チャイルド・プロテクションの研修

昨日の夕方は２時間ほどの研修に行きました。テーマはChild Protection、つまり子供保護です。私は週に２クラス隣町にある大きな短大の夜間学校でヨガを教えているのですが、そこで義務付けられている研修です。とはいっても私は子供を教えることはないし、関係ないといえば関係ないんですが、とにかく法律で決まってるそうです。私の教員免許はPost16、つまり１６歳以上しか教えることができないんですが、このチャイルドプロテクションの法律は１８歳までが対象だそうなので、厳密に言えば関係あるらしい。

内容はと言えば、ある意味では常識的なことであるし、ある意味では改めて大変やなあと思いました。


何を保護するかと言えばもちろん学校に来る子供達で、家庭で虐待されていたりニグレクトされているのではないかと思ったときの対応などが話されました。でもそれだけではなく、教える立場の自分達の保護についてもかなり時間が割かれました。

たとえば疑われるようなことをしない。もしもそういうことがあればすぐに報告するなど。例を出すと、生徒と二人っきりでオフィスに入らないだとか、車で送ってあげてはいけないだとか 、許可なしで写真を撮ってはいけないとかそういうことです。実際に勉強が嫌で先生が嫌いで、その先生に性的虐待をされたと嘘をついた生徒も過去にいたとか。その先生はしばらく停職。無実がはっきりしてからも履歴に傷ができたので、転職できないそうです。こわー。

イギリスでは数年前に子供が親に虐待されて死ぬというケースが２件相次ぎ、それ以来すごく法律が厳しくなって、少しでも子供とコンタクトのあるポジションに着く人は、仕事であれボランティアであれ警察で過去の犯罪歴をチェックされます。それからもちろんこういった関係の研修もあります。

それで思い出したんだけどさあ。。

去年の夏日本に帰ったときに大阪でひどいニュースがあったんですよ。２０代前半の若いお母さんが一人で３歳と１歳の子供を育てていて夜の仕事をしていて、子供たちを家に閉じ込めて数日家にも帰らず、二人とも餓死したという事件でした。覚えてますか？近所の人たちが子供の泣き声を聞いて何人も警察やら子供保護センターのようなところに電話したんだけど、何もされなかったと言うことでした。

もちろん一番悪いのはお母さんだけど、責任は彼女以外の人にもあるはずです。たとえば彼女の親とか別れただんなとか、そんな若い女性が誰の助けもなしで仕事しながら二人の幼児を育てられるか、心配はしなかったんだろうか。彼女の雇用者にぜんぜん責任はないんだろうか。そしてもちろん警察や社会保護の機関は？

そういうことは、つまり社会の財産としての子供達が健全に成長することは、イギリスでは社会全体の責任と言う考えが根付いていると思うんだけど、日本ではまだそうじゃないと感じるんですよね。

たとえばよく例に挙がるのは、親子心中の捉え方。日本だと「子供も自分も死ななきゃいけない立場に追いやられた可哀想な人。」という感じだと思うんだけど、こちらでは自分も死のうが生き延びようが子供を殺すなど完全に犯罪者以外ではありえないと見られます。実際に、逃げた妻や夫に復讐するために子供を殺し、自分も自害するというパターンが多いらしいし。

それにしても今年も１ヶ月日本に行ったんだけど、その間でもたぶん２件くらいは子供が親の虐待で死んだと言うニュースを見ました。どれも上記のニュースほどはショッキングに報道されなかったけど、でも死んだ子供にしたら、大きく取り上げられようとなかろうと、苦しさは同じ・・・。たぶんきのうかおとといもあったんじゃなかったかなあ、Yahoo japanで見かけた気がする。

どうして日本って子供が親に虐待される、殺されるって事がよく起こるんだろう？イギリスだってたまにあるし、ヨーロッパでもあるだろうし、きっとアメリカでもよくあるような気がするけど、それにしてもイギリスと比べると日本は多すぎる気がします。

昔に比べるとずっとましになってるとは思うんだけどなあ。イギリスだって２０年位前まではそれほど法律が厳しくなかったので、日本もそのうち法制化されるのかなあ。でも日本の政治家にそんな力があるのか？

きのうこのブログをお休みして、料理のブログ更新しました。よければ見てください。
アップル・シャーロット

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