込んでください。」とのこと。これが難しいと聞いていたんですが、考える暇も無くごっくん。

「あ、すごくいいですよ。もう一度飲んでください。そしてもう一度。」

そうして3回続けて飲むと、もうカメラがおなかの中に入ってるのがわかりました。結構先生は荒っぽくどんどんカメラを下に入れていきます。かなり下のほうまで、おへその辺りまであっという間に入って、その辺をぐいぐいしています。これが痛いというんじゃないけど、ちょっと気持ち悪いというか、怖いというか。時間にしたら30秒くらいなのかなあ。この辺でちょっとパニックぽくなって来ました。多分ダイビングと同じで、押さえつけられてカメラが中に入っていて動けない感じがそれを引き起こしています。それで意識的に肩の力を抜いて、ゆっくりと呼吸をおちつけて・・・

そうしているとまたカメラがごそごそ上がってきて、「じゃあ抜きます。」と声がかかって、まるで水道のホースを抜くみたいに1秒でぐいっと引き抜かれました。

私はごほごほごほとしばらく咳き込んでいました。起き上がると、「じゃあこれで終わりです。すごくスムーズに行きましたね。みんながこんな感じだったら簡単でいいんだけど。」と看護婦さんに言われました。そうなのか、私は優等生なのか。自分でカメラを引き抜いたりする人もいるそうです。このカメラの部屋に入って出るまで、合計6分でした。これは早い。

それで次は「回復室」に連れて行かれました。部屋の片側にモニターの着いたベッドが3つ。反対側にアームチェアのようなものが6つくらい。私は当然アームチェアに連れて行かれました。ベッドには老人の人達が横たわってます。

そこで本を読みながら30分くらい待ってると、看護婦さんが水を持ってきてくれました。麻酔が切れて水がのめるかをテストするためです。6時間くらい水分を絶っていたので、ごくごくと全部飲みました。すると今度は「紅茶かコーヒーはいかが」と勧めてくれました。それで紅茶をお願いすると、「ビスケットいる?」とまた親切な言葉。昨晩から食べてませんでしたから是非とお願いすると、2枚種類の違うのを出してくれました。普通のどうってことないビスケットなんですが、違うものが2枚というところが、心遣いが感じられました。

それを食べてしばらくすると、同じ看護婦さんが隣に座って説明を始めました。私の診断は食道裂孔ヘルニアとのこと。日本語では聞いたこと無いんだけど、英語ではHiatus herniaといってよく聞く病気です。病気というほどのことでもなく、胃と食道のつながってる部分が横隔膜の上に飛び出て、胃酸が上に上がってくるというものです。よくある症状で、60歳以上の人は3人に一人がなってるとか。ひどい場合は手術も可能ですが、普通はこれといって何もしないそうです。とにかく主治医に一度行って、胃酸を抑える薬をもらいなさいとのことでした。(でも行かないと思う。)まあ、ガンでなくてよかった。

その説明を終えると、看護婦さんがわざわざクリニックの入り口まで送ってくれました。大きい総合病院なので、迷子にならないようにエレベーターの行き方まで説明してくれました。まあ、行ったからには帰れるとは思うんだけど、麻酔受けたりしたら迷子になる人もいるのかなあ。

いうまでも無いことですが、これは全部無料です。お医者さんはちょっと荒っぽいという気がしましたが、多分こういうことを毎日毎日やってるんだろうから、患者としての不安感は無かったですね。多分日本のお医者さんならもっと時間をかけてゆっくり丁寧にやってくれそうですが。

看護婦さんはたくさんいましたが、みんなとっても優しくて、感じのいい人たちでした。この国民医療サービスっていつも慢性的に財政難なのだけど、どの看護婦さんも「あなたのための時間はたっぷりあるのよ。時間なんて気にしないで納得の行くまで質問でも何でもしてください。」という感じで接してくれます。今日の看護婦さんだけでなく、この大きな病院の看護婦さんたちって皆そんな感じです。

ところでこの回復室で待っているとき、看護婦さん同士が「あそこの若い女性(Young Lady)を先に帰らせてあげましょう。」といってるのが聞こえました。もちろん私のことです。ふふふ、ヤングレディーか、と思ったんですが、周りを見ると大体70歳以上の人ばかりです。そりゃあここではヤングだよなあ。

ちなみにこの食道裂孔ヘルニアというのは
1.50歳以上
2.喫煙
3.肥満
4.妊娠
が危険ファクターだそうです。私はどれも当たらないんだけどなあ。

お昼前に家に帰って来て、恐る恐るネットを見てみたら「中日念願のV!」とのヘッドラインが。ああ、阪神まけちゃったんですねえ。まあ昨日みたいな負け方したら次に引きずるよなあ。ああ・・・・がっかり・・・・。まあ巨人ではなくて中日が優勝なのが救いでしょうか・・・(阪神ファンは本能的に巨人を嫌っている)

でもまだ6試合残ってるので、巨人との2位争いが残ってます。巨人に負けるわけには行かないから、ぜひ残り試合がんばって欲しいです。2位になるとクライマックスシリーズが甲子園でできるし。最悪6連敗するとヤクルトにも負けて4位。そうなるとクライマックスシリーズもできません。

だからあんたら、気持ちを引き締めてしっかりやらな、大阪のファンにしばかれるで!

4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

あつこさん 今日のそれって、とても面白かった!
一つは、イギリスの医療のようすがリアルです
二つは、あつこさんのこころの動きです

胃は、こころの動きを微妙に反映する臓器ですよね
胃ガンでなくてよかったですねぇ
それにしても6分とは驚きの短時間!

これでまたスッキリの気分で暮らせることでしょう

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、ありがとうございます。可能性は非常に低いとは知っていたので特に心配はしていませんでしたが、一応ガンの検査だったので、懸念になっていたことがすっきりしました。

確かに結構ストレスって胃に出るんだなあと思いました。そのためにも、笑うことを心がけましょう!

あくあ さんのコメント...

胃カメラまだ飲んだことないけどそんな感じなのね。笑いの回数数えるの忘れてました。でも15回以上絶対笑ってる気がします。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、胃カメラの体験談ネットで調べると、苦しくて2度と嫌などというのが多かったんだけど、実際に知人に聞くと、そうでもないとのことでした。でも話を総合すると、日本はもう少しいろいろ鎮痛剤とか鎮静剤とかあるようです。それから鼻から入れるのもあって、そっちのほうが楽とのことも。

ところで数えてないのに絶対15回以上というのはすごいなあ。いい人生送ってるのね。私なんて今日は2回くらいでしたよ・・・阪神負けたし・・・・怒鳴るのは5回くらい怒鳴ったけど。体に悪そう。