2010年12月29日水曜日

The other Boleyn Girl

先日子供向けのエリザベス1世の本を読んだことを書きました。するとその数日後にテレビでアン・ブリーンについての映画をやっていました。タイトルはThe Other Boleyn Girl (もう一人のブリーンの娘)です。

アン・ブリーンはエリザベス1世のお母さん。ヘンリー8世の2人目のお妃で、結婚数年後に不貞と近親相姦の罪で断頭台に送られます。この映画はその歴史に基づいたフィクション、つまり実話の中の不明な部分を作者の想像力で埋めた作品で、なかなか面白かった。タイトルのもう一人の娘はアンの妹(もしかしたら姉)のメアリーです。これは実在の人物。

映画のあらすじは省きますが、その中の人間関係がかなりややこしくて面白い。それをかいつまんで書きます。史実の部分は(実)マークを入れておきます。

ヘンリー8世はキャサリン・オブ・アラゴンと結婚している。娘が一人いるが念願の男の世継ぎに恵まれない。(実)
アンとメアリーの父親が、アンと王との結婚を企てる。
メアリーはフランスの王様の愛人(実)。
アンには婚約者がいるが、父親はこれを破談にし、メアリーがその男と結婚する。
アンは父親に反抗して秘密で別の男と結婚する。これをメアリーが父にばらし、別れさせられる。
メアリーはヘンリーに気に入られ、ヘンリーの 愛人になる。(実)そしてヘンリーの子供を身ごもり男子を産む。(おそらく実)
ヘンリーはアンも愛人にしようとするが、アンがこれを拒んだため、キャサリン・オブ・アラゴンを離婚し(そのためにカトリックから独立し英国国教会を設立する。)アンと結婚する。(実)
アンは女子を産む。これがエリザベス1世。(実)
ヘンリーは男の世継ぎを望むが、アンは流産を繰り返す。その間ヘンリーはジェーン・シーモアと関係を持ち始める。
アンの精神状態が追い詰められていく。男子を何がなんでも産まなければ、ブリーン家は破滅に追いやられることになる。(実)
追い詰められたアンは実兄のジョージに、自分を妊娠させてくれと頼む。(???)
これがジョージの妻の耳に入り、彼女がヘンリーに密告し、ジョージとアンは断頭台に送られる。(実)

???の部分は、アンはその罪状で殺されたんですね。でもこれが事実なのか濡れ衣なのか、それは誰にも分かりません。まあそういう部分が多いから、小説になるんですよね。映画では二人は寝室に行くが、やはり実行に移すことはできなかったとなっています。

こうしてみてみると、アンも早死にしたし短い人生だったんだけど、短い間に本当にいろんなことがあったなあと思いますね。盛りだくさんな人生。メアリーなんてフランス王とイングランド王の愛人だったし。

それで思ったんですが、回りを見回すと、映画や小説、テレビ、コメディーまでヘンリー8世やエリザベス1世を題材にしたものがたくさんあります。やっぱりなんというか、この血なまぐさくかつ人間臭いこの頃の歴史、面白いですよ。

ところで先日子供たちに「ヘンリー8世って何人奥さんがいたっけ?」と聞いたら、チャーリーが例のHorrible Historyの歌を歌って教えてくれました。

Divorced
Beheaded
Died
Divorced
Beheaded
Survived

Henry the eighth had six wives,people say he ruined their lives....

(離婚、断頭、病死、離婚、断頭、生き残り、ヘンリー8世には6人の妻、彼女らの人生は台無し)

おきさきの名前は順番に、キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブリーン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・クリーブス、キャサリン・ハワード、キャサリン・パーです。

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

すごいねぇ・・・その頃の歴史もすごいけど、その歌を子供が歌っちゃうところもすごいねぇ。昔ってそんなに乱れてたのか。ローマみたいだね。日本もそんなに乱れてたのかなぁ?大奥の頃とか?まあしかし、そういう人生もエキサイティングでいいかもね。この年になるとなかなか恋愛するチャンスもないからつまんないねぇ。

Atsuko さんのコメント...

昔って教会がパワーがあって貞操とかが固かったのか、それともかなり乱れていたのか、よく分からないよね。こんなに愛人とかとっかえひっかえしてる割には、不貞を働くと断頭だとか。
テレビなどで見てるとコスチュームがきれいで、一度着てみたいなあ。

この年になると恋愛するチャンスがない?それは年には関係ないよ、状況しだいでしょう。