この辺の春の光景といえば、羊の赤ちゃんです。英語ではLamb (ラム)。大きくてもこもこした薄汚れたお母さん羊立ち混じって、真っ白な羊の小さいのがあちこちの牧場にいます。大人の羊はいつ見てもあまり動いてませんが、子羊は飛び跳ねたり走ったり、見るからに生き生きと元気がいい。
Lambという言葉は名詞だけでなく、動詞としても使われます。To Lambというと、「羊の出産に立ち会うこと」という意味です。羊の農家の人たちは、1月から4月くらいまではこのLambingで忙しい。
先週テレビでLambing liveという番組をやっていました。いろんな羊農家から、赤ちゃんが生まれるところを実況中継してます。
でもこの辺では別にこれは珍しいことではなく、子供たちは学校の隣の農家で見たことがあるし、このあたりの人はどうしてこんなのがテレビになるのと面白がっていますが、都会人にとってはなかなか面白いです。
その番組で、去年生まれた羊を屠殺所に連れて行くところをやっていました。1年を過ぎると値段が落ちるので、1歳の誕生日の前にお肉になります。それでその農家の人が、「もう慣れてらっしゃるとは思いますが、こうして大切に育てた羊を屠殺することに抵抗がありますか?」とインタビューされていました。
するとその人は、「いやむしろ誇らしい気持ちですね。こうして手塩にかけて育てて、広々とした牧場で自由で幸せに駆け回って、いい人生を与えることができたと思ってますね。そしてこうして恐怖も痛みもストレスも無いように屠殺されて、いい肉となって消費者の食卓に上がるかと思うと。」ということでした。
イギリスって動物愛護の国と知られていますが、屠殺所の規制も厳しく、動物にとって最小の苦痛でできるように、専属の獣医がいつも立ち会うそうです。
私は羊をかわいいと思うほうなのでテレビを見て、ちょっと屠殺されるのはかわいそうと思いましたが、でも同時にああ、おいしいローストラムを食べたいなあとも。
こちらでは「(動物を)殺す覚悟の無いものは、肉を食べるべきではない。」という言葉があります。自分は人が屠殺した肉を食べておきながら、かわいそうなんて偽善的なことを言ってはいけないということです。
2 件のコメント:
>「(動物を)殺す覚悟の無いものは、肉を食べるべきではない。」という言葉があります
生き物は、いずれにしても他の生き物を食べて命を長らえます
反捕鯨団体のオーストラリア人船長が、日本で逮捕されました
ヒツジ肉とクジラ肉となにがどう違うのか?
個体保護の観点だけではないような気がします
こんのさん、こちらでは菜食主義の人も多いですが、日本でも増えているのでしょうか?私も一時2年ほど菜食主義でしたが、ごくまれに時々無性にステーキやハムが食べたくなりました。
今では家に飛んでくるきじを捕まえて食べたらおいしいだろうなあなどと考えてます。デイブは、でも羽をむしったり内臓を処理したりするのがちょっとと言っていましたので、じゃあ私がやるから大丈夫と言っておきました。
でもいまだに捕まえたこと無いです。
コメントを投稿