2020年3月15日日曜日

コロナウィルス、イギリスは我が道を行く

ヨーロッパじゅうが学校閉鎖、ロックダウン、国境閉鎖となっている中、イギリス政府は先週の木曜に記者会見をし、当面これといった制限はなしという発表をしました。

これまでと変わったことは、 

1. 封じ込め政策から、遅延政策に変更。
2. コロナウィルスの症状が出ている人は、重症でない限り医療機関にはコンタクトせず、家で1週間自己隔離。
3. 学校閉鎖、イベントキャンセル、ロックダウンは、必要に応じて取り入れるがまだ時期尚早。

これだけです。これだけでも相当世界の他の国とは違う方針で(でも妙に日本とは似てる気がします)、学校を閉鎖しろとか大きいイベントをキャンセルしろとか、いろいろ批判もあるのですが 、そのうえ、「集団免疫」という話を持ち出したので、さらに批判の声が上がりました。

つまり、これは最悪国民の80パーセント近くがそのうち感染することは避けられないことで、国民の60パーセント以上がいったん感染して免疫をつけることで、残りの40パーセントを守ろうという方針です。

これはどう考えてもリスキーな政策です。集団免疫というのは、予防注射の話でよく出てきますが、注射で免疫ができた人からは移らないけど、実際にコロナウィルスに感染した人は他の人に菌をまき散らしてしまいます。つまり集団免疫ができる過程で、多くの人が感染して、多くの人が死ぬであろうということです。

そして、コロナウィルスがどういうものがよくわかっていないので、実際に60パーセント以上の人が感染しても、それが集団免疫にはなるとは限らないとの批判もあります。一度治ってまた感染した人がいるというニュースも出ていますし、もしかしたらインフルエンザのように毎年変化して、来年には全く免疫がなくなってるという可能性もあります。

というわけで、イギリスのやり方は、国内外から批判されているし、 WHOも批判的なようです。

が、私はイギリス政府の考えてることもわかるんですよね。イギリスのような政策を取ってもイタリアみたいにロックダウンしても、結局80パーセントくらいの人が速かれ遅かれ感染すると思うのです。政府は多分、これは水ぼうそうのような、感染力が非常に強く、ほぼ全員が感染する病気だと思っています。感染を止めることはできないので、とにかく何とか感染のスピードを遅くすることだけを目指しているのだと思います。

中国やイタリアのようにロックダウンすると、取りあえず落ち着くけど、一体いつまでロックダウンするのか、いつになったら通常通りになるのか、誰も知らない。イギリス政府はこれは長期戦と考えています。となると、まだロックダウンするのは早いと思っているようです。何しろ何か月もそうなるかもしれないし、はじめはよくても、だんだんだれてきて、人々は活動を始めるだろうし、一番最悪の時期にだれてくると一番問題です。

そして経済。経済って言うと、「この非常危機に経済なんて」と思うかもしれないけど、多くの人にとっては死活問題。レストランやカフェなど、1か月も閉鎖になったら倒産です。飛行機会社も旅行会社もすでに相当危ないといわれていますよね。私ですら、ロックダウンになると仕事が出来なくなって、収入がなくなります。(これは確実に起こることなので、個人的に本当に困った問題です。)特にイギリスは、保守党政策で日本でいえばバイト的パート的立場の人が多くなったので、そういう人はあっという間に家賃が払えなくなってホームレスってことになりかねません。だから、ロックダウンをできるだけ先延ばしにしたいといのは、無理もないことです。

私のヨガのクラスですが、先週までは生徒さんが少ないってこともなかったのですが、明日からどうなるかなあ。イースター休みまであと2週間。何とかレッスンを閉鎖せずに続けたいんだけどな。

ところでオリンピックですが、日本政府って本当にまだできると思ってるのかな?そんなの絶対にありえないと、欧州に住んでいると感じます。

ではこちらもよろしくお願いします。


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