2016年4月14日木曜日

イギリスの階級制度 4

階級制度について何度か書きましたけど、じゃあお前のところはなんだと言うことになりますから、ちょっと書きます。

家人は、お父さんがファーマーで、本人は高校卒業後専門学校に行って、その後いろいろ転職の後、今は家具職人。なので実家が労働者階級の出身で、本人も労働者階級。

そう思っていたのですが、田舎に越してきて知ったことですが、ファーマーというのは農場経営者のことで、実は実家はかなりのミドルクラスでした。イギリスの酪農経営者は何百エーカーと土地を持ち、何百等と牛を抱え、搾乳する器械を何台も所有するわけですから、確かに生産の手段を所有するわけなのです。

家具職人はかなり洗練されたクラフトで、ごくごく小さい会社のパートナーですから、厳密な定義で言えば中産階級ともいえるんですが、やっぱり文化的には、パブでサッカーを見る労働者階級。

(こんな感じで、実際にはなかなか中産階級と労働者階級をくっきり分けることは出来ません。)

私は外国人だから、部外者で階級制度関係なし。

ところがですね。

要するに何が言いたくて階級制度について書き始めたかというと、意識して選んでるわけでも全然ないのに、子供たちが成長するにつれ、最近つくづく自分たちが中産階級だなあと感じることが多くなったからです。

たとえば水泳とライフセーバー。水泳は、海に近いからと習わせていて、本人たちが喜んで泳ぐので、泳ぎ続けて今に至ってるわけですが、水泳クラブで周りを見回せば、お医者さんだの会計士だの校長先生だの、まさに中産階級の典型的な家庭に囲まれています。

ライフセーバーも同じ。サーフィンするときに心配だからとクラブに参加しましたが、やっぱり同じような家庭が多いです。

学校のほうは、たまたま行った小学校が、すごくミドルクラスの家庭が集まるような学校でした。なのですごく人気があって、越境して入りたい生徒(越境も問題ありません)のウエイティングリスとが出来るくらいでしたが、うちはたまたま近くに越してきただけでした。

中学校は普通の大きい公立で、上から下までいろんな生徒がいて、いろんな家庭がありました。ここでの友達は、いろんなタイプがいました。でもルイが高校(6thForm)に進むと 、一応大学進学を考えるような生徒以外は辞めていきましたから、ルイの友達は、やっぱりミドルクラスの家庭の子供たちばかりになりました。

子供たちはこうして着実にミドルクラスの道を歩いています。

私としては、自分は蚊帳の外の外国人だという、部外者的な気持ちのよさが好きでした。パンク世代、反サッチャー世代を潜り抜けてきた、アンチエスタブリッシュメントを自称するポール・ウエラー・ファンとしては、ミドルクラスに成り下がるのは、骨抜きにされたようでちょっと寂しくもあります。

それでも、いろいろな部分で、結局は労働者階級的な価値観は私にはないと言うのも実感します。

イギリスの階級って、決してお金の問題ではなく、文化の違いと書きましたが、よく考えると、価値観の違いかもしれません。

私もイギリスに染まったものだわ。

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4 件のコメント:

foo さんのコメント...

私は最近、lower middleとmiddle middleとupper middleの生活全般の好みの違いって大きいなぁと感じています。

Atsuko さんのコメント...

fooさん
確かにそうですね。ミドルクラスとワーキングクラスって言う二つの分け方が、そもそも無理がありますからね。新しいクラスシステムについての面白い記事を見つけましたので、またブログに書きます。

あくあ さんのコメント...

ふーん、客観的には理解できるけど、日本にいると、主観的にはちっともわからないですね。人間っていろいろと分類したいんですかね・・・。

それと、私、資本論を読んで、「何を言ってるんだ、資本家は苦労してるだぞ~」と労働者にむかついたタイプなので、アンチサッチャーとか、全然ダメなんですよね。トランプさんまでは行きませんが、小泉さんとか橋下さんとか好きなので。右ですね。

Atsuko さんのコメント...

わからないだろうね。私が30年経って、いまごろみじみとわかってきてることだからね。

日本は明治維新で社会の上下関係が動いて、敗戦でまた白紙に戻って、それでもやっぱり階級がないわけじゃないから、イギリスではそりゃあ根強いだろうね。