2017年6月11日日曜日

イギリスの選挙を象徴する写真




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イギリスの選挙区では、だいたい4-6人くらいの候補者で争われます。保守党、労働党2大政党。3番目が自由民主党。そしてグリーン党、英国独立等(UKIP)がちょこちょこ候補者を揚げるほか、無所属の候補者もいます。

メイ首相の選挙区では、異例の(でもおそらく、現首相の選挙区ではよくあることなのでしょう)13人の候補者が立候補しました。

写真の一番左がメイ首相です。右から二人目のエルモ は無所属の候補者。右から4人目はモンスター・レイビング・ルーニー党という昔からあるプロテストの党の候補者。そして真ん中あたりの黒い煙突みたいな人は、「バケツ頭卿」(Lord Buckethead)という候補者です。

モンスター・レイビング・ルー二ー党は有名で、多分イギリス人なら皆知っています。なんでも1983年に初めて候補者をたて、その後毎回総選挙には10-20人くらい候補者を立てています。各選挙区で結果が発表になるたびにテレビにこの写真のように映ってます。

既成の政党に反対する・・・・というか、既成の政治を揶揄するためのジョークの政党ではあるのですが、一応政策はあり、一番に揚げているポリシーは「所得税の廃止」だそうです。

「バケツ頭卿」の方は、昔はサッチャー首相の対抗馬として立候補したそうです。その後長く身を潜めていましたが、今回メイ首相の対抗馬として出てきました。

政策はいろいろあり、 称号の廃止、国民投票をもう一度するかしないかを決める国民投票、狐狩りのハンター狩り、などが揚げられていました。

こういうのはすごくイギリスらしいです。つまり、大の大人が本気の本気で、体を張って時間とお金をかけて、政治家を揶揄するジョークを行ってるのです。

今回の選挙は保守党が絶対過半数を失い、北アイルランドのテロリストとの関係の深い政党と連立政権を築くことを発表するなど、今後色々問題が深まりそうな気配になってきました。労働党が議席を伸ばしたのはいいけど、短期的には政治は不安定になる危険が高いです。

 これでもこういうのを見ると、仮装したプロテスト候補者を「ふざけんな」と相手にしないのではなく、一般人の民主主義にもどづく権利として許すイギリスの民主主義は、やっぱり成熟しているなあと思います。

ではこちらもよろしく
 
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2 件のコメント:

直子 さんのコメント...

あつこさん、お久しぶりです。モンスターレイビングルーニー党は、割とまともな政党で彼らは世間の目を気にせず奇抜なアイデアを出してきますが、その中には結構論理的な考えのものもあり今では法律になっているポリシーもあるのです。例えばペット用のパスポート、これはMRL党が打ち出したアイデアなんですよ。この間ちょっとマニフェストを読んでみたんですが、勿論冗談っぽいものもありますが、はっとするようなポリシーもあります。例えば教育政策について、学校の赤字削減のため、月2回バザーを開くというのがありました。笑っている場合ではなく、実際アカデミーは自給自足を強いられていますから、バザーでも何でもしないと中央政府からの交付金が激減しているので破産していくと思いますよ。

Atsuko さんのコメント...

お久しぶりです。ニモ君、ご愁傷様です。
マニフェスト読んだんですか。そんなまともな内容も含まれてるとは知りませんでした。所得税の廃止も、「あれはもともとナポレオンが戦争資金のための一時的対処として始めたことだから」との理由らしいです。本当かな。
ところで息子の学校なんですが、結局アカデミーになったのがどうか、よくわからないんです。田舎過ぎて、アカデミーになる条件が合わないとかそんな理由で長引いていたのですが、結局コーンウォールのどこかの学校と吸収合併みたいな感じになりました。それが財政にどう影響あるかもわからないですが、SENなどのヘルパーは減ったらしいです。