2019年9月6日金曜日

なんとか崖っぷちブレクジット阻止なるか?

昨日は、「下院が民主主義の名の下に命がけで通過させた『崖っぷちブレクジット禁止法』が、今晩上院に。通過なるか?」というところで夜が更けました。

一晩明けてニュースをチェックすると、あの後、延々と審議されて、夜中の1時20分にやっと可決されたとのことでした。

昨日のブログで、「100以上の細々した法案があり、これが終わってからブレクジットの審議。」と書きましたが、これ間違ってました。すみません。この100以上の法案は、すべてこのブリクジット法案の修正案でした。なぜ100もあるかというと、これはfilibusterと呼ばれる、時間切れを狙った作戦だそうです。

上院(貴族院)にも与党保守党と労働党などの野党の議員がいて、それぞれの党の政策に従って投票します。上院では、下院と違って、演説とか質問とかの時間制限がないそうです。それでこうやって、今回の場合は保守党の貴族院議員が、重箱の箱をつつくような細かい修正案を山ほど作り、時間切れを狙ったそうです。お年寄りばっかりの長老院なのに大変なことです。だから昨日は、野党の議員が寝袋もって議事堂入りしてたんですね。

でも結局夜中の1時半前に決着がつきました。午前4時か5時になるんじゃないかとか言われてましたから、ましなほうかもしれません。

こうして下院と上院を通過したので、これで立法化・・・・ではなくて、これを首相が女王に提出して、承認を受けないといけないそうです。これは単なる儀式のようなもので、女王が承認しないということは絶対にありません。が、ここが全く信頼されていないジョンソン首相。なんとか悪あがきをして、女王のところに提出しないんじゃないかとか危惧する声もあります。そんなことになったら、一体どうなるんでしょ?アナーキーですよ。

今日はジョンソンは、「EUに離脱期限の延期を申し込むくらいなら、どぶで死んだほうがまし。」と公言してました。って、もうこの「崖っぷちブレクジット禁止法」はほぼ立法化しているし、するしかないでしょ?しないの?

そういえば日曜には、ジョンソンの側近の大臣(マイケル・ゴーブ)が、「いくら国会が新しい法律を作って阻止しようとしても、法律を無視する可能性もある。」と、ありえない発言してましたっけ。

月曜にはまたジョンソンは議会に10月半ばの選挙を提議するそうですが、労働党をはじめとする野党は、いくら法律が通ってもジョンソンが約束しても、とにかくブレクジットの期限が無事すぎるまでは、選挙はしないと今晩もニュースで言ってました。「君の総選挙の提案は、白雪姫の魔女の毒のリンゴのようだ。」ってコービン氏は国会でジョンソンに言ってましたよ。月曜に総選挙をすることが決まらなければ、ジョンソンが自分で「5週間国会閉鎖」したのですから、その間は総選挙を告知することが出来ませんから、選挙は11月以降になります。自分で自分の首を絞めてんの。

しかし一国の首相がこれだけ信用されていないっていうのは、前代未聞ですよ。

無理やり10月31日にブレクジットに持ち込む最終手段としては、10月にすべてのEU加盟国が自国のEUコミッショナーを指名しないといけないのですが、それをしないんじゃないかとすら言われています。そうなるとEUの決まりとしては、即刻除名だそうです。

いくらなんでもそこまではしないだろうって、大方の政治家や解説者が言ってますが、どうだろう?そこまで不信感を持たれてるっていうだけで、無茶苦茶ありえないと思うんですが。

政治が活発なのはイギリスらしいと思われてるかもしれませんが、こういった慣例や前例を無視した強引なやり方は、イギリスのフェアプレーの精神からは大きく外れていると思います。トランプ化してます。

ではこちらもよろしくお願いします。

2 件のコメント:

本読みと山歩き さんのコメント...

あれですね、
英国の政局は毎日のように日本でもニュースになってますが、
いずれはEUから離脱するので、その方法(別れ方)によっては国民生活への影響が出るんでしょうね。
物価が高くなったり、物の流れが悪くなったり…
上手に別れる…これは大事です。
日本では離脱の方法の目だった所だけ放送してますが、別れる条件についてはあまり方法されません。
こっちの方が大事なのになぁ…

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん
コメントがスパム・フォルダーに入ってました。すみません。
私は日経新聞の速報メールなどを受け取ってるのですが、日経の記事も、ちょこちょこ間違ってるというか、わかりにくくて説明不足だなあとおもう部分があります。が、イギリスでもよっぽど興味持って新聞の隅まで読まないと、なかなか状況はわかりにくいんですよ。まあ、ジョンソンがやらかしていて、最高裁と国会と三つ巴になって、えらいことになってるくらいはわかりますけど。
別れる条件、まだ存在してません。前回の条件が(メイ首相が何回も国会にあげて否決された条件)あるだけです。ジョンソンは用意があるって言ってますけど、ほぼ誰もがそれは嘘だとわかっています。
イギリス以外の国でこういうことが起こっていたら、暴動になってるんじゃないかな。フランスとか。