日本人が日本で小説を読むときって、だいたい日本の小説ですよね。翻訳小説も出てることは出てるけど、やっぱり圧倒的に数が少ない。
考えてみれば、世界的には日本語で書かれた小説は、英語で書かれた小説、もしくは英語を含む外国語で書かれた小説より圧倒的に数は少ないわけですから、「世界中の名作を読む」という意味では、偏ってるとも言えます。
日本では目にした事がないし聞いたこともない本で、でも欧米では絶対的に評価が高い本と言うものもたくさんあるわけですが、これだけはぜひぜひぜひぜひ、日本人の人達にも読んでほしいなあという小説がふたつあります。
一つ目はハーパー・リー(Harper Lee)というアメリカの作家の「アラバマ物語」という小説です。日本語ではぱっとしない題名ですが、英語は、To Kill a Mockingbird という魅力的な題です。
内容は、アメリカ南部アラバマの、黒人差別の話です。白人のお父さんと男女の子供たちの家庭が主人公で、お父さんは黒人差別と戦う弁護士です。8歳くらいの妹のスカウトの視点から語られる話で、とにかく筋書きから人物描写から最後の展開まで、すばらしい。私がこの世で一番好きな本です。
イギリスやアメリカでは中高生が必ず読まなければいけない必修の本で、グレゴリーぺック主演で映画化されて、アカデミー賞まで取った 作品です。日本でなぜこんなに人気がないのか、全然わかりません。(多分邦題のせいだ!)
本屋では多分売ってないと思うけど、アマゾンで買えるのでぜひ(中古などで)買って、でも期待しないで読んでください。 これがもしも廃刊なんてことになったら、日本の外国文学シーンにとっては大きい損失だと思いますよ。
それからもう一冊すごくお勧めなのは、ドナ・タート(Donna Tartt) という現代作家のThe Secret History(シークレット・ヒストリー)という小説です。
舞台はアメリカの大学で、いきなり殺人から始まります。この時点で犯人はわかってますので、推理小説ではありません。それなのにアマゾンを見ると、カテゴリーがミステリーになってます。それが人気のない理由かもしれません。
これは、英米の評論家の間ですごく評価が高いのですが、 それとは別に、取り付かれた様なファンベースがある、カリスマ性のある、不思議な魅力のある本です。でも魅力という言葉は明るいイメージですが、明るい本ではありません。英語で言うと、Haunting,とにかく心の奥深くを捉える力のある本。そしてその「心の奥深く」は、結構暗いというか黒いというか、「こころの闇」という部分です。
こちらもアマゾンで出てます。現代小説だから、本屋でも売ってるかな。
写真は妹が日本から送ってくれた阪神ののり。磯辺巻きで食べました。
ではこちらもよろしく
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2 件のコメント:
へえ、面白そうですね。アラバマ物語って聞いたことあるけど、どこで聞いたのか覚えてません・・・。
阪神の海苔、すごいわ。
名作だから聞いたことあるかもね。私はなかったけど。それとも映画のせいかな。
アラバマ物語は、本当に読む価値あると思うよ。ぜひ。
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