今上記のようなタイトルの小説を読んでいます。日本語のタイトルは「ライ麦畑でつかまえて」。大学生のころサリンジャーが好きになって全部翻訳で読みました。そのうちの何冊かはペーパーバックでも読んだ気がしないでもないんだけど、記憶は定かではありません。
どうして今頃こんな本を読んでるかというと、どういうわけかうちの本棚にずっとあって(デイブは本をまったく読まないんだけど、きっと彼の本のような気がします)、そのうち読もうと思って引越しのたびに捨てずにおいてあったのを、ふと手に取ったわけです。
まだ読み終わってないんだけど、なかなか夢中になって読んでます。でも自分で言うのも何ですが、自慢するわけじゃないんですが、やっぱりさすがに20年以上イギリスに住んでると、英語力が上達したなあって思いました。大学生のころじゃぜんぜん読めてなかったと思います。というか読んだような気になって筋はわかったとしても、細部まで、言葉の綾とか、面白い言い回しとかユーモアとか、ぜんぜんわからなかったと思う。特にこれは高校生の一人称で書かれていて、若者の完全な口語なので、なかなか外国で生活してないとわからないんじゃないかな。
言葉もhelluvaとか sunovitchとか出てきます。これはhell of aと son of bitchのことなんだけど、こういうのも昔は辞書引かないとわからなかっただろうな。そもそも英和辞典に載ってるかなあ。
私は翻訳は苦手なんだけど、この小説読んでいて、大阪弁にしたら結構雰囲気出るんじゃないかという気がしました。たとえば・・・
Then I thought about the whole bunch of them sticking me in a goddam cemetery and all, with my name on this tombstone and all. Surrounded by dead guys. Boy,when you are dead, they really fix you up. I hope to hell when I do die somebody has sense enough to just dump me in the river or something. Anything except sticking me in a goddam cemetery. People coming and putting a bunch fo flowers on your stomach on Sunday, and all that crap. Who wants flowers when you are dead?
「みんなが俺をあほみたいな墓に突っ込んだりしてるところを考えた。俺の名前が墓石に書いてあったりすんねん。周りはみんな死人ばっかりや。しかし、死んだらみんなホンマ好き勝手しよるで。ほんま頼むけど、俺死んだら誰か一人ぐらい「川にほりこんどいたれ」くらい気ぃきいたこと考える奴おって欲しいわ。墓に突っ込む以外やったらなんでもええ。日曜に人が来て、腹の上に花束差していくとかそういう糞ったれたこと。死んで花欲しい奴、どこおんねん?」
こんな感じでどうでしょうか? なかなか原文の雰囲気でてると思うんだけど。
ところでこの本が出版されたのは1951年です。主人公のホールデン・コールフィールドは学校を飛び出して実家の近くのニューヨークに行くんですが、ホテルに泊まってすることが無いので、一晩中飲み屋に行ったりダンスホールにいったりして時間を潰します。それでふと思いついたんだけど、もちろんこのころはテレビが無いんですよね。だから一人で退屈で寂しいと街に出るんだ。今だったらテレビとかインターネットで一晩時間簡単に潰せるのにね。
それから思ったのは1951年といえば戦争がおわってまだ数年。でもぜんぜんそんな雰囲気はありません。また舞台が裕福なニューヨークに住む若者の話なので、ブロードエーのショーだとか劇場とか映画とか、ジャズクラブとかダンスホールとか映画俳優とか、学校の話もお坊ちゃんの行く寄宿生の学校の内情が出てきます。日本なら1950年前後って、まだまだ食べるのに必死という感じだったんじゃないかなあ。そう考えると、日本とアメリカってそもそも国力がぜんぜん違うのに、よく戦争してたなあという気がしました。
まあ、話が飛んじゃいました。とりあえずブログに書いておきたいなあということがいろいろある本でした。まだ読み終わってないので、終わったらまた今度はまじめな感想を書くかも。
8 件のコメント:
あつこさん 今日のそれも「まじめ」で、けっこう面白く拝読しました(いいなぁ)ですよぉ
大阪弁訳(私は英語がまったくダメ)のそれも面白い!
1950年という時代のそれもいい!ですなぁ
遊びの中に真実があり、真面目の中に遊びが存在する。そう思う日曜の朝
こんのさん、大阪弁で訳すると面白いんじゃないかという小説は、もしかしたら結構あるのかも。映画「シュレック」も確か吹き替えは大阪弁ですよね。
私は根が生真面目ですから、もっといい加減に生きたいなあと思います。でも遊びもある程度まじめに遊んでこそ、面白いんですよね。
久しぶり。
大阪弁バージョン、グッドよん。
まじめな話、Catcher in the Rye にならんと、今の仕事を続けてるわけだけど、なかなか思ったようにでけへんわ。
これって、大学時代の英語の教材やったな~。
ピンクの線のはいった表紙で、短編だったような。
こういう心理描写を読みこなさなあかん本は、難しい! 当時は表面上のストーリーしからわからず、いつライ麦畑が出てくるねん!と思いながら読んだ記憶があります。
きっと、今読めば、おもしろくなっているでしょうか。英語力はより低下しているので、やはり解読不能のような気がします。
ぜひ、大阪版で全訳をしていただきたく!
マーマワレンチーナさん、こちらこそ久しぶり。夏は残念でした。
なかなか大阪弁バージョン好評。翻訳って言葉が思いつかなくて苦手ですが、なぜか大阪弁ならすらすらと。
今の仕事長いね。夏にショウコさんの話聞いたら、まだ大阪市に雇われるよりはましなんちゃうんかなあと、人事ながら思いました。
山歩きさん、あのころは大学生の必読でしたねえ。私はそんな洒落た本は大学ではしなかったですよ。T.S.エリオットとか暗くやってた記憶が。
村上春樹が確か翻訳してたような気がしますよ。きっと彼の訳は面白いんじゃないかなあ。読んでみたいような気もします。
全訳大阪弁、やってみよかな。でもどこも出版はしてくれへんやろうな。
大阪弁訳、最高よ、それ。売れるかもよ?やってみたら??「ライ麦畑でつかまえて~大阪弁編」。
そういう汚い若者英語、昔、柄の悪いアメリカ人と付き合ってたとき、彼に勧められた柄の悪いペーパーバックにたくさん出ていたのでよく知ってました。懐かしかったです。しかし、私の英語力じゃ、小説の機微みたいなのはわからんだろうなぁ。
あくあさんなら大丈夫じゃないかなあ。
でも考えてみたらこれって50年以上も前に書かれた本なので、いくら若者の口語といっても大体わかるけど、もしも今の現役の16歳が口語でスラングいっぱいで書いたら、私もぜんぜんわからないかも?
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