家族連れがロンドンに行くとよく行く観光の目玉はマダムタッソーの蝋人形館とロンドン塔です。それで我々も初めはそのつもりだったんですが、値段が驚くほど高い!マダムタッソーは大人30ポンド、ロンドン塔は20ポンド。それも行った人たちに聞いてみると、特に蝋人形館は無茶苦茶混んでいて、ぜんぜんよく見れないそうです。ロンドン塔はさすがに歴史があるだけあって、まあまあ悪くないんじゃないのという評判です。
デイブが行きたがっていたのは聖ポール寺院。入場料いるのかなあ。教会だから無料かなあと思いながらネットで調べると、なんと15ポンドとのこと。2500円近くです。これは高い。だって清水寺の拝観料2000円なら行かないでしょ。
で、結局バスと足で観光し、博物館と美術館を廻ったので入場料はぜんぜんかかりませんでした。
初日にまず行ったのは大英博物館。4時くらいに入場して閉館は5時半。だから時間はそれほどありません。実は私はロンドンに住んでいたとき、大英博物館の裏に住んでたんです。でもそんなに近いのに行ったことは数回しかありませんでした。
私がロンドンを離れてから大改造が行われました。入り口を入ったすぐ先が大きなホールになっていて、これがすごくすばらしい近代建設なんです。これを見るだけでも一見の価値あり。もしも今私がこの辺に住んでたら、毎日のように通ってこのホールで座って本読んだりランチ食べたりすると思います。
そしてインフォメーションで地図を見て見るところを選びました。とにかく大きいですから、全部見てたら1ヶ月くらいかかります。目当てはギリシャのパルテノンの大理石の壁とエジプトのミイラと日本の侍のかぶと。 そこに行くまでにいくつもいくつも大理石の彫刻だとかエジプトのお棺だとか、とにかくそれひとつだけでもすごいというものを通り抜けていきます。
エジプトの部屋は5つくらいありました。ミイラも5体くらいはあったかな。お棺は他にもたくさんありました。子供達は学校でエジプトのことを勉強していたのでなかなか興味深そうに見ています。
写真がまっすぐに載せられなかった。ルイです。 |
翌日はバスでトラファルガー広場に行ったついでにちらりとナショナルギャラリーを見ました。こちらも時間がなかったので、ゴッホを中心とする印象派の部屋に直行。ピカソは今は置いてないそうです。他にもチャーリーはダビンチを見たかったらしいんだけど、あまりにも部屋が遠すぎてあきらめました。
そこからまたバスに乗って今度は自然史博物館へ。ここはチャーリーが行きたがってたんですが、もう列がすごかった。博物館の前の広い広いコートヤードに長蛇の列ができていて、それが外の道まで続いています。それであきらめようかと思ったんだけど、裏に廻るとそこにも入り口がありこちらは20分待ちとのことでした。それで入場できました。
今週はイギリスの学校はハーフタームといって一週間のお休みなんです。博物館は無料なので、私達のように地方から観光にいている人たちはもちろん、ロンドンやその近郊に住んでるお母さん達も子供をつれてきてるんですね。
中ではまた長い列が。でもよく見るとこれは恐竜のセクションの列でした。ここはテラノザウルスも始祖鳥もテラノドンも 、いろいろ本物の化石が置いてあります。私達も数年前にここを訪れたときに見ましたが、その時もすごく混んでました。でも今回はもっとすごかった。
それで私達は恐竜はパスして、お目当てのシロナガスクジラの骨格や白熊やライオンの剥製を見物。そのあといくつか廻って、1時間半くらいで切り上げました。
チャーリーはあんなに来たがっていたのに、あまりの人の多さと歩くしんどさで機嫌は最悪。それでケンジントンのカフェでお茶を飲んで一休み。ケンジントンというのはおしゃれでトレンディーな土地なんですが、まあ普通にしてると普通ですね。このカフェもとくにおしゃれでもなし。飲み物を飲んで、またすっかり機嫌がよくなって出発です。
翌日は科学博物館へ。これも無茶無茶大きい博物館です。こちらも当然家族連れですごく混んでいました。どこかサンドイッチやドーナツを食べられるところはあるかなあと思ったら、カーペットのしいていないところではどこで食べても良いとのことでした。ここでも時間がなかったので、ロケットや宇宙のセクションと、エンジンと自動車の歴史のセクションを見て、1時間くらいで出ました。ここは女性トイレが無茶苦茶長い列ができていて、しかもトイレの数が少ない!こんなに馬鹿でかい博物館、もっとちゃんと計画してトイレ作って欲しいものです。
そういうわけで4つの博物館と美術館を駆け足で見ました。どれもじっくり見ると少なくとも数日はかかりそうなものばかりだったけど、とにかく人が多くて、短時間で見るものを決めて見て正解だったみたい。一番よかったのは大英博物館。あんなにたくさん訪問者がいるのに、ごみもぜんぜん落ちていないし床はぴかぴかだし、展示品の入ってるガラスケースも曇りひとつなし。イギリス国内でこんなにメンテナンスがしっかりしてるところは他に行ったことがありません。自然史博物館だとかも無茶無茶大きいんだけど、いくら白熊の剥製が置いてあっても鯨の骨がおいてあっても、やっぱりエジプトのミイラだとかパルテノン神殿の壁とは貴重さが比較にならない気がします。おそらく他の博物館よりも10倍くらいは予算があるんじゃないだろうか。
これは全部無料だし、他にもこれくらいの規模の博物館、美術館はロンドンで10近くはあります。これって毎日運営にすごいお金がかかってるだろうなあ。私がロンドンにいたときは、大英博物館とナショナルギャラリー、テートギャラリーは無料だったけど、あとは入場料がかかったように覚えています。
イギリスももちろん財政難だし、大学は有料になるし、病院だとか学校だとか道路だとか予算の締め付けもきついんだけど、こういう文化的なことに国家予算がどかんと行っていると言うのは、そしてそのことを疑問視する人がぜんぜんいないというのは、イギリスってすごい国だなあって改めて思いました。太っ腹とか気前が良いとか言うんじゃなくて、社会として懐が深いというか、円熟してるというか。まあ、博物館運営の1日の費用なんて、総合病院 1件の1日の運営経費に比べるとぜんぜん知れてるのかもしれませんが。
明日もまたロンドンの話を書きます。
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2 件のコメント:
充実したお休みだったようで何よりです。にしても、なんでこの時期にお子さん達はお休みなの?
イギリスはやはり円熟してるんでしょうね。文化にそれだけお金をかけることが当たり前だというのは、日本の大衆にはまだ無理な気がします。
それにしてもうちの親は文化に造詣なんてちっともなかったから、子供の頃にそんなところに連れて行ってもらった記憶は皆無ですよ。子供は親の影響で世界が変わりますね。
あくあさん、やっぱりその辺がヨーロッパと日本の違いのような気がしますね。日本も文化の歴史はすごく深いんだけどね。
やっぱり私達の親の世代は戦後の影響をもろに背負ってるから、食べることというか、経済活動で必死だったんだろうね。憧れはあったのかもしれないけど、なじみは無かったんだろうなあ。そのおかげで豊かな時代に育った私達が文化に親しめてるわけだよね。それが次の世代に・・・
イギリスはどの学期も中間に1週間休みがあるんですよ。これに働く母親は泣かされてます・・・。
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