2019年3月14日木曜日

ポルポト、ジェノサイド、カリ・ユガ

カンボジアのクメールルージュやポルポト政権について、名前はみなさん聞いたことあるとは思いますが、どこまでご存知ですか?もしかしたらキリングフィールドという映画を見た方もいらっしゃるかもしれません。

先日たまたまラジオを聞いていたら、当時、東南アジアのどこかの国の米国大使だった人がゲストでインタビューされていて、詳しく説明していました。

ポルポトとは、1975年から1979年までカンボジアを支配した共産党の独裁者です。ここで起こったことは、趣旨という点では中国の文化革命にちょっと似てるかもしれません。「カンボジアを純粋にする」ために、教養のある人、学歴のある人、プロフェッショナル達、芸術家、宗教家を全員抹殺するというプログラムです。殺されたのは二百万人。カンボジアの人口当時は七百万人の中から、3分の一にもなろうかという数です。

殺戮は工場のようなところで組織だって行われ、幼い子供などは、足をもって木に頭を打ち付けて殺したそうです。

これだけでも恐ろしいことなんですが、私がもっとぞっとするのは、これは私が10歳から14歳の時に、同じアジアの国で起こったことなのに、日本ではほとんど知られていなかったことです。もちろん誰も知らないわけではなかったけれど、一般人だれもがが詳しく知るほど報道はされていなかったと思います。(まあ日本は今でも世界情勢はマスコミはほとんど取り上げませんが。)私は、ポルポトやらクメールルージュの名前くらいは聞いたことあるかなってくらいにしか記憶ないです。

ナチスのユダヤ人大量殺戮(ジェノサイド)が、今からたった70年前に起こったっていうことすら、信じがたいですが、少なくとも世界はそれを知っています。そしてこの件については、「この醜い歴史的事実を風化させないようにして、同じことが二度と繰り返されないようにしよう。」という世界的意欲は強いと思うのです。

でも実は、同じようなことは、ユダヤ人殺戮以降も何度も世界では繰り返されてるのです。有名なものだけでも、旧ユーゴスラビアの ボズニア人殺戮(スレブレニッツアのジェノサイド)、ルワンダ、イラクのクルド人殺戮などなど。今ではビルマのロヒンギャ民の殺戮。

ユダヤ人とは歴史的に、裕福で教育のある人たちが多い人種です。(NYの金融街はユダヤ人が牛耳ってると言ってもいいくらいです。)ユダヤ人のホロコーストのことは有名だけど、これは彼らはそれだけ力もお金もあるから、この歴史的出来事を風化させないようにすることが出来てます。でも、人類はその教訓なんて全然学んでないで、その対象がユダヤ人ではないというだけで、ジェノサイドとかホロコーストのようなことは世界中でそれ以降も何度も繰り返されているのです。

地球温暖化はあと12年以内に何とかしないと、もう取り返せないとも言われています。なのに、これが世界政治の一番の焦点になる気配は一向になし。

人類ってもうどうしようもないのかな。ヒンズー教的には、今の時代はカリ・ユガと言って、悪いことが増長する時代なんですが、(そしてそのうち破滅して、また最初に戻る)、本当にそんな感じなんだろうか。

女性やら子供やらマイノリティーの権利とか、昔とは段違いに尊重されるようになってきたし、世の中よくなっていると思いたいのに。

ではこちらもよろしくお願いします


6 件のコメント:

むー さんのコメント...

なんてタイムリーな話題。いまヒトラーのかの「わが闘争」を読もうとしています。お金出すのもいやだったけどあれだけ影響力のあった人の本を読まないのも不自然だとおもって。いま個人的にナショナリズムがなぜ他者への差別と組み合わせられないといけないのかを考えているので、その一環として。なんであんなことが起こるのが許されたのか、何が魅力だったのか自分で判断してみようとおもったのだ。最初の数ページ目を通しただけだけど、饒舌、自己陶酔、自己弁護という感じ。それにしても彼の饒舌さと熱意は、その点だけ切り抜けばやはり天才だとおもう。日本だって他人事じゃないよね。昔も今も、人々はヒトラーみたいな人間の言葉を積極的に信じたかったし、”買った”んだ。なぜだったんだろうって考え続けます。

nekonasu ねこなす さんのコメント...

お久し振りです!
私も映画「キリングフィールド」で事実を知った感じで、当時の日本の報道の印象はほとんどありません。
昨年カンボジアに行った時に、プノンペンの元高校校舎が刑務所として使われていた虐殺のあった場所に見学に行ってきました。
とても気持ちが沈む場所ですが、人間としてこんなことがあったという事実は、誰もが知るべきものだと思いました。
そして、その当時の世界の政情を含めて、いろいろなことを学ぶ機会になりました。
ちなみにブログ記事はこちらです。http://london-nekonasu.blogspot.com/2018/11/blog-post_14.html

Atsuko さんのコメント...

むーさん
それはタイムリーですね。結局お金出して買った?私なら、なんとなく読むのも、手にするのすらも怖いかも。でも今読むのはすごくいいんじゃないかな。結局ナチスってポピュリズムだと思わない?そう考えれば、ナショナリズムもポピュリズムと言えるかもしれない。
「饒舌、自己陶酔、自己弁護という感じ。それにしても彼の饒舌さと熱意は、その点だけ切り抜けばやはり天才」
これって今のとある国の政治家にも言えたりして。

Atsuko さんのコメント...

ねこなすさん
そうでした、行かれてましたね、カンボジアに。その記事と前後の記事、その時にも読みました。
勇気をもってその刑務所に行かれましたよね。私は行けないかも。
そう、ナチスとかポルポトとかいろいろあったのは怖いけど、一番ぞっとするのは、歴史はいまだ同じ悲劇を繰り返してるってことです。人類ってまだまだダメですね。

むー さんのコメント...

第一巻をやっとこ読み終わって。。いやはや、有限実行の男だったとわかりました。あの本に書いてあったことはほぼ実現させた。ただのうわごとや夢じゃないところが怖い。彼らは真剣だったのだ。マジ。日本語の文庫を買ったので数百円だったよ。読むのにかけるお金と時間を最小限にしたかったから。この本の印税はどこにいってるんだろうね。ヒトラーはこの著作で多大な税収があって初期のナチスの資金になったとか。よくわかっていなかった神聖ローマ帝国やオーストリアハンガリー帝国、プロイセンの関係についておさらいできたのはよかったです。(じぶんで調べた)

Atsuko さんのコメント...

むーさん
じゃあ第二巻、第三巻ってあるのね。有言実行・・・まあ、方向は間違っていたけど、あれだけ「人望」があったんだから、カリスマのある男だったんだろうね。印税、どこ行くのかな。
私は世界史苦手だったので、今でもよくわかってないけど、ネットの時代になって、子供用にすごく簡単にまとめたサイトとかを利用してます。